火の精霊達との接触
新作始めました。
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山道を進んでいくにつれて、辺りから硫黄の臭いが漂ってくる。 足元の石も硫黄の影響からなのか、薄黄色をした結晶がところどころに転がっている。
『コルネ、あれを見てくれ!』
コルネが指差す方を見ると、1枚の鳥の羽と思われる物が落ちており、手にしてみると光の当たり具合で赤や黄金に色が変わって見える。 俺は早速〈神眼〉を使って調べてみると、フェニックスの羽である事がわかった。
『この羽が見つかったという事は、間違いなくこの山の何処かに生息している筈だ! 先を進もう。』
何度か索敵で反応した魔物との接触を回避しながら、登頂部に向かって進んでいくと、再び複数の魔物の反応を感知する。
『ラッキー、この気配…ひょっとして精霊かもしれないよ。 意識を集中してみて!』
コルネに言われた通りに、索敵で反応のあった魔物の群れを集中してみると、確かにコルネが召喚してきた他の精霊達と同じような気配がしてくる。
『多分だけど、フェニックスと同じ火の精霊であるサラマンダーが沢山いるみたい。 お互いに契約できるよう、接触してみよう!』
索敵で反応した魔物の群れがいる場所に向かうと、身体全身に火をまとったトカゲの姿をした精霊の姿を確認する。
『予想していた通りサラマンダーで間違いないね。 ラッキー、私が先に接触して契約できるか試してみるからよーく見ていてね。』
コルネは〈気配遮断〉のスキルを外して一匹のサラマンダーに接触し、魔力を発動しながら呼びかけていく。
『お願い、サラマンダー。 あなたと契約を結んで仲間になって欲しいの。 私に力を貸して!』
初めこそ、突然現れたコルネに強い警戒心を持ち、威嚇してきたサラマンダーであったが、コルネの魔力と呼びかけによって徐々に感情を落ち着かせていくと、周りのサラマンダー達に敵対しないように呼びかけてくれただけではなく、コルネと契約を結んで仲間になってくれた。
『ラッキー、次は君の番だよ。 私と契約してくれたサラマンダーが私達の事を襲われ無いよう、周りのサラマンダー達に呼びかけてくれたから契約させてもらえるよう働きかけてみて!』
俺も〈気配遮断〉を解除して、一匹のサラマンダーに対して、先程のコルネと同じように魔力を発動しながら契約してもらえるよう呼びかけてみる。 すると、サラマンダーは満足そうな表情を浮かべて俺との契約を結び仲間になってくれた。
『良かったね、ラッキー。 サラマンダー達の話によるとこの先を更に進んでいくとフェニックスの巣に辿り着けるみたいだよ。』
沢山いるサラマンダー達に感謝を伝えて登頂部に向けて更に先に進むと、サラマンダーとは比べものにならない強い精霊の力を感知する。
『この恐ろしいまでの火の精霊から伝わってくる力…ラッキー、フェニックスじゃない! 気をつけて!』
俺とコルネの目の前に現れたのは、全身に炎をまとった巨人の男性の姿をしており、俺達を睨みつけてくる。
『あれは、もう一つの火の上位精霊イフリート?!』
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