愛しのリボン.
授業中に思いついたお話です
勇者はK1をイメージして書いています
むかしむかし孤独なおうじょさまがいました
おうじょさまはふしぎな力を持っていてみんなかは恐れられていました
おうじょさまの宝物はお父様がくださったとても愛らしいピンク色のリボンでした
おうじょさまはいつしか取り憑かれたのようにそのリボンを愛すようになりました
おうじょさまはある時思いました
「私がリボンを愛しているようにこの子も私のことを愛してくれればいいのに…」
そこからおうじょさまは自らの恋のため様々なものに手を出しました これまで気にしてもいなかった自らの能力と権力を最大限に使って。
××年後おうじょさまはとうとう成し遂げました
悪魔か天使か神かなにかも分からないものに魂を売ったのです。
「ああ、██よ我の魂を与えよう!
どうかどうかどうか!このリボンに自我を吹き込め」
██は言いました
貴様の魂などいらぬ 貴様は数百年眠っていれば良い
我の力ならば貴様の願いなぞ容易く叶えてやろう
おうじょさまは涙を流しました
長年追い求めていたものがようやく手に入ったのです
おうじょさまは眠りました
次目覚めた時 愛しのリボンと共に過ごす未来を想いながら…
リボンは涙を流しました
自らが生まれた理由を知り
リボンは目覚めました
自らの存在を知らしめるために
おうじょさまは眠りました
リボンは目覚めました
おうじょさまはリボンを想い眠りました
リボンはおうじょさまを知り目覚めました
リボンは自らの生まれた理由を知りました
おうじょと呼ばれる人に愛されていたこと
おうじょと呼ばれる人に自我を吹き込まれたこと
おうじょが眠ったこと
リボンはおうじょのことが気になりました
どうして意思のなかった自分を愛したのか
どうして自らを犠牲にしても愛する人を作ったのか
リボンは探しました
恋とは愛とは何かを
自分が何なのかを
リボンは思いました
【自分もおうじょと同じ状態になれば良いのだと】
リボンは探しました
愛する者と自我を吹き込む方法を
リボンは見つけました
自らに秘められた能力を
リボンは気づきました
この能力はおうじょと同じものだと
リボンは思いました
【この能力を使えばおうじょと同じになれるのではないかと】
リボンは動きました
その能力を自由自在に使えるようにするため
リボンは見つけました
████をその███を
その間の×××年間にんげんは動きました
繁殖して住処を作り村を作り町を作り国を作りました
一途に愛しの人を想い続けたおうじょさまは
「愛しの人のため身を呈して国を護った」と謂れ崇め奉られ
人々はいつかのおうじょさまが目覚める日を待ち遠しくおもっていました
××年後──────
「今日もいい天気だ!こりゃあ今日こそ良いねぇちゃん捕まえれそーだ!!」
そう言って青い空を見上げた俺!かっこよすぎて惚れちまいそうだぜ!!…と思っていたら
ゴンッ!!
何かで頭を叩かれた
「朝からバカみたいなこと言ってないの!!!
復活祭の準備しなさい!」
と言う聞きなれた甲高い声
その先には…
「へぇへぇ、相変わらずレンカは厳しいなー」
分厚い本を持っている俺の幼馴染「レンカ」が居た
俺と同い年のはずなのになーんか大人びてるんだよな
かわいいし胸もでけぇけどうるせーのが玉に瑕だな!
「だーれが胸もでけぇよ!!
ほんっとに!紡は女子にしか興味ないのね!
アンタは王女様に裁かれなさいよ」
あぁそうそう俺の自己紹介がまだだったな!
俺の名前は「紡」(つむき)スーパーハイパーイケメンハイスペックなイケメンだぜ!
「うるせーなー
つーかお前ほんと王女様好きだよなあ」
王女様とはこの国の伝説である
【愛しの人のために身を呈して国を護った】と謂れてる伝説の王女様だ
「あったりまえでしょ!?好きな人を想い続けて身を呈して国を護った!素晴らしすぎるでしょ!?」
「早く王女様に会ってみたいなー、」
「そういや今日だっけ」
「そうよ!そうよ!!!王女様の目覚めの時!それが今日なのよ!?」
「こんな素晴らしい日に逢えるだなんて私本当に幸せよ!!なんかもはや細胞が王女様を求めているわよ!」
「ナ二いってんだオマエ、
そもそも俺らみたいな下民が王女様に逢える訳ないだろ」
「せいぜい復活の瞬間見れるのがいいとこだ」
そう今日はレンカが細胞レベルで愛してやまない王女様の復活の日
…まァこれまでも何回も復活の日とか言って特になんもなかったことあったし 正直期待してねーけど
俺が気になるのは王女様が美人か否か
それだけだ!!
「ほら!紡行くわよ」
「へーへー」
〜城内〜
「うおー!かなーり人いるな!
かわいいねぇちゃん居ねえかな」
「そりゃあそうでしょ!みんな王女様を待ち遠しにしてるんだから!」
もうレンカはツッコんでくれねえのか…と少し寂しく思っていると
「オッホン!」
いかにもえらそーな爺さんが出てきた
一応この国の国王さまだ
「えーー皆の者よ!よーく聞け!
これから王女様の復活祭を始める」
「この宮廷魔術師『レイン』に復活の儀を始めてもらう」
「皆の者は心を鎮めよ」
そのレインと呼ばれる女?は甲高い声で呪文を唱え始めた
周りはみんな鎮まりかえっていた
その瞬間──────
「だって貴方を愛██」 「イツカワタシみたいに」
「アナタシカイナ」 「レ──して────」
「マッテマッテマッテマッテまっ、」 「すきだよ」
「_______________私に還りなさい」
「なん…で?」「アイしテイruワ」 「「「「「「████」」」」」」
は?
なんだこれ なんだこの…これ、 なんだなんだなんだなんだなんだなんだ…
トントン
レンカが心配そうに俺を見ていた
「大丈夫…?顔色悪いけど、」
「あぁ、だいじょ…」
俺が言いかけた時
今後一生見ることは無いだろう
美しくて儚い光が城を包み込んだ
「あっ…」
レンカの声の先に彼女は居た
王女様だ────
見たことなんてもちろん無かった。
肖像画も残ってはいなかった。
だが本能がそう感じた。
本能がそうだと告げた。
それは確かに王女様だった。
静まり返った辺りを見渡すと皆固まっていた
当たり前だ、信じていた王女様。
居ないと思っていた王女様。
細胞が求めていた王女様。がそこに居るのだ
そりゃあ固まるよな
俺だって固まったよ
その瞬間
「みなさんおはようございます」
という優しく儚い声が聞こえた
誰もその挨拶に返事はしなかった
いいや、「俺を除いて誰も」かな
「おはよーございまっす!!」
「おねぇさんかわいいッスね!俺と1杯お茶どうっすか?あ!もちろん俺がお金出しますよ」
マズった やらかした なんかよく本見る
「俺なんかしちゃいました?」状態だ
その瞬間首を切られることも覚悟した
あぁ…レンカごめん、俺まだお前に…
そう思った瞬間意外な言葉が聞こえた
「えぇ!是非お茶しましょう!
申し訳ございませんがこの話が終わったらでお願いしますね」
と言う女神の声が聞こえた まァ王女様だし女神みたいなものか、
救われた 俺は救われたんだ…
ありがとう王女様よ…
王女様は何事も無かったかのように話を続けた
・自分が眠っていたのはリボンに自我を与えるためということ
・俺たちのことをずっと見ていたということ
・自我を与えたリボンが自分を探して暴走しようとしているということ…
正直色々なことが重なりすぎて意味がわからなかった
だがこんなことはもうどうでもいい
1番の衝撃は…
【「紡さんに勇者として私と共に旅をしてもらいます」】
は?
なんで俺が?王女様と旅に?てか勇者?え、?
その時の周りからの視線が痛かった
やめてくれ今はそんなに注目されたくない
俺はそっとレンカを見た
するといつもの悪いこと考えてる時の笑顔だった
「え?」
「はいはいはーい!王女様!
そーんな激ヤバ鬼やばな事案が迫ってるんだったら今すーぐ対応した方がいいですよねー!?
今からでも旅に出た方が良いんじゃないですかー!?」
コイツナ二いって…
すると周りからは
「そーだそうだ!
この子の言うとーりだ!
あぁ、王女様よ、今すぐ祟を払いなされ…
いやいや!相手が攻めてからこっちも攻めるっペ!
なんかよーわからんけどええぞー!」
賛否両論の声で溢れていた
いや、賛賛賛否両論かな、、
レンカの悪魔の一声で俺は明日から旅に出ることが決まった…
そこで復活祭はお開きになった
俺はてっきり俺の元に人が押し寄せて来るかと思っていたがそんなこともなかった
どうやら王女様が接近しないようにと言ったそうだ
俺はレンカの家に行った
レンカに聞きたかったのだ
「なぁ、レンカどうしてあんなこと言ったんだ?」
「旅に出ることは決まっていたとしても、何も明日からはないだろ…」
するとレンカは小悪魔的な笑みを見せて言った
「だって紡すっごいワクワクしてそうな顔してたんだもん」
「自覚なかった?」
自覚なんてミジンコもなかった
「え?そんな顔してたか?俺」
「うん、初めて見たよあんなワクワクしてる顔」
「でも多分アンタは優しいからさ色々考えちゃって旅に出るか否か沢山思い悩んじゃうとおもったの、」
…そこまで俺の事考えててくれたのか、
でも!!!
「だとしても!!何もあんな堂々と言わなくてもいいだろ!!」
そう俺が言うとレンカはちょっとしゅんとしながら
「ごめんごめん!ちょっと張り切りすぎてもうたわ!」
少しレンカの話し方に違和感を持った…そういやこいつテンションが上がったり下がったりしたら話し方変わるよなー…だがそんなことよりも少しシュンとしたレンカの笑顔が愛おしかったんだ
「もう決まったことは仕方ない!
やるって決めたからにゃ俺はやるぞー!」
「王女様もすげえ美人なねぇさんだし!」
そう俺が言うと
「いつもの紡らしいじゃん!いってらっしゃい!
この国ちゃーんと救うんだぞ!」
そう言って笑ってくれた
〜朝〜
人が多いとなんか王女様の不都合になるらしいので代表者数名(国王様・レンカ・レイン・カイロ・ライラ)に見送られ俺たちは城を出た
昨日始めてあった素性も知らない王女様と
女子大好きスーパーハイパーイケメンな俺との旅が
始まったんだ
「あの、王女様」
「王女様なんて呼ばないでください!
そうだなー私のことはリンと呼んでください!
というか敬語なんて使わないでください」
「一応アンタ王女だから敬語使ってたんだが…
ていうかリン意外と言葉使い荒い感じか…?」
「え!?なんで分かったの?」
王女がキョトンとしている
「話し方がなぁ、」
「えー!結構バレるもんなんだね!
今後は気をつけよーっと!」
あの優しい儚い声の持ち主とは思えない言葉使いだった
「つーかリン!俺達これからどーすんた?
行く宛てなんてあるのかよ」
俺たちは今王国を出て王女の馬車で森を進んでいる
「もっちろん!行く宛てはあるわよ
多分普通の人じゃあ分からないのよね、魔力のせいで」
「魔力?そもそも俺戦闘経験なんてねーぞ!」
「大丈夫!大丈夫!紡は私のことを見てくれてれば良いから!」
「なんだそりゃ…で?結局どこ行くんだよ」
「ここからちょっと行ったところにリボンの居る場所があるのそこに向かうわ」
こういうのはボス戦とか色々挟んでからだと思っていたがいきなりラスボス戦らしい…
「つーかリンはさなんでリボンに恋したんだよ?」
「あはははやっぱりリボンに恋するって変かな」
しまった…地雷ワードかと思った瞬間
「自分でも可笑しいとは思ってるよ
でも好きになっちゃったんだもん!そこに理由なんて必要?」
と言いながら無邪気に笑うリンを見て俺は
「ああ!理由なんて問い詰めるだけ野暮だったな!わりぃわりぃ!」と言った
するとリンは険しい顔をして馬車を止めた
「おー!サクナ!あれがおうじょさまと勇者さんじゃないかー!?」
「そうだね」
そこには
ミディアム位のうすピンク髪で活発的なかわいい子とサクナと呼ばれているウルフカットのうす水色髪のかわいい子が居た
「あんた達だれ?リボンの手先的な?」
すかさず反応したリン
「うーーーーーーーーーーーーーん気づいてくれると思ったんだけどな、まあそうだよリボンの手先!」
「ねえそろそろ帰んなきゃ」
「そうだね!帰ろっかサクナ!
おうじょさまと勇者さん!着いてきて!」
俺は本当に何も分からなかった
なぜリンはこんな冷静なのかこいつら2人は何者なのかなぜラスボスの元へ案内されているのか
そしてなによりも
【このふたりの性別はどっちなのか】
かわいくて活発的一見すると女の子にも見えるが雰囲気がどことなく男の娘っぽい気もするが女の子っぽい華やかな雰囲気もある対してサクナは大人しくて一見ショタっぽいが物静かな女の子タイプの可能性もある…どっちだ!?俺には分からねえ!
なんて考えてたら勝手に俺の口が
「なあ!お前ら名前と性別は?」
するとピンク髪が答えた
「僕はリボナ!ざんねーん♡男の子でしたぁー!
こっちはサクナ!性別は…」
「おにぃ…着いたよ」
肝心なサクナの性別は聞けなかったが男の娘に会えたので無問題だ!
そんなことよりもどうやらラスボスの城に来ちまったらしい…
「おうじょさまと勇者さんにはここで過ごしてもらうよー リボンが2人に逢いたいらしいよ!」
「おにぃ…言葉足りなさ過ぎ
お2人にはここで過ごしてもらいます…捕らえるなんてことはしません。リボンの命令なので、衣食住は完備監視も基本しません、リボンはおふたりに逢いたがっていますが今日は疲れただろうから休ませろとの命令が下っています。
リボンは万全なお2人には逢いたがっているので用意が出来次第おにぃを呼んでください。」
分かりやすく簡単な説明…サクナってやつはできる子だなと思いながら説明を聞いていた
その後俺たちは部屋に案内された
村の頃と比べれないほどでかい部屋とふかふかのベット無限に出てくる食料!娯楽施設!
「一生ここに住んでたい〜」
「なーに言ってんのよ!お飾りでもあんた勇者でしょ!」
と言いながら笑うリン どことなく雰囲気がレンカに似ている…
ある程度楽しんでゆっくりした後リンから色々話を聞いた
どうやらここで見た人達はリボンで出来ているらしい
リンの能力と同じリボンを操る能力ってのをラスボスは持っていてそれを使って人型を作り動かしているらしい
ラスボスが求めているのはリボンを自立させる方法
リンが愛しのリボンのためにした儀式の方法だ
リンが言うにはラスボスはリボンを自立させ完全な王国を作ろうとしているらしい
ラスボスもリンによって自我を与えられたリボンなので自らは自由に動けるがどうやらリボンを操るのは至難のワザらしい…
リンが言うにはさっき見たリボナとサクナも人型のリボンらしい
もちろん俺が楽しんだス█ッチャみたいな娯楽施設の店員もリボンだ
俺はお飾り勇者
これはリンの愛の物語
俺はそれをサポートする役
リンは要点を話したあとずっとリボンの話を楽しそうにしていた
自我を持たせたあとに眠ってしまった為眠っている間に見たリボンの話をしてくれた
それを聞いていた俺は安堵したんだ
こんなにリボンを愛しているリンなら争わずに事を丸く終わらせるんだろうなと
こんなこと言いたくもないが、
あんなことになるなんて、俺は知らなかったんだよ!
ラスボスの用意してくれた場所である程度楽しんだ後
俺たちはとうとうラスボスの元に行くためリボナとサクナを呼びラスボスの元に連れて行ってもらった
そこには人型リボン リボナとサクナが居た
何言ってるかって?俺にも分からん
正確には衣装チェンジしたリボナとサクナが居た
「やっぱり戦わなきゃなんたね」
と少し寂しそうなリンと、
「うん」と無機質に答えるサクナ
なぁラスボス!見てるんだろ!?サクナとリボナあやつってるんだろ!?
お前が出てくればもう解決じゃねえか!なあ頼むよ!出てきてくれよ!!!?
そこからは一瞬だった人型から少し人の形から外れたサクナとリンが戦った
リンが剣一本で戦う様を俺は見るしか無かったんだ
リンに押されてどんどん異形になるサクナとそれを
安全地帯から見守るリボナ
俺はこんなの見たくない
リンとリボンが2人で仲睦まじく居てくれればいいだけなのに…なんでだよリボン…
「なんでだよ!リボン!!!クソクソ!
お前が出てきて素直にリンを愛せばいいだけだろ!?
なんでだよ!ツンデレかよ!出てこいよ!!!」
その言葉を聞いて固まるサクナ
「あはははははははははははははははははははははは
バカか!?馬鹿なのかよてめぇは!?俺が!?私が!?このクソ女王を愛してる訳ねぇだろうがよ!」
は?それは確かにラスボスの…リボンの意思、
でも話しているのはサクナだ…
「はぁ〜もういいよ
教えてやるよ!アタシがリボン本体だよ!
リンなら気づいてくれると思ったんだけどなァ!」
へ?は?え?なんだそれどういうことだ。?
つまり最初から居たサクナはラスボス本人だったってことか、?
俺たちはまんまとラスボスの戦略にハマっていたのか、?
そんなことを考えながら俺は聞いた
「なぜ!こんなことをするんだ!!
なぜ、リボンに自我を与えようとするんだ!
なぜ…善良な人々の生活を壊そうとするんだ!!」
今の俺、最高に勇者だな…
するとリボンは笑った
「お前勘違いしすぎだよ!
僕は確かにリボンに自我を与える方法をそのクソ女から聞こうとしている!それは事実だ!
だがてめぇら人間の生活なんて興味ねぇ!」
「じゃあなぜ…!?」
俺が言った瞬間
リンが飛び出した
サクナ…いいや、リボンを切りつけた。
リボンはすぐさま異形の形に戻り戦った
俺は巨大な違和感に襲われた
なぜ…なぜ…リボナを使わない…?
リンは押しているがいつ押されてもおかしくないギリギリの状態だ今リボナを使えば確実に勝てるのに、なぜ…
そう考えてると
「ねぇ!リボン!なんでリボナを使わないの!?
アンタはどんどん形を崩して異形する一方!なのにリボナはずっと安全圏から形を変えずに見守ってるわよ!?」
「アンタの技量ならリボナ動かす位余裕でしょう!?
今リボナ使われたら私一瞬でお陀仏よ!?さあさあさあさあ!使いなさいよ!!!」
俺には分からない…
なぜリンはこんなにリボンを煽るんだ?
死ぬのは自分なんだぞ?
その瞬間リンはリボナを切りつけにかかった
その時─────
「マッテマッテマッテマッテまっ、」
リボンの焦った声が聞こえた
聞き覚えのある声だ
リンの復活祭で聞いた声…
嫌な予感がしたんだ
「なによ!リボン!この程度のリボンあなたになら即修復可能でしょ!」
「それともリセットして欲しくない理由でも?」
「いいわよ…言うわ俺がリボナに抱いてる感情」
「好きなんだよ、リボナが」
俺はよく分からなかった
リボンが自分の作ったリボンに恋をするという奇妙な状況を目の当たりにして
「お前が眠ったあと私はお前から継いだリボンを操る能力を完璧に使いこなすために練習し始めた」
「最初に作った人型がリボナだ アタシはこいつに特別な感情を抱いたんだよ、」
俺は複雑な乙女心が垣間見えた
リボンを愛してしまったリンと同じく
リボンに恋をしてしまったリボン…
「いつしか僕はリボナとちゃんと人と人として話たくなったんだ」
「だから私のしたリボンに自我を与える儀式をしたかったのね…」
やっと点と点が線になった
これはリボンの恋物語だったんだな…
「いいわリボン」
「え?」
「リボナに自我を与える方法、教えてあげる」
「!!」
リンから方法を教えてもらったリボンは儀式を始めた
「サクナ…?」
「!!」
そこには恋する乙女の顔があった
俺はなんて野暮なことを、
リボンいいや…サクナの性別なんてどうでもよかったんじゃないか!
そこに恋のかなった人がいるならそれでいいじゃないか!
俺はちらっとリンの顔を見た
下を向いていた、
そりゃそうだよな、数千年一途に愛し続けていた人が他の人と付き合ったんだもんな…
でも、自我を与える方を教えたってことは
リンは腹を括ったんだよな…そう思った時
「「「「「「え???」」」」」」
俺が王女復活祭の時に聞いた声の正体は俺だったのか
「私に還りなさい」
そこに居たのは刺されて解かれた乙女
恍惚の笑みを浮かべる悪魔の王女
自我を持ち始めた人型のリボン
「人型でも所詮リボン、リボンとリボンが愛せる訳ないでしょう?」
「ねえ、リボンやっぱり私が間違っていたのよ。
リボンに自我を与えても所詮リボンだものね。
自分を最も愛してくれる人には還らないのね。
なら無理にでも還してもらうだけよ。」
「愛してるわ
愛しのリボン.」
後先考えず伏線入れました
いつか書き直します。
「私に還りなさい」をやりたいがためにこんな壮大な物語書きました
裏話
・レンカ等のカタカナの名前の人は全員サクナ(リボン)の作った人型リボンのつもりで書きました
レンカの口調が変わったのは感情が昂りすぎたことによる操作が上手く効かなかったのが原因です。
・サクナはおにぃ(リボナ)大好きな妹ってつもりで書いてました
・リン(王女様)は貧乳です【断固たる意思】
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今これを読んでいる貴方のおかげで私の夢が1つ叶いました!