探索開始
ダンジョンの探索を開始した俺達は、オークゾンビ二体が先頭、その後ろに〈罠感知〉が出来るコルネを真ん中に両サイドは〈気配感知〉の出来るホルンとトランが配置。三列目は俺とアルトが並び、殿をトラバスさんとガントル、そして後方からの魔物の襲撃に備えて、他のウルフ同様に〈気配感知〉できるザックスといった隊列で進む。
『そういえば何故、石造りのダンジョン構成なのに〈氷雪のダンジョン〉と呼ばれているのでしょう?』
『アルトさん、一つはダンジョンの魔物の多くが寒い地域で出現する魔物である事と、もう一つは獲得出来るアイテムが氷を生み出す魔道具や〈氷狼石〉といった氷属性の物が現れやすいからだと思う。
しばらく道なりの通路を進んでいくと、道が左右に別れる。 するとコルネの〈罠感知〉が反応する。
『皆んな、二つの通路のうち、左側の道から罠の反応を感じます!』
『右に進めば問題無いようだけど、どのような罠が発動するか一度確認しておきたい。 アルトさん、オークゾンビを単独で左の道に進ませてもらえるだろうか?』
『了解。 オークゾンビ、進んでみて!』
オークゾンビ一体が左の道を進んでいくと他の床と見た目が変わらない床が凍っていてオークゾンビは足をとられ転倒する。
『なるほど、罠の種類も氷に関係する物なのか。 浅い階層なのでこの程度の罠なのかもしれないが。』
『皆んな、罠のあった先の道は行き止まりみたいです。』
『ありがとう、コルネさん。 引き続き頼むよ。』
道を戻って右の道に進みなおす。 しばらく進んでいくと今度はホルンとトロンが魔物を感知し、俺達に知らせる。 前方から現れたのは、ホーンラビットの色違いが二匹出現する。
『雪角ウサギだね。 寒さに強い体質以外はホーンラビットと強さは変わり無いはずだ。』
コルネが弓矢で連続して速射すると、雪角ウサギの急所にそれぞれ直撃し、倒していく。
『コルネ、凄いじゃないか!』
『良かった…実戦でもきちんと使いこなせたみたいです。』
『今まで眠っていた才能が開花したのかも知れないね。 いきなりこれ程の腕前を披露するなんて容易じゃないはずだ。』
地下一階ではその後も雪角ウサギしか出現せず、罠に関しても他には見つからずに下の階に続く階段を見つける事が出来た。
『浅い階は頻繁に探索されているから目ぼしいものは見つからないようだね。 先を進もう!』
地下二階も石造りの構造は変わらない。 しばらく進むと広めのフロアに繋がり、駆け出しと思われる別のパーティが雪角ウサギを討伐したところにかち合う。 簡単な挨拶を済ませて探索を続ける。 この階も特に地下一階と大きく変わりない。 滑りやすい床を回避し、雪角ウサギを倒しながら進むと簡単に下の階に続く階段を見つける。
『ここまでがEランク対象の階だったみたいだね。 この先はDランク対象の階になる訳だけど、ここからは入るたびにダンジョンの構造が変化するらしい。 マップを作成していても次来た時には役に立たなくなってしまうんだ。 つまり、ここからは宝箱を発見出来るチャンスがあるという訳だ。 その分、危険も伴ってくるだろうがね。』
『ようやくダンジョンって感じがしてきたぜ! 皆んな、早く行こうぜ!』
『ラッキー、あまり調子に乗ると大きなミスに繋がるよ! きちんと普段通りに仕事して。』
『悪い、アルト。 つい興奮しちゃって…気をつけるよ。』
俺達は慎重に行動しながら地下三階へと進んでいく。
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