遥か先の近いところ
ふと目に滴が溢れ出す
顔がほころび傾げる頭
理屈などでは到底届かぬ
たいそう身近な答えなんだ
でもまだ誰も
そこにたどりつけなくて
乳歯が顔だす放課後に
チャイムを無視して鬼ごっこ
一人また一人と消えるなか
見上げた夜空は夕暮れだった
一瞬とも言える煌めきに
不意に来たるは闇の時間
幼心は夢の図鑑
明日までの憎しみが
昨日までの優しさが
いつのまにか溶け込んだ
はるか彼方の僕の心へ
懐かしい匂いがした
心締めるものを見た
耳はちゃんと覚えてた
舌はそれを知っている
全身が震えたつ
幾星霜より遥かなる
時とも違う世界たち
そこに触れる僕たちに
理由なんて要らぬだろう