二つ目の魔物の同化
『せっかく情報が手に入った事だし、見てみたいでしょう? 魔力を回復してあげるから、続けて〈同化〉を試してみるといいわ。』
そう言うと、マリンバさんは〈マジックヒール〉を使って、俺の魔力に回復してくれる。
『ありがとうございます。 では、早速やってみたいと思います!』
俺はシーホースのディオンとヴァイオに〈同化〉を発動させる。 マリンバさんの言った通り、新たな魔物の姿に変化するも、〈同化〉の維持を優先して1時間、継続して魔力を発動し続ける。
『よし、〈同化〉したまま維持出来ているな。 早速、〈鑑定〉を試してみます。』
スレイプニル(水陸適応タイプ) 魔物ランク Bランク
※8本の脚を持ち、この世に存在するどの馬よりも早く疾走する。 また、全ての世界を翔る能力とシーホースの時と同じく、水上でのフォルムチェンジを使用できる。
〈スキル一覧〉
・フォルムチェンジ ※水上と陸地で適応した身体に変身する。
・バブルブレス ※口から多量の泡を吐き出し敵を幻惑させる。
・尖った鱗 ※敵に物理攻撃をされた際に、鱗を尖らせ、相手にもダメージを与える。
・高速疾走 ※騎乗した者に負荷を与えず、高速で疾走する事が出来る。
・転移 ※騎乗した者を過去に行った事がある場所に瞬時に移動させる事が出来る。 馬車を繋いでいた場合は馬車ごと移動させる事が出来る。
『魔法の中でも、断トツに習得が難しい〈転移〉を所持しているなんて、素晴らしい従魔を手に入れたようね。』
『はい。 まさかこんな能力を秘めた上位種族になるとは思っていませんでした。 ところで、マリンバさんは何故、スレイプニルになる事を知っていたのですか?』
『そうねぇ、本当は自分の手の内をあまり晒したくはないのだけど、ユニークスキルの話も教えてしまったしね。 ラッキー君も所持している〈鑑定〉を使い続けると、〈神眼〉というスキルに進化させる事が出来るのよ。 効果の一つとして、対象にした魔物の進化方法も分かるようになるから努力して覚える事をおすすめするわ。 ちなみに、スレイプニルの条件は馬系統の魔物を〈同化〉させるみたいで、ペガサスやユニコーンなどを組み合わせる事も出来るみたいよ。 それじゃあ、今度は私が魔法を教えてもらう番ね。 早速、ラッキー君とアルトちゃんに光属性と闇属性の魔法を見せてもらおうかしら。』
こうして、俺達は魔力を飛躍的に向上させる事が出来、マリンバさんも光属性と闇属性の魔法を覚え、六大属性全ての魔法を所持する事が出来たようだ。
『あなた達のおかげで、ついに上級ジョブでも歴史上1人しか存在しないと言われた〈マジックマスター〉を手に入れる事が出来たわ。 また困った事があれば相談に乗るから、私の能力については周りには教えない事を約束してね。』
マリンバさんに再び〈転移〉でベネシャの西の森に移動させてもらうと、感謝の気持ちを伝え、俺達はベネシャに戻る事にした。
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