ハーピーの襲撃
翌日になり、セレナさんの案内で狭い渓谷の道に入ると、すぐ横には激しい勢いで流れる川が見える。
『わぁ、結構な高さがあるね。 皆んな、川に近づきすぎて泥濘みで足を取られて転落したら大変よ。 私の後ろについて歩くよう注意してね。』
先頭を歩くコルネの指示に従って、ゆっくりと道を進んでいく。
『よくこの道を、商隊の馬車は頑張って進んだもんだね。 被害のあった橋の上でなくても充分、危険が伴う旅だった筈だ…』
トラバスさんの指摘通り、できれば複数の馬車で隊列を組んで進みたい道ではなく感じる。
『後から知った事ですが、当時の依頼主だったサンプラー商会の二代目が、大手のアコース商会に追いつく事ばかり意識して、危険が伴う仕事の依頼を多く行った結果、あのような悲劇が起きたと私は思っています。 本来なら、無理して危険な渓谷の道を進まずに、大きく迂回して別の山道を歩く事を、他の商売人達なら当たり前としているそうです。』
危険な依頼を見抜けず、大切な仲間を失ったと被害者であるセレナさんが悲しそうな表情で話してくれる。
『ラッキー君。 あのような悲劇を繰り返さない為にも、我々は昨日の打ち合わせ通りに進んで行こう!』
トラバスさんはソニックバードのフレッタを飛ばして、高い位置からの魔物の襲撃が無いか〈意識共有〉で偵察を行う。 俺もオルトロスの〈千里眼〉を通して近場の魔物に備えながら、後衛から皆んなに情報伝達していく。 一時間程、道を進んでいくと、川を挟んで反対側の岩肌の間から複数の鳥の魔物の気配を感知する。
『魔物と接触します! ハーピーの群れで、数は11羽。 川の向こう側の岩肌の間から迫ってきます!』
俺の呼びかけに反応して、全員戦闘体制に入る。
『シルフよ! 強風を起こして、ハーピー達の飛行を邪魔して!』
俺達に向かって飛行してきたハーピー達は、コルネの向かい風によって進めずにいる。
『ラッキー君、今だ! オルトロスの〈アイスブレス〉を合わせていこう!!』
『了解です!』
2頭のオルトロスの4つ首から放つ〈アイスブレス〉は、シルフの強風に乗ってハーピー達を直撃させると、一瞬で身体を凍りつかせるたハーピー達は全て、流れの速い川の中に転落して姿が見えなくなっていく。
『ラッキー君、上手く〈千里眼〉を使いこなせていたよ。 この調子で皆んなを守ってあげてくれ!』
『ホント、私の〈索敵〉の範囲だと、あの距離までは感知出来なかったよ。 凄いね、ラッキー。』
『2人とも、ありがとう。 こちらこそ、さっきの戦闘はコルネのシルフのおかげで戦いやすかったよ。』
『では、皆んな。 この調子で上手く連携しながら先を進もう!』
『『『了解っ!!』』』
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