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スタンピード

 『あれ? この場所は一体?』


 てっきり、マリンバさんの転移魔法で訪れる場所が前回と同様の、マリンバさんの自宅の練習場と思いこんでいた俺は、見知らぬ外の景色に戸惑う。


 『ラッキー君、ここは私の故郷であるベネシャから船を使ってさらに南に行った場所にある、獣人達が暮らす小さな大陸にある森の前よ。』


 『そうなんですか。 でも、何故わざわざこの場所を選んだのですか?』


 『実はね、黙っていたのだけど、昨日、冒険者ギルドからの緊急依頼で、この森からスタンピードと呼ばれる魔物が異常に増殖して近隣の町に被害が出る恐れがあると報告があったの。 そこで転移が使える私に討伐依頼の白羽の矢が立ったという訳よ。 そこでね、ラッキー君には、私と一緒にスキルの実戦練習を兼ねて一緒に魔物の群れを討伐してもらおうと思って。』


 『なっ?! 確かに異常な数の魔物の数を感知します。 でも流石に俺達だけで、どうにか出来るレベルでは無いのではないでしょうか?』


 『何を言っているのよ。 君はAランク冒険者パーティが戦っても全滅する危険がある、サンダードラゴンをソロで倒した化け物じゃないの。 君も〈千里眼〉を使って、この先で増殖している魔物達を確認してくれたらわかると思うけど、CからDランクの魔物がほとんどで、Bランクがほんの一握りしかいないでしょう?』


 『確かに、魔物一体ごとの強さは大した事はなさそうですが…』


 『私の見立てでは、増殖が終わり、こちらに向かって襲いにくるまで3日は余裕があるから大丈夫な筈よ。 今のうちに特訓を済ませて討伐に備えるわよ。』

 

 マリンバさんはそう言うと〈風魔法〉を使って、この島にある全ての町に連絡を行い、人々の避難と他の冒険者達へ戦闘に参加しないよう呼びかけを行う。


 『これで私達だけで戦闘に集中出来る準備は整ったわ。 先ずは、ラッキー君に〈雷魔法〉を使用してもらい、私がマスターしたら〈光魔法〉との組み合わせ方を覚えてもらうから頼むわね。』


 それから2日と半日をかけて、俺は死ぬもの狂いで〈二重魔法〉をマスターした。 今はマリンバさんにもらった魔力回復用のマジックポーションを飲んで万全の状態で戦闘準備に入る。 


 『ラッキー君、良い機会だから戦い方に工夫を凝らして〈騎士〉のジョブや〈ネクロマンサー〉〈精霊使い〉のポイントも荒稼ぎしてしまいなさいな。 上手くポイントの達成が出来れば、アルトちゃんのアンデット軍団を凌ぐ、ラッキー君のアンデット軍団をついでに揃える事が出来るんじゃないかしら?』


 『突拍子も無い話ですが、マリンバさんの訓練を受けていると、何故だか俺もやれそうな気がしてきます。 先ずはお互い、無事に生き残りをかけて協力して頑張りましょう!!』


 『そうね。 まぁ私達がいれば、あの程度の規模のスタンピードなど苦戦する事は無いだろうけど油断しないよう行きましょう。 それと魔力切れが起きそうになったら事前にいくつか渡したマジックポーションを使用するのよ。』


 『分かりました。 マリンバさん! 早速、魔物が押し寄せて来ます!』


 『そのようね。 ラッキー君、新たに覚えた〈二重魔法〉を使って先鋒部隊を叩きのめすわよ!』


 『了解です! 光と雷の力よ! 組合わさって一つとなり、魔物の群れに降り注げ!! 〈二重魔法〉ホーリーボルト!!』

 

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