新たな目標
次回から新しい章が始まります。
ウィンの街に戻ると俺達は真っ直ぐトラバスさんの屋敷に戻ってきた。
『君達のおかげで今回も無事に目標だったアイスウルフを獲得する事ができた。 依頼の報酬を渡していこうと思う。 受け取ってくれ!』
トラバスさんから受け取った袋を確認すると、三人にそれぞれ報酬として白金貨一枚と金貨五枚ずつ入っている。
『トラバスさん! こんな大金、受け取れません!』
『そうだよ。 旅の道中にかかった諸経費だって全て出してもらっているし、氷狼石だってオークションで落札してもらえただけでも充分すぎるのに…』
『私に至っては、元々、依頼を受けた訳でもなく、命を助けてもらい絶望しかなかった境遇から抜け出す事が出来ました。 これ以上してもらったらバチが当たります。』
『三人とも、今回の依頼は皆んながいてくれたから成功する事が出来たんだ。 それに氷属性のアミュレットで得た金額から、氷狼石の落札額と君達に渡した報酬金額を足しても、私にも君達と同じ額のお金が残る計算だ。 さらに私はアイスレイピアも貰っているから、むしろ申し訳ない感じだよ。 そうだ、製氷の魔道具も私からの感謝の気持ちとして受け取ってくれ!』
結局、俺達はトラバスさんに押し切られ、報酬を受け取る事にした。
『しばらくは私自身の魔力を磨かないと、せっかく仲間にした従魔達の力を生かしてあげられない。 お互いに成長した頃に最後のワイルドウルフの進化系を使役する依頼をお願いするつもりだから頼りにしているよ。』
トラバスさんの屋敷から出ると、人目に付きづらい適当な場所にハウスアンデットを召喚して、三人で今後の活動について話し合う事にした。 アルトが初めに提案してくる。
『とりあえず、次の冒険は海の見える街に行くとは言ったけど、私達はトラバスさんみたいに旅の知識もほとんど無いし、移動手段や旅の準備も自分達でしなきゃいけないよね。 私はしばらく、冒険者ギルドの資料室や図書館で、旅先で必要になる情報を調べて見ようと思う。』
『じゃあ、私は二人に比べて冒険の経験が浅いので、冒険者ギルドの基礎研修を受けたり、斥候のスキルを増やして旅先で足を引っ張らないよう特訓してます。』
『俺も魔力が低くて魔法や〈テイマー〉スキルを戦闘で活かしきれていないのを今回の旅で痛感した。 腕を磨いて二人を驚かせてみせるぜ!』
『ちょっと、二人だけ成長したら私の立場が無いじゃない! 私も情報収集だけでなく、魔力を磨いておくから頼りにしてね。』
『二人とも、それぞれ頑張ろうな!』
『ラッキーこそ、サボっていたら承知しないから!』
『来月会えるのを楽しみに頑張ります!』
こうして俺達は一カ月後にそれぞれが成長してから合流し、新たな旅に向かって進む事にした。
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