ガス・電気・水道はファンタジー世界にはない
最近気づいたのですが、ガスや電気や水道はファンタジー世界にはありません。まあその他にも、中世ヨーロッパ時代のファッションもよくわからないのですが、それは一旦置いておいて。日常生活をベースに書いていたので、うっかりと肉料理などの描写をしてしまったのですが。「あれ肉はどこで保存しているんだろう? 冷蔵庫はこの時代ないよな」「火はどうやっておこしているんだろう? 火打石を使うのかな」「水はどこから汲んできたのだろう? 川かな、雨水でもためているのかな」といった疑問が雪崩のように巻き起こりました。そして私は簡単に埋もれてしまいました。
ぐすん。どうやら私は中世ヨーロッパの基礎知識がなかったようです。一応、剣と魔法の世界なので、魔法でこじつけて何とかする予定ではいますが、うかつでした。他の人はどこで、豊富な知識を手に入れているのでしょうか。ウィキペディアでしょうか? あまりこの手のファンタジーを読まなかった読書不足に原因があるのだと思います。「剣と魔法のファンタジーぐらい誰でも書けらあ」と思っていた私に説教をしたくなりました。
確かに電気が無ければ照明もないわけで、夜間はどうしているのか。仮にガスランプがあったとしても照度はどの程度のものなのか。旅行者がカンテラ片手に賊やモンスターと戦えるのか。疑問点をほじくりだしたらいくらでも出てきました。つまり今私が手掛けている小説三作は、全部ここらへんの検証がうっちゃられています。
ガスがない場合は、火種をどうやって保持していくかという問題がありますし、仮に炭火があったとしても、煙はどうするのか、火力はどうなのか。興味は尽きません。まあ、たいていはキャンプ時のバーベキューなどで火起こしは経験しているはずですが。私はその手の活動を人任せにしていたので、というか、火おこしが苦手だったので、未だよくわかりません。
水道の代わりは井戸だとすぐ思いつきましたが。井戸の場合汲み置きの水を使うとして、日持ちはどのくらいなのか。知識としてはさっぱりです。おそらく、家のどこかに水がめ置き場でもあるのでしょう。井戸から壺を頭の上に乗せて運んでくるのかもしれません。水がめも結構重いですよね。女性が一人で運ぶには相当力がいるような気がします。バケツならそれ程でもないでしょうが。中世にバケツがあったのかは謎です。
こうやって、私はファンタジー執筆の難しさを知るのでありました。本当に知識が要求されるジャンルですね。現代ものの方が楽かもしれない。いや、現代ものは常識がないと書けないから、楽なジャンルはないということです。