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侍の剣技

 俺達は三日後の旅の準備をする為、ウィンの街で買い出しをしていた。

 

『ねぇラッキー、前にウィンの武器屋で刀という異国の武器に、強い怨念を持った亡霊が宿っている話をした事を覚えている?』


 『そういえば、そんな事もあったよな。 今頃どうしたんだ?』


 『あの頃は私の魔力不足で、下手に手を出せばこっちが命を奪われる危険があったけど、今の私の魔力量なら制御出来そうな気がするの。 これから向かう渓谷は一筋縄では挑む事が出来ない難所だと思うから、私も戦力としてパワーアップしておきたいの。』


 コルネにも事情を説明し、俺達は以前に利用した武器屋に向かう。


 『いらっしゃい。 おうっ、ひょっとしてラッキー達じゃないのか? 久しぶりだな、今日は何を探しに来たんだ?』


 『久しぶりです、店主さん。 実は以前に展示してあった刀という武器を見せてもらいたいのですが。』


 『おいおい、前にも話した事があったと思うが、あれを手にした奴は、こぞって悲惨な死に方をする曰く付きだと説明しただろう? それこそ、アルトが亡霊の話をして止めていただろうが。』


 『その事ですが、今の私の魔力なら、あの刀に宿る怨霊を制御出来ると思うんです。 どうか試させてもらえませんか?』


 『うーむ、確かにお前達の活躍は他の客から噂を聞いてはいるが…何かあっても、助けてやれないぞ!』


 アルトは刀を受け取ると、武器屋の敷地にある試し斬りができる庭に移動する。


 『さあ、出てきて! あなたの力を借りたいの。』


 アルトの魔力と呼びかけに反応して刀全体から、黒いオーラが蠢くとやがて人の形となり、生前の姿と思われる見慣れぬ服装と髪留めをした男性が現れる。


 『セッシャノナハ 鉦鼓(ショウコ。 セッシャノチカラヲ モトメルカ? ナラバ チカラヲ ミセヨ!』


 異国の亡霊はアルトに向かって勝負を仕掛けてくる。


 『フリューゲルさん、魔力の消費は惜しみません。 本気で勝ちに行きましょう!!』


 アルトも〈憑依〉スキルを発動させると、自身が持つ槍と肉体に〈付与魔法〉と〈身体強化〉を使い迎え撃つ。


 『セッシャノ カタナノ キレアジ トクトミヨ。』


 異国の亡霊は、刀を鞘に収めて帯刀した状態から、素早い動きで刀を抜き放つと、俺の〈斬撃〉とは比べ物にならない威力の〈斬撃〉をアルトに放ってくる。


 『流石に〈見切り〉でどうにかなる相手では無さそうね…〈薙ぎ払い〉!!』


 〈斬撃〉を無効化すると、アルトは一気に勝負を仕掛ける。 それに対抗するように、異国の亡霊も自身の奥義を発動させてくる。


 『〈無双連撃〉!!』


 『ガリュウ オウギ 血染雪花(チゾメセッカ!!』


 凄まじい連撃のぶつかり合いに、離れて見ていても衝撃が伝わってくる。

 

 『絶対に負けられない!!』


 アルトが限界まで魔力を高めた一撃を放つと、異国の亡霊の身体を斜めに分断すると同時に、アルトの槍は魔力を込めた威力に耐えられず先端が消滅する。


 『ミゴトナ 袈裟懸け(ケサガケ) ダッタ。 オヌシデアレバ セッシャノ チカラヲ ゾンブンニ ツカウトイイ。』


 『大丈夫か?! アルト!!』


 『正直、ギリギリだったけど、鉦鼓(ショウコ)と名乗る侍が私に力を貸してくれる事になったよ。 店主さん、この刀は私が使っても良いかな?』


 『まさか、刀に宿っていた亡霊に勝ち、認められるとは驚いたぜ! 料金はいらないから存分に使ってくれ!』


 『これで、私も強い武器を手に入れられたね。 欲を言えばフリューゲルさんの力を引き出せる強力な槍も見つかれば良いのだけどね。』


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