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空の厄介者

 ティンバさんとラッカスさんの船に乗り、俺達は沖に向かって進んでいく。


 『うぅっ、苦しぃよぉ…』


 船の揺れに完全に酔ったコルネは船室でダウンしている。 ティンバ兄弟に見られないよう注意しながら、俺は船室で魔法を唱える。


 『大丈夫か、コルネ? 今、楽にしてやるからな。 〈鎮痛回復〉』


 コルネの青ざめた表情が和らいでいく。


 『ありがとう、ラッキー…さっきより楽になったけど、揺れるたびにまた気持ち悪くなるから少し休ませて…うっぷ。』


 『ある意味、これは相当重症ね…』


 『残念だけど、これじゃあ魔法を使ってもキリがない。 どうしたもんか?』


 俺とアルトが心配していると、ラッカスさんが船室にやってくる。


 『よぉ、船酔いにやられたみたいだな。 知り合いのハーバリストから貰った酔い止めがあるから、飲ませてやるといい。』


 コルネは吐き気と戦いながら、薬を飲むとしばらくすると寝息をたてる。


 『今のは酔い止め効果と睡眠効果がある薬だ。 しばらくは寝ているほうが楽になるだろう。』


 ホルンにコルネの見守りをお願いして甲板に戻ると、朝日が昇り海が朝焼けで一面、オレンジ色に輝いている。


 『見てよ、ラッキー! 海がこんなに綺麗なんて。』


 『本当に綺麗だ! コルネも一緒に見れたら良かったんだけど…』


 沖に着くまで時間がかかるので、ラッカスさんに船の話を聞くと、この船は風の魔道具の力を使って動かしているらしい。 手漕ぎでない船は大抵は同じ仕組みになってるそうだ。


 『二人とも、ようやく網を仕掛けるポイントにきたぞ。 一緒に手伝ってくれ!』


 ティンバ兄弟と四人で作業をしていると、俺とフラットは魔物を感知する。


 『ティンバさん、フラットが魔物を感知したようです。 俺とアルトで迎え撃ちます。』


 現れた魔物は鋭いくちばしを持つ鳥の魔物が五羽、俺達に向かって襲いかかる。 急いで甲板から避難したティンバさんが声をかける。


 『気をつけろ! アイツらはハイエナウミドリといって、船の魚や乗組員を餌にしようと執拗に狙う魔物なんだ。 漁師達も何人か犠牲になっている…』


 『フラット、よろしく頼むぞ!』


 フラットの〈アイスブレス〉とアルトの〈ダークアロー〉によって、ハイエナウミドリの群れは迎撃され、海面に落ちていく。


 『ふぅっ、おかげで船の被害が無くて助かったぜ。 奴らのくちばしで船に穴を開けられたらたまったもんじゃないからな。 それじゃあ、作業を続けよう!』


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