表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はマルス。NPC。プレイヤーの彼女ができました。  作者: 雪卵
第3章 NPCという存在の現実
22/31

18話 マルスの寿命

本日7:30から8:30付近、リンク切れトラブルを起こしてすいませんでした。

アイアンゴーレムのくだりをうっかり短編として切り出してしまい、リンク切れを起こしてしまいました。現在は修正済みなので、ご安心ください。

Twitterで折角RTいただいたのに……。

 一足先にログアウトして、宿題をしていた時、ユイこと結野晴人から着信があった。

「ケイタ……。今、話せる?誰でもいいから話したくて……。」

「ああ、いいぞ。晴人、大丈夫か?」

「ごめん、今はユイって呼んでくれ……。少しでもユイが偽りの姿だと思いたくないんだ、よ……。」

「そうか、大丈夫か、ユイ。」

「ダメ。もう気がおかしくなりそうだよ。」

「お祭りでの交流、中止にして本当に良かったのか?」

「それはしょうがないでしょ、あんな奴らマルスに会わせられないし、同じような奴らはほかにもいるかもしれない。プレイヤーとNPCの交流なんて考えた私がばかだった。」

「ユイ……。」


「ねえ、ケイタ。」

「何?」

「マルスに今回中止した理由、話しても大丈夫だと思う?」

「え?それはまずいんじゃないか?そもそも、マルス達は自分を人間だと思って生きてるんだろ?」

「うん。そして、人間だよ。自分で人間だと思ってるなら、プログラムだろうが何だろうが、それは人間だよ。」

「ユイ……。ユイは断言できるんだな。」

「当たり前でしょ!それとも何、ケイタは私の愛した人が人ではないというの?」

「いや、それは……。」

「ごめんね、八つ当たりするようなしゃべり方になっちゃって。でも、私は、マルスを心底から人だと思ってるし、愛してる。だから、もう隠し事はしたくないの。」

「そうか。ただ、言い方気を付けないと壊れるぞ、彼。」

「うん。言い方には最大限気を付ける。最悪の場合プレイヤーや運営を悪者扱いすることになっちゃうかもしれないけど、そしたらごめんね。」

「それはしょうがないよ。」

「ありがとう。私、結局はプレイヤーや運営よりマルスが大事だから……。マルスと、マルスの愛するものに、寄り添って生きていきたいんだ。」


 そこで、俺は思い当たることに気づいた。


「一人称私になってんぞ……。」

「そうしたの!もう!私は、女として生きていく!」

「は?」

「さっき隠し事はしたくないっていったでしょ?実は男だなんてやっぱり言えない、だったら本当に女になるしかないの!」

「ちょっと待て、それは必要なのか?」

「必要はないかもしれない。でも、もう、男として生きていく気は、起きないの。」

「ちょ、それはよく考えろ……。」

「いや、あの後、両親にも話したんだ。うすうす両親も察してたみたいで、『ちゃんと産んであげられなくてごめん』って言ってた。」

「ちょっと待て、おまえそのレベルで女子になってたのか。いやまさか、お前最初から心は……。」

「ううん、もともとは男だと思って生きてたよ。」

「あ、やっぱそうだよな。」

「でも、少なくとも今の私は、自分が男だとはもう思えないし、思いたくない。」

「じゃあ学校とかどうすんだよ。急に性別変えるわけにいかないだろ?」

「とりあえず休学して、転校の手続きしてもらうことにしたから。」

「ちょっと待てって。早まるな、ユイ。いや、晴人!一生の問題なんだぞ、後悔するのはお前なんだぞ!」

「後悔なんてしない!私は一生マルスと生きていく、だから問題ない!」


 ここで、ついうっかり俺は、最近ずっと持っていた疑問をぶつけてしまった。


「晴人は、本当に一生このゲームがサービス終了しないとでも思っているのか?」


「……。」


「ご、ごめん、こんなこと言うつもりじゃ……。」


「いや、いいの……。大丈夫、だから……。」


 そして、通話が切れた。

 俺は、大きな過ちを犯してしまったらしい。

 現実は、時に凶器にもなる。

評価人数が一人増えているようです!ありがたやありがたや!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ