〈絆強化〉
少し投稿が遅れましたm(_ _)m
『行くぞ、サンダードラゴン! はーっ!!』
トラバスさんが魔力を発動させると、それに反応するようにトラバスさんの従魔達の身体が輝き、その輝きはトラバスさんに向かって吸収されていく。
『何だ、あの力は?! 初めて見るスキルだ!!』
『ラッキー君、あれはテイマースキルの〈絆強化〉と呼ばれるスキルです。 私と出会ってから、今回の旅での戦いを想定して〈従魔召喚〉と共に、あの方が特訓されていた切り札です。』
セレナさんが俺に説明してくれる。 その様子を見ていたサンダードラゴンは、楽しそうな表情を浮かべる。
『ほう、その力がどのような物かわからないが、我を満足させてくれるのであろうな? 攻めて来ないのであれば、こちらから行くぞ!』
サンダードラゴンは右手の指を鳴らすと、上空から雷がトラバスさんに降り注ぐ。
『その程度!』
トラバスさんは雷が直撃する前に、信じられない速度で回避すると、そのままサンダードラゴンの左手に向かってアイスレイピアで斬りつける。 すると、サンダードラゴンは手のひらで防ごうとするも、アイスレイピアの効果で上腕部を凍結させられる。
『なんだ、その動きは?! 雷を回避する身体能力を備えているとは…』
『今の私は、従魔達の身体機能やスキルを自身に受け継ぎ戦っている。 ソニックバードの速度と動体視力があれば、なんとか回避出来る!』
畳み掛けるように、トラバスさんは追撃を繰り出し、攻撃の手を緩めようとしない。
『では、私もサンダードラゴンと呼ばれる所以を教えてやろう。 これならどうだ!』
サンダードラゴンは、人型の姿こそしているが角や翼がある容姿をしており、長い尻尾を使ってトラバスさんに雷を思わせる速さで薙ぎ払いにかかる。
『いけない!! あの至近距離では流石に回避出来ない!』
ズバーーーッ!!
光速で薙ぎ払われたトラバスさんの身体が上半身と下半身が分断され弾き飛ばされてしまう。
『トラバスさん!!』
俺は急いで〈上位回復魔法〉でトラバスさんを助けようと駆け出すも、信じられない事が起きる。
『大丈夫だ…ラッキー君。 治療の必要は無いから、そのまま見ていてくれ。』
なんと、二つに別れたトラバスさんの身体が、まるでスライムのように傷口からウネウネと弾力のある液体のような物が発生すると、分断された上半身と下半身を繋ぎ合わせて回復してしまう。
『なんと?! 今度はスライムのような再生能力まで備えているとは…だが今ので魔力を使い果たしたようだな。 先程までの身体の輝きが失われているぞ。』
『ラッキー君、すまないがサンダードラゴンの指摘した通り、これ以上は戦えそうにない…後は頼むよ。』
『分かりました。 どうかゆっくり休んでいてください。』
トラバスさんを背負って皆んなに介抱をお願いすると、
俺はサンダードラゴンの前に立ち向かう。
『小僧、先程は我も熱くなりすぎて、あの男に致命傷を与えてしまった事を詫びよう。 ドラゴンの名にかけて、絶対に繰り返さないと約束しよう。』
『あの時、トラバスさんが亡くなる事があったら、俺は貴方を命をかけて殺しにかかっていたでしょう…悪いが全力で行かせていただきます!!』
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