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アルトの秘密

 冒険者ギルドの食堂で軽めの食事を済ませていると、メリーさんに呼ばれた。


 『ラッキー君、お待たせしたね。 この子があなたに紹介しようと思っていた子よ。 じゃあ自己紹介をしてね。』


 『初めまして、アルトと言います。』


 目の前に現れた少女は黒のローブを着て先端が渦のような丸まった杖を持っていた。 見た感じは〈魔法使い〉だろうか? 可愛い顔をしているのに表情は暗い印象だ。


 『実はね。 この子のジョブの事であまり人前では話したくないみたいでギルドカウンターの奥に個室があるから移動してもいいかな?』


 メリーさんに言われるがまま、個室に移動するとアルトは俺に冒険者カードを見せてくれた。


 アルト 女 十二歳 Eランク冒険者

 ジョブ ネクロマンサー

 スキル一覧 〈死霊召喚〉


 『私…このジョブが原因で前に別の人とパーティを組んでいた事が二回あるんだけどスキルを見ると気持ち悪がられていずれも仲間から外されてきたの。 君も私なんかとパーティを組むのは抵抗あるかな…』


 『この子ね、本当はとても明るい子で気配りもできて優しい性格なんだけど、ジョブが原因で周りから仲間はずれにされててね…しばらく一人で活動していたようなんだけど、パーティを組んでいないと依頼をこなすのに限界が出てくるでしょう? 今回、ラッキー君とお試しで依頼を協力してみて駄目そうなら引退しようと考えてるそうなの。 どうかお願い出来ないかな?』


 きっと今まで辛い思いをしてきたんだろうな…俺も一度は冒険者になれなくて悔しい思いをしてきたからな。 この子とパーティを組んで笑顔にしてあげたい。


 『俺はラッキーといいます。 冒険者の活動は今日が初めての駆け出しですが足を引っ張らないよう頑張るのでよろしくお願いします!』


 『こちらこそよろしくお願いします。』


 不安そうな表情でアルトが返事を返してくる。


 こうして俺はアルトとお試しで午後の依頼を受ける事にした。 今回の依頼は、アルトと臨時のパーティを組んでいる事とワイルドウルフのホルンを従魔にしている実力を買われてEランクの依頼を受ける事となった。


 『では二人にお願いする依頼の内容だけど街の北側にある下水でキラーラットが増えていると情報があったの。 二人には可能な限りの駆除と原因の確認が出来たらお願いしたいです。 今回はキラーラットを無理に殲滅させる事が目的ではないので危険と感じたら戻って報告してくれる事が大事なのでよろしくお願いします。』


 ギルドから下水を探索する為のつなぎ服とランタンを貸してもらい俺達は街の北側の下水の調査に向かうのだった。

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