表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はマルス。NPC。プレイヤーの彼女ができました。  作者: 雪卵
第1章 町の惨劇 (本編)
1/31

1話 ユイちゃんと待ち合わせ(挿絵あり)

もう作品は完結まで書いてあるので毎日更新します。

10話弱くらいの予定。

 俺はこの街の騎士マルス。生まれも育ちもこの街だ。そんな俺には最近彼女ができた。ユイちゃん、16歳。ソロ冒険者で、若いのにもうLV60を超えてるんだって。いったいどれだけ頑張ってきたんだろうなぁ。27歳の俺がLV70だから、そう変わらないんだもんなぁ。これでも、俺もけっこう強い方なんだけど……。

 そんなユイちゃんは夜の21時以降しか姿を見せない。昼の間は学校っていう場所に通っているらしいんだけど、詳しくは教えてくれていないんだ。いつか教えてくれる日が来るといいなぁ。

 そんなことを考えている今も、待ち合わせ場所の『魔力水の滝』でユイちゃんを待っているところだ。

 今予定より30分遅い21時30分なんだけど、まだ来ないなぁ……。あっ、来た。

「ごめーん!遅くなっちゃってごめんね、マルス。」

「よかった。ユイちゃん、遅いから心配したよ。何かあったのかなって。」

「ごめんごめん。どうしても今日中にやらないといけない宿題があって。」

「宿題って学校で出る、やんなきゃいけないことのことだっけ。何か俺が力になれることがあったら言ってくれよ?手伝うから。」

 そういうと、ユイちゃんは苦笑しながら、

「だ、大丈夫だよ。マルスの手を煩わせるのは悪いから。」

 ユイちゃんはこういう風には言ってくれてるけど、本当は俺なんかじゃ役に立たないんだろう。まあ、俺は学がないからな。でも、どういったことについて学んでいるのか、俺は興味がある。魔法学とかなら分かるけど、ユイちゃんの通っている学校では数学とか化学とか聞いたことのない学問をいっぱい教えているんだって前言ってた。

「ごめんな、力になってやれなくて。」

「ううん、心配してくれてありがとねっ。」

 そういうと、ユイちゃんはそっと微笑んだ。金色の長い髪が風に乗ってふわりと揺れる。つい俺は見とれてしまう。


「マルス、どうしたの?」

 そう言うユイちゃんの大き目で少し潤んだ青い瞳が、俺を上目づかいで見つめる。

 あーもう、かわいいなぁ!

「ごめん、ちょっとみとれてた。」

「も、もう……。」

 そういって恥ずかしそうにはにかみながら、肩を震わせる。

 昔からユイちゃんはかわいかったけど、最近特にかわいい。一つ一つの仕草が、表情が、声が、全部がかわいいのだ。日を追うごとにかわいくなっていってる気がする。

 気づくと、ふっとユイちゃんが顔を寄せてきた。俺の鼻っ面をユイちゃんのフローラルな香りが刺激する。

「それよりマルス、今日のクエスト行こっ。」

 ユイちゃんと俺のデートは、冒険者ギルドから提示されるクエストを一緒にやることである。ユイちゃんは普段ソロで活動してるんだけど、二人じゃないとクリアできないクエストがある時に俺と一緒に行くことになるんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ