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魔物の襲撃

 『一体何が起こったんだ。気のせいか今まで感じなかった不思議な力を感じる。』


 とりあえずこの日は休んで次の朝、俺は親父に頼んで仕事の合間に時間をもらい教会で不思議な出来事について確認してみる事にした。


 『おやラッキーではありませんか。冒険者には成れず残念でしたが。村の人達から毎日真面目に〈牛飼い〉として働いていると聞き関心しておりましたよ。今日はどうされたのですか?』


 『神父様。実はどうしても確認したい事があってもう一度だけ俺に神託の儀を試していただけませんか!』


 『良いでしょう。貴方の事は私も気になっておりました。〈適正職業〉の無い者は未だかつて貴方しか存在しないので、ひょっとしたらあの時は私の調子が悪かっただけかもしれません。』


 そう言うと神父様は快く俺の頼みを聞いてくれた。


 頼む! 今度こそあの不思議な声の言う通りに〈適正職業〉が授かりますように…


『おぉ、ラッキーよ! 汝の願いを神様は叶えてくれたようです。〈適正職業〉に〈テイマー〉、そして新たな〈スキル〉に〈テイム〉がそれぞれ授かっておる。』


 『本当ですか神父様! 神様本当にありがとうございます。』


 まさか使い方が不明だった〈ポイントカード〉の〈スキル〉にこのような効果があったなんて! 俺が授かった〈テイマー〉の職業は魔物を使役し戦う事が出来る冒険者向きの〈適正職業〉の一つだ。ただ、身体機能は魔法職より若干マシなくらいで武器は短剣と鞭を装備する事が出来るようだ。


 身体機能的には今までとあまり変わりがないが魔物を何とか使役できれば俺もピア達に追いつく事が出来るかもしれない。今は他の〈適正職業〉の発生条件がわからないから〈テイマー〉として頑張ろう! 俺は神父様にお礼を言うとこの日は急いで自宅に戻り〈牛飼い〉の仕事を再開する。


 翌朝、俺は仕事の合間に親父に声をかけた。


 『なあ親父、頼みがあるんだけど時間のある時に俺に短剣の扱い方を教えてくれないか?』


 『お前、まだ冒険者になる夢を忘れられないんだな…いいだろう。 やるだけやってみて納得しなければずっと心残りになるだろうからな。 今まで通りに真面目に働くと約束するなら空いた時間に教えてやる。』


 この日から俺は牛の世話を今まで以上にこなしつつ、親父に短剣の扱い方を習い始めた。 訓練の一環として素振りを繰り返していると再びあの不思議な声が聞こえてくる。


 『ユニークスキル〈ポイントカード〉の〈戦士〉のポイント獲得の条件を達成しました。素振りを行った回数につき1ポイントカウントされますので100ポイントを獲得しました。また、魔物を一体討伐する度に100ポイント獲得いたします。今回は10000ポイントで目標達成となります。』

 

 良し! 思いがけず〈戦士〉の発生条件が見つかったぞ! それから三か月が過ぎ、俺は毎日素振りを日に100回は行い親父との木剣を使った模擬戦でもそこそこ戦えるようになっていた。 ポイントも残り1000程で〈戦士〉のポイントが目標に到達しそうなタイミングで事件が起こった。


 『ラッキー、うちの牛が魔物に襲われたようだ!』


 親父に呼ばれて急いで牛の放牧地に行くと二頭の牛が首や足を噛まれて死んでいた。


 『親父、これって。』


 『あぁ、ワイルドウルフに違いない…』


 奇しくも親父が冒険者を辞めるきっかけとなった魔物がワイルドウルフという魔物のようだ。


 『コイツらは単体ではさほど強くはないが群れで襲ってくると連携して攻撃してくる為、戦うのが大変になる。』


 『親父、きっとまた牛を狙いに来るだろうから一緒に戦おう!』


 『わかった…今晩牧場の警備をする。 少しはまともに戦えるようになったとはいえ、お前はジョブ無しだ。お互いに背中を預けながら戦い背後から攻撃されないようにするんだぞ!』


 親父にはまだ〈テイマー〉になった事は伝えていない。

絶対に親父とお袋や爺ちゃん達が残してくれた牧場を守ってみせる!!


 

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