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ウィンの街

 『さてと、先ずは俺もピア達が向かった冒険者ギルドのあるウィンの街に向かわないとな。』


 ウィンの街はメロディ村から南に二日程、歩いたところにあり百人程しかいないメロディ村と比べて人口が十倍の千人規模で、この近辺では割と大きな街だ。 ウィンの街には冒険者ギルドと呼ばれる建物があり、冒険者として活動する為には必ずここで登録料を支払い、冒険者登録する事が義務づけされている。 登録料は銀貨十枚と宿で五日泊まれたり、駆け出し冒険者を目指す俺が身につけている短剣とレザーアーマーが買える金額だ。 この世界では未発見のダンジョンも含めてダンジョンを探索するには冒険者登録をした者で無ければ国の法律で罰せられる。 万が一、冒険者ギルドに登録して無い者がダンジョンの宝を無断で売買しているのが発覚した場合、人権を剥奪されて奴隷にされてしまうという。 ダンジョンで見つけたアイテムや魔物を討伐した際の素材の売買等も冒険者ギルドで行うものとされていて買取額の一部は国の財源として納められるのだ。


 ウィンの街に向かう道中、一日目は何事も無く順調に進み、夜も安全に野営をする事が出来たのだが、二日目になり昨日と同じく街へと続く山林の道を歩いているとホルンが突然、山林横の木々の奥に向かって唸り声をあげ警戒し始める。


 『ホルン、何かいるのか?』


 短剣を持ち、待ち構えていると一匹のホーンラビットが俺に向かって突進してくる。


 『ガォーッ!』


 俺より先に反応したホルンが横から素早く飛びかかりホーンラビットの首筋に噛みつくと一撃でホーンラビットを仕留めてしまう。


 『ふぅ、凄いなホルン。 せっかくだからコイツの毛皮は冒険者ギルドに登録する時に買い取って貰おうか。』


 俺がホルンの背中を撫でるとホルンは満足そうな顔で目を細める。 その後は道中、何事も無くウィンの街に無事に辿り着く事が出来た。 それにしてもホルンがいると〈索敵〉を持たない俺にとって魔物からの不意打ちを回避出来るだけでなく、戦力としても心強い。


 ウィンの街は四方を壁で覆っており、街を出入りする際には入り口に常駐している門番に身分証を提示する。 冒険者ギルドに登録してギルドカードを発行して貰う事で身分証としても使えるのだが、登録前の俺はメロディ村で使用している村人情報と街での目的が書かれた札を提示する。 


 『メロディ村のラッキーと従魔のワイルドウルフだな。 街には冒険者登録が目的だな。 良し、通っていいぞ! 冒険者ギルドは街の右側に向かって歩いて行けば着くはずだ。 それとお前の従魔が街で問題を起こすと全てお前の責任として罰せられるから注意しろよ。』


 『ありがとうございます。』


 俺は門番に感謝を伝えると冒険者ギルドに向かっていく。 ピア達と比べるとだいぶ遅れてしまったけど、ようやく念願だった冒険者になれるんだ。 ギルドに着いたらアイツらに会えるかな。 まだ三人で活動していたら今度はパーティに入れてもらえるだろうか。 そんな淡い期待をしながら進むと目的の冒険者ギルドに到着した。


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