天空の城を目指して
クラーケンとの戦いから2時間程が経過。 クラーケンが発生させていた大渦が無くなった事で、海は静けさが漂っていたが、空に暗雲が立ち込み始める。
「嫌な天気になってきたな。 これから上空に向かおうとするタイミングでこれかよ。」
「主人よ、この程度の雲など我にかかれば容易に吹き飛ばす事が可能であるぞ。 まあ、見ておれ。」
そう言うと、ジュピターは上空に向かってサンダーブレスを吐き出すと、上空一帯を覆っていた暗雲は全て吹き飛んでしまう。
「これで、視界を気にせず出発出来るであろう。」
「何というか、相変わらず規格外な力よね。 それにしても、さっきの暗雲…不吉の前触れにならなければいいけどね…」
「確かに、ハープさんの情報通りなら強力な魔物が沢山生息しているみたいだけど、危険と判断したら潔く撤退して再チャレンジすれば良いと思うんだ。 大丈夫だよ、アルト。」
俺達はそれぞれ、パーティごとに別れてジュピターとカノンの背に跨ると、アルトはアンデットシップの召喚を解除する。
「よし! それでは、これから天空の城に向かう。 ラッキー君、我々が先行して飛行するから着いてきてくれ!!」
トラバスさんとセレナさんを乗せたカノンが、高々と上空に向かって飛び立つと、俺とアルトとコルネの3人を乗せてジュピターも後に続く。 2匹のドラゴンは凄まじい速度で上昇し続ける。
「ラッキー、下を見て! 雲が下に見えている! 何処まで高く上がれば天空の城が見えてくるんだろう!!」
興奮するアルトの横で、コルネも同様に地上の景色を見て楽しんでいる。
「そういえば、ラッキー。 ちょっと前には狼達が引くソリのスピードでもびびっていたのに、いつの間にか速い乗り物に乗っても、すっかり慣れっこになったよね。」
「そりゃあ、今までに何度も速さを体験する機会が続けば嫌でも耐性が身につくさ。 それにしても、さっきから上空を眺めているけど、目的地が見えて来ないよね。 段々と寒くなってきた…」
寒さに耐える事、およそ1時間。 ようやく目的地である天空の城があるとされる島に上陸する。
「皆んな、気をつけてくれ! 早速、我々の事を島の魔物達が歓迎しに来たようだ!!」
全員、戦闘体制で待ち構えていると、6人の古びた騎士の甲冑を纏ったスケルトン達がそれぞれドラゴンゾンビに跨り、俺達を囲うように近づいてくる。
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