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魔道具の購入

 翌日、俺はアルトが拠点にしている宿に早めに向かう。 入り口に入ると受付カウンターの奥にある食堂で朝食を食べるアルトを見つける。


 『わぁっ! ラッキー、こんな早くに来ると思っていなかったからびっくりしたよ。 食べ終わるまでちょっと待ってて!』


 『ごめん! 昨日の様子が心配で居ても立っても居られず早く来ちゃった。 気にしないでゆっくり食べてよ。』


 少ししてからアルトが合流する。


 『昨日は心配かけちゃったよね…ごめんね。 あの時、私達を悪く言ってた三人組なんだけど、以前に同じパーティで活動していたんだ。 その時にジョブの事でいつも良く思われてなくて未だにトラウマになっているの…』


 アルトは俺の両手を握り、真っ直ぐに見つめてくる。


 『でもね、今はラッキーとパーティを組んでから毎日が凄く楽しいんだ。 今すぐは無理そうだけどあんな連中の事なんて気にしないで逆に見返してやれるよう頑張ってやるんだから!』


 『アルトは強いな。 何があっても俺は味方だから困った事があれば絶対に助けるからね。』


 『ありがとう! ねぇ、ラッキー。 昨日、言ってた水の魔道具をこれから見に行こうよ。』


 『うん、その前に昨日の買取って貰った鱗のお金の半分と生活費で以前に借りてたお金を渡すね。』


 お金を渡し、アルトが利用している宿を出る。 しばらく歩くとこの街で唯一の魔道具屋に着く。 中に入ると〈カルテット〉の皆んなと出会う。


 〈カルテット〉は幼馴染のピア、オルガ、ハーモニーとこの街出身のチェロの四人パーティだ。


 『ラッキー、絶対ダンジョン探索に来ると思っていたのに別の依頼を受けててショックだったぜ…って、なんか従魔の様子が前と変わってないか?』


 『実は魔獣進化の素材探しでホルンも運良く進化する事が出来たんだ。 すまん、それと目的地が遠くて昨日、帰って来たばかりだったんだ。 ところで何か魔道具を買ったのか?』


 『実はダンジョンの探索を一度、挑戦して来たんだけど地下二階からは暗闇が広がっていて、ランタンだけだと不安だろう? 灯りを生み出す魔道具を購入したんだ。』


 『ちなみに金貨五枚よ。 ダンジョンで宝を見つけられないとしばらくは節約生活ね。』


 オルガとハーモニーがうな垂れながら言う。


 『ところでラッキーさん達は何を買いに来たんですか?』


 『ラッキーでいいよ。 俺達は水を生み出す魔道具を見にきたんだ。 値段を調べてないから買えるかわからないけど。』


 『そうなんですね。 確かにそれがあればどんな状況でも重宝しますよね。 それと、私の事もチェロでお願いします。』


 『もちろん、私もアルトでよろしくね。 皆んな。』


 『わかったぜ。 ところで、俺達は明日からまたダンジョンに行くけどラッキー達も一緒にどうだ?』


 『うーん、ちょっと急すぎるから下調べや荷物の準備もすぐには難しいので悪いけどパスで。』


 『まぁ、そうだよな。 じゃあ今度会った時に俺達の探索情報を提供出来るよう頑張ってくるぜ! 俺達が金持ちになっててもびっくりするなよ。』


 魔道具の中に入ると、所狭しと様々な魔道具が飾られている。 その中でも、アーティファクトと呼ばれるダンジョンや遺跡でしか手に入らない物は白金貨と呼ばれる金貨十枚の価値があるお金が何枚あっても手が出ない恐ろしい価値の物まである。 絶対に触っちゃいけない奴だ。


 『すいません、水を生み出す魔道具が欲しいのですが?』


 『水の魔道具だな、ついておいで。』

 

 カウンターの髭の長い初老の店員さんが案内してくれる。


 『こちらは形が魔石タイプの物だ。 手の平サイズと少し嵩張る大きさなので金貨十枚だな。 こちらのペンダントにはめ込まれたタイプは首に身につけるので落としにくく嵩張らないので金貨二十枚だ。 どちらにする?』


 『ラッキー、思っていたより高いけど、必ず役に立つから魔石タイプの奴をお金を出し合って購入しようよ。』


 『了解だ。 魔石タイプでお願いします。』


 こうして水の魔道具を手に入れたが、俺は毎度のごとく懐が寂しくなってしまう…冒険者は金がかかるぜ。


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