従魔登録と依頼の受注
街外れに移動すると、エナジードレインで弱ったシーホース達はしゃがみ込んでしまう。
『どれ、今から回復させてあげるからな。〈エリアヒール〉』
広範囲の回復魔法を使用し、二頭のシーホース達は体力が回復する。 初めこそ、よそよそしい素振りを見せるも、ここに来る途中で購入した新鮮な魚を用意するとすぐに食べ終え、俺に身体を擦り付けてくる。
『海の魔物だけあって、魚とかを食べるんだね。 普通の馬とは違うみたい。』
『二頭とも元気になったみたいだし、この街の冒険者ギルドで従魔登録しないとな。 ついでに俺達専用の馬車も購入しよっか。』
ベネシャに戻ると、大型のウルフ二匹とシーホース二頭を引き連れて歩いている為、すれ違う人達から嫌でも注目をあびてしまう。
『あった! あそこが冒険者ギルドみたいだよ。』
入り口が狭く、シーホース達が入れない為、アルトにお願いして外で一緒に待機してもらいギルドの中に入ると、猫耳の受付嬢がカウンターで働いている。
『おやっ、あまり見ない顔だねー。 私は受付担当のチェレスだにゃん。 今日は依頼の受注でしたかにゃん?』
『いえ、新しい従魔を仲間にしたので登録に来ました。 大型の為、他の従魔と一緒に外で待機させています。』
『そうでしたか。 では拝見させてもらいますので、案内してくださいにゃ。』
チェレスさんをギルドの外に案内しているとコルネが興奮した表情で俺に話しかけてくる。
『ラッキー、私初めて獣人の人に出会っちゃった! すっごく可愛い人だよね!!』
『いやー、それ程でもないですにゃ。 私の故郷の猫の獣人の住む町はベネシャと船で交流があるので、私以外にも何人か見かける機会はあると思いますにゃ。 おおっ、まさかのシーホースでは! 更にフレイムウルフとアイスウルフまで連れ歩いているにゃんて! 君達、有名な冒険者パーティなのですか?』
『いえいえ、全員まだDランクの冒険者です。』
『にゃんと! どの従魔もCランクに位置付けされてる魔物達にゃのに、Dランクの冒険者が使役しているとは…それだけの実力があれば、Cランクにも直ぐに手が届くのではにゃいか?』
『シーホース達もCランクの魔物だったんだね。 馬にも変身できる個体だったから、ランクも高いかもとは思っていたけれど。』
『そんにゃ能力まで秘めているとは! 驚いていてもキリがにゃいので、登録手続きを済ませますのにゃ。 それと、手続きが終わりましたら、君達の腕を見込んで依頼を一つ受けて欲しいのにゃ。』
『内容にもよりますが、後ほど話を伺おうと思います。』
『では、シーホース達の額に私の指輪を当てさせていただきますにゃ。 よし、ギルドの水晶に情報を転送しましたので、続いて二頭のシーホースに従魔の首輪を付けてくださいにゃ。』
再びギルドのカウンターに戻ると、水晶にシーホースの情報がきちんと転送されていた。
『最後に登録料の銀貨4枚の支払いとシーホース達に名前をつけてくださいにゃ。』
二頭のシーホースの名前はディオンとヴァイオと名付けることにした。 二頭のデータは以下の感じだ。
ディオン及びヴァイオ 共に雄
シーホースの亜種 魔物ランク Cランク
〈スキル一覧〉
・フォルムチェンジ ※水上と陸地で適応した身体に変身する。
・バブルブレス ※口から多量の泡を吐き出し敵を幻惑させる。
・尖った鱗 ※敵に物理攻撃をされた際に、鱗を尖らせ、相手にもダメージを与える。
『これで、シーホース達の登録は無事終了ですにゃ。 では引き続き、今度は依頼の話に移りますにゃ。』
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