魔力向上のトレーニング
『それじゃあ、場所を変えて早速魔力向上のトレーニングを始めましょうか。 皆んな、私について来てね。』
マリンバさんに案内されて向かった先には、広い空間になっており、中央には何かの巨大な魔道具が柱のように設置された部屋に辿り着く。
『真ん中にある魔道具に触れながら魔力を全力で注いでいくと、普段あなた達が行っているトレーニングよりも効率よく魔力を高める事が出来る代物よ。 先ずは三人とも、一週間はこれを使ってトレーニングを続けると良いわ。 それとここで滞在している間は各自、部屋と食事とお風呂を提供してあげるから頑張って励むといいわ。』
『こんなに良くしてもらって良いのでしょうか? なんだか申し訳ないです。』
『そんな事はないわ。 私にとって、六大属性の魔法を全てマスターする事は、魔法使いになった時からの悲願であったの。 これくらいのサービスなんてお安いものよ。』
『ありがとうございます。 この魔道具に触れながら魔力を注ぐんですね。』
魔道具に触れた瞬間、全身に強い負荷がかかり、激しく体力が消耗されてしまう。
『うわっ!?』
『身体がとても重く感じる…』
『マリンバさん、これは一体?』
『この魔道具に触れると、眠っていた潜在能力を覚醒させる効果があるのよ。 ただし、魔力を全力で注いで身体にかかる負荷を抵抗してあげないと直ぐにダウンしてしまうわよ。 先ずは10分継続から始めて、少しずつ継続時間を伸ばしていこうかしら。』
10分後、俺達は全身から滝のように汗をかき、激しい疲労で倒れそうになる。
『三人とも、お疲れ様。 今、回復してあげるからそのまま休んでいてね。 〈マジックヒール〉』
マリンバさんの魔法のおかげで、消耗した魔力が回復して、身体の疲労感も和らいでいく。
『じゃあ次は15分間継続で頑張ってもらうわよ。 その次は20分と伸ばしていくから、今日はあと二回頑張ってね。』
笑顔で指導してくれるマリンバさんとは対象的に俺達は絶望的な表情で見上げるのであった…疲労感と格闘しながらも、トレーニングが終わると俺は楽器とダンスの練習も30分ずつ続けて行うようにした。
翌日以降も5分ずつ継続時間を伸ばすトレーニングを3セット繰り返し行っていき、気づけば一週間が経過しており、初回は10分でダウン寸前になってたトレーニングは1時間半を超えて継続出来るようになっていた。 ちなみに俺はというと〈吟遊詩人〉のポイントカードを730ポイント、〈踊り子〉のポイントカードを330ポイントまで数字を増やしていた。
『皆んな、お疲れ様。 実感してると思うけど、格段と魔力量が向上したみたいね。 ラッキー君はせっかくだから、ホルンちゃん達で〈同化〉を1時間継続してやってみるといいわ。』
マリンバさんに促され、俺は〈同化〉を試してみると、1時間を超えてもまだ余裕を残して、ホルン達はオルトロスの姿を維持した状態を保てるようになった。
『やったぞ! ようやく、トラバスさんの域に追いつけた!!』
『おめでとう、ラッキー君。 無事に目標達成出来たようね。 そういえば、ラッキー君達は気づいて無いようだけど、シーホースの2頭もオルトロスのように〈同化〉が出来るのよ。』
『『『ええっ!!!』』』
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