クラーケンの猛威
新作始めました。
よければこちらも読んでみてください。
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クラーケンは、10本ある足を使ってこちらに連続攻撃してくる。 初めは単調な攻撃が続いた為、簡単に回避出来ていたが、段々とフェイントを混じえて俺達の動きを崩してくる。
「くそっ、あれだけの足を同時に動かしながら器用にタイミングをずらす事が出来るのか! コルネ、魔法でアイツの視界を封じるから、目を閉じていてくれ!!」
「了解!!」
俺はクラーケンに向かって、光魔法と雷魔法を合成した二重魔法を発動する。
「行くぞ! プラズマライト!!」
俺の放った高輝度の光が、クラーケンの目の前で弾けると、普段深海で過ごすクラーケンは網膜をやられて激しく暴れてのたうち回る。
「今だ!!」
俺はスレイプニルをクラーケンの背後に回り込ませると、クラーケンの身体に触れると、トラバスさんが示していた小島を強くイメージして〈転移〉を発動させると、島のどこかに上陸していた。
「よし! 直接訪れた事がある島では無かったけど、無事に〈転移〉出来たようだ!! ジュピター、皆んなに合図してくれ!!」
ジュピターに〈意識共有〉を使い、小島に上陸した事を知らせると、すぐに上空からジュピターとカノンに乗ったアルト達が合流する。 その時、クラーケンの様子に気づいたコルネが慌てて声をかけてくる。
「いけない!! ラッキー、聞いて! クラーケンが巨大な津波を呼び寄せて、この島ごと私達を飲み込もうとしているよ!!」
「わかった、すぐに離脱するぞ! ジュピター!!」
召喚していたスレイプニルを一度離脱させ、俺とコルネは急いでジュピターに跨り上空に離脱すると、既の所で津波を回避する。 先程まで小島のあった場所は完全に津波に飲み込まれて、木々や岩が押し流されていく。
「なんと凄まじい破壊力だ! 小島が完全に飲み込まれてしまうとは…」
トラバスさんの発言と同様に、俺達も信じられない光景を目の当たりにして息を飲む。 海に浸かった小島の上で、クラーケンは徐々に視覚が回復してきたのか、上空にいる俺達を睨みつけてくる。
「ここは任せてください。」
ホワイトドラゴンのカノンが放ったアイスブレスは、二首からアイスブレスを放った時のオルトロスのブレスよりも、遥かに威力が上回っており、クラーケンの全身を凍りつかせていく。 身動きが取れなくなったクラーケンは威力を凝縮させた墨をこちらに何度も放ってくるも、墨の威力は徐々に弱くなっていく。
「今だ! ジュピター、合わせてくれ!!」
「〈二重魔法〉発動! ホーリーボルト!!」
「消し炭になるがいい! くらえ!!」
俺のホーリーボルトとサンダーブレスによって、クラーケンはその場に倒れ込む。
「急いでクラーケンを回復させるぞ! セレナさんとコルネも手伝ってくれ!」
クラーケンの上に3人で降り立つと、回復魔法とフェニックスの魔法によりクラーケンは回復すると、服従する様子で俺に頭を下げてくる。
「どうやらラッキーに従ってくれるみたいだね。」
「わかった。 コルネ、すまないが俺が契約させてもらうよ。」
クラーケンが俺の仲間に加わると、津波の影響で辺り一帯、激しく荒れていた波が完全に収まり、大渦で知られていた海域とは思えない静けさを見せている。
「これで船の被害も無くなった事だし、船を召喚して休憩する事が出来そうだね。」
アルトがアンデットシップを再び召喚すると、俺達は天空の城に向かう前に戦いの疲れを取ることにした。
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