フェニックスの捜索
新作始めました。
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あれから更に3日が経過。 トラバスさん達のリサーチもあり、航海は順調に進み魔物の遭遇や大きなトラブルもなくシチリヤ島に到着する。 島の上陸した際に、俺とコルネは皆んなの前で〈気配遮断〉を披露して見せる。
『ラッキー君もコルネさんも、ばっちり〈気配遮断〉を使いこなせているよ。 目の前にいる筈なのに、〈千里眼〉で確認しても存在が確認出来なくなっているよ。』
タクトの指導により、シチリアに着くまでに俺とコルネは〈気配遮断〉と〈地獄耳〉をそれぞれマスターした。 さらに俺は〈ミラージュダンス〉の特訓の頃から〈鑑定〉を多く使用してきた事が功を奏し、〈神眼〉へとスキルが進化した。 シチリヤでの滞在期間に過ごし方については、俺とコルネはトラバスさん達に事前にフェニックスを見つけ出し、契約したい旨を伝えている。
『ラッキー君、知っているとは思うがシチリヤには危険な魔物が数多く生息している。 〈気配遮断〉を身につけたとはいえ君達2人で大丈夫かい? 私達も食料の補給を後回しにして手伝ったほうが良いのでは。』
『タクトの話を聞く限り、フェニックスは人への警戒が非常に強いらしく、〈気配遮断〉が無ければ、なかなか遭遇できないそうです。 危なくなるようでしたら、すぐに帰還しますので。』
フェニックスが生息するのはシチリヤにあるエトナーと呼ばれる活火山にいるらしい。 戦闘要員として、活躍が見込めないタクトにはフェニックスの羽を入手できたら渡す約束をして、エトナーへの同行はお断りしている。 トラバスさんとセレナさん、アルトの3人は町で食料の補給や次に立ち寄る島の情報収集に向かう。
『俺は町の近郊の森で、危なくないよう素材の採取をしているから、フェニックスの羽を手に入れられたら約束通り譲ってくれよ!』
エトナーに向かう途中の森でタクトと別れ、ここからはコルネと2人で行動する。
『ラッキー、私の〈索敵〉範囲内でも感じられる程、強力な魔物が至る所に潜んでいるのがわかるよね。』
『うん、〈気配遮断〉と〈身体強化〉を上手く使い分けて移動のペースを早めて行こうか。』
今回はオルトロスよりも強力な魔物が潜んでいる事が想定される為、先導させて〈意識共有〉から確認する〈千里眼〉を使用出来ない為、自分達の〈索敵〉の範囲でペースを上げながら慎重に進んでいく。 1時間程進んだところでエトナーへの登りの道に辿り着く。
『ラッキー、この先の道から魔物の群れがいるみたい。 迂回するにも、回りに別の道があるかわからないけどどうしようか?』
『よし、じゃあ俺のアンデット達を囮にして魔物の群れを別の場所におびき寄せている間に道を進む作戦で行こう!』
俺はオーガゾンビ達を召喚して、魔物の群れの注意をひきつけるとコルネに合図を出し、一気に山道を駆け上がる。
『上手く接触を回避できたみたいだな。』
『うん、ちらっと見えたけど、今いた魔物の群れって蟻人種のミュルミドンだよね。 硬い身体に統率の取れた連携で襲ってくるBランクの魔物が沢山現れるなんて先が不安になってくるよ…』
『そうだね。 いちいち相手にしていたら身が持たなくなるのでスキル使用による、魔力の残量に不安が見られてきたら撤退するよ。』
俺とコルネは引き続き山道を進んでいく。
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