脱出ミッション
『よし、だいぶ私もラッキーも魔力が回復したようだし、作戦をおさらいするよ。』
アルトが作戦について報告する。
『フラットと合流したら、魔物の口の前でホルンとフラットはブレスで攻撃、コルネも乱れ撃ちを放つ。 私は海賊船を召喚し、船の砲門を一気に発射させる。 魔物がダメージを受けて、口を開けたタイミングで、ラッキーは〈光魔法〉のプロテクションを発動して新たに流れてくる海水から船を守る。 最後にティンバさんとラッカスさんは船の後方と下方に設置された風の魔道具の力を最大限に発動させて魔物の口の中から船を脱出させ、そのまま海面に船を浮上させるわよ!』
フラットと合流するまでの移動時に、魔物は食事を取る様子が無く、新たに海水が流れ込むという危険を回避できたのは幸いだった。 そして俺達は。ついに魔物の口の前まで辿り着く。
『皆んな、作戦通りにお願い! どれか一つでもタイミングが合らなければ一巻の終わりよ!!』
アルトが海賊船を召喚し、全員の乗り込みを確認すると魔物の口元に向かって攻撃が始まる。 巨大な歯や口の内側を激しく攻撃された魔物は、激しく暴れついに口に大きく開く。
『ラッキー、今よ!』
一気に流れてくる海水から船を守る為、俺は魔力を最大限に使ったプロテクションで船全体を魔力で生み出された光の球体が包み込む。 そのタイミングを見計らって、ティンバさん達も風の魔道具を全力で発動させる。
『頼む、押し戻されないでくれ!!』
魔物の口の中に流れ込む海水の勢いに、風の魔道具の勢いが勝り、船は魔物の中から無事に脱出する。 そのまま、今度は船を海面に引き上げるように風の魔道具を船の下方に向かって使用する。
『アイツが俺達を飲み込んだ魔物か! なんてデカさだ…』
海上に向かって浮上する船から見えた魔物は、大きく膨れたクジラに似た胴体に、獣に似た頭部、アシカの様な胸びれと下半身は魚の様で鱗を持ち、尾鰭は扇形で二つに割れている。 俺達の攻撃で、口の中から大量に出血する魔物は、こちらに反撃する事無くそのまま海の底に沈んでいく。
『まさか、魔物の正体はケートスだったとは…この近辺の魚が減っていたのはアイツが原因だったに違いない。』
無事に海上に船が浮上すると、海賊船はプロテクションとアルトの魔力で守られたおかげで損傷無く、航海できそうだ。
『なんとか無事に生還できたな…』
『ホント、今思うと生きた心地がしないかも…』
疲れ果ててティンバ兄弟は甲板の上で横になる。
『そういえば、この船には海賊達の財宝が積んであるんじゃなかったっけ? 早く見てみよぜ!』
『ラッキー…まぁ、いつもの事だけど、皆んな、さっきまで生きるか死ぬかの状況を乗り越えたばかりの状況で、すぐに違う事が浮かんでくるよね…』
『私もアルトと同じ意見だったけど、確かに財宝が少し気になるな。 せっかくだし確認してみようよ。』
俺達は海賊キャプテンの幽霊に案内されて、船の宝物庫に向かった。
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