ポイントカードの法則
俺達がトラバスさんの屋敷に戻って来たのは、依頼を受けてからちょうど一週間たっていた。
『さて、早速だが今回の報酬を渡そうと思う。 先ずはお金からラッキーとアルトさんにはそれぞれ金貨二枚を渡そうと思う。 続いてこちらは一緒に採取したアンフィスバエナの鱗を三等分したものだ。 こちらは冒険者ギルドで一人分を買取りして貰えば金貨五枚はくだらないだろう。』
『ラッキー、ヤバいよ! こんなにお金を稼いだ事無いから屋敷を出るのが不安でしょうがないよ!』
『俺だってそうだよ。 本当にありがとうございます、トラバスさん。 ホルンが進化出来ただけでも最高の報酬なのにこんなに良くしてもらえるなんて思っていませんでした。』
『君達とは命懸けでアンフィスバエナを倒した仲だからね。 また冒険の機会があれば指名依頼させてもらうつもりだよ。 次にまた会えるのを楽しみにしているよ。』
トラバスさんの屋敷を後にし、冒険者ギルドに戻る途中に、スィーツの店に行きたいというアルトの願いで甘味を楽しむ事にした。
『すっごく美味しかった! ずっと来てみたかったんだけど、一人だと勇気がいるでしょ?』
『確かにカップルばかりで浮いちゃうかも知れないね。 そういえばホルンのスキルが気になるからギルドカードを見てみようかな。』
ホルン 雌 三歳 ラッキーの従魔
種類 フレイムウルフの亜種
スキル一覧
〈気配察知〉〈威嚇〉〈ファイアブレス〉〈毒の牙〉
『えっ、何で種類に亜種って記載がされているんだろう? しかも〈毒の牙〉も覚えているし。』
『ひょっとしてだけど〈炎狼石〉がアンフィスバエナの体内に取り込まれていた影響で毒のスキルが追加されたのかも。 ホルンの模様も紫色が混じっていてトロンと特徴が違うしね。 ところで〈魔法使い〉のポイントカードはどのくらい溜まったの?』
『遠征の間、杖を全く借りてなかったから変化してないと思うけど…ってえぇっ!』
魔法使い達成まで残り1770ポイント。
今までの履歴
・魔力を杖に循環させたポイント 30ポイント
・〈炎狼石〉(ボーナスポイント付与)に魔力を注いだポイント 200ポイント
『ラッキー、これって杖に限定された条件じゃなく魔力を物質に向かって消費すれば良いんじゃない! レアな物だとポイントが高くなるんだよ!』
『確かに〈炎狼石〉に魔力を注いだ量的には杖で20ポイント稼いだ時と変わらない気がする。 これは大発見だね!』
『そうだ、ラッキー。 冒険者ギルドでアンフィスバエナの鱗を買取りしてもらったら、トラバスさんが持っていた水の魔道具が買えるか魔道具屋さんに行ってみようよ。 〈炎狼石〉程じゃ無いだろうけど、冒険の必需品だし私の杖よりはポイントが稼げるんじゃないかな?』
『そうだね。 先ずは冒険者ギルドに向かおう!』
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