表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/123

フロアボス

 扉を開け、中に入ると広いフロアになっていてフロア内が突然吹雪が吹き荒れる。 中央には真っ白な狼が待ち構えている。 大きさもフレイムウルフと比べて見劣りせず、がっしりしている。


 『アイツは我々が求めている、ワイルドウルフの進化系の一つ〈アイスウルフ〉だ! あわよくば〈テイム〉出来ないか試してみよう!』


 トラバスさんがアイスウルフに向かって〈テイム〉しようと魔力を放つも、見えない力に弾かれてしまう。


 『残念ながらアイツを倒す以外、先に進む事は出来ないようだ。 皆んな行くよ!』


 アルトはファゴットさんを憑依させ、闇魔法で足止めを図る。


 『ダークバインド!』


 アルトが放った闇魔法が当たる寸前に、アイスウルフは素早い動きで回避して吹雪の視界に真っ白な毛並みを紛れ込ませるとオークゾンビ一体の首元を喰いちぎり倒される。


 『くそっ、吹雪に遮られて狙い難い。 どうすれば?』


 『大丈夫、今度はやらせない! 黒い霧よ、周りを覆い尽くして、ブラックミスト!』


 アルトが発動させた黒い霧がフロア内に漂うと、アイスウルフの姿がはっきりとわかるようになる。


 『これなら狙える。 皆んな、任せて!』


 コルネの連続で放った矢の一本がアイスウルフの前足を捉えて転倒させる。 アイスウルフは怒りの表情を浮かべると、こちらに向かってアイスブレスを放ってくる。


 『ラッキー君!』


 俺はトラバスさんの意図を理解し、ホルンと〈意識共有〉するとトロンに合わせた二匹分の炎のブレスでアイスブレスを飲み込み、アイスウルフは全身を炎に包まれ雄叫びをあげるとそのまま動かなくなり絶命する。


 『アルトさん、お手柄だったね。 あの魔法は一体?』


 『本来は相手の視界を遮る目的で使う魔法ですが、今回は広範囲に黒い霧を展開した事で、アイスウルフの白いボディが分かるようにしてやりました。』


 『なるほど、魔法も用途によって使い分ける事で、今回のような成功を生み出せたんだね。 勉強になるよ。』


 アイスウルフが消滅すると、フロア内の吹雪が収まり部屋の奥にあった入り口側とは逆の扉が自動的に開かれた。

扉の中に入ると小部屋になっていて次の階層に続く階段の前に何かが置いてある。


 『宝箱がありますね。 それと部屋の隅に設置してある女神様の像はなんでしょう?』


 『コルネさん、あの女神像に祈りを捧げるとダンジョンの入り口まで帰還できる仕様になっているんだ。 ところでフロアボスがアイスウルフだった事を考えると宝箱の中身が〈氷狼石〉の期待が持てそうだ!』


 アルトの指示でオークゾンビが宝箱を開けると、狼の牙の形をした氷の魔石を回収してくる。


 『やったぞ、皆んな! これは〈氷狼石〉に間違いない! フロアボスはダンジョンから一度外に出て、フロアボスの部屋に再び訪れるとランダムで同じランク基準の魔物が出現するんだ。 今回は一度帰還し、二つ目の氷狼石の獲得を狙おう!』


 俺達は女神像を使用し、一度ダンジョンの外に帰還する事にした。


この小説を読んで「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けると嬉しいです。 いいねもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ