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第九話 イレーネ身代わりにされる

 ガメス達はスケルトンに囲まれ、武器を奪われ戦う術を失っていた。


「おい、こいつら何なんだよ! オレ達を何処に連れて行く気だ!?」


「離しなさいよ!」


「離せ! わしは国王じゃぞ!!」


 スケルトンはガメス達をダンジョンの奥深くまで連れて行くと巨大な植物型のモンスターの前に蹴り飛ばす。


「「「ふぎゃ!!」」」


「え、ちょっ!? 何よこれ!!」


「イレーネ!?」


 イレーネへと触手が絡みつき、服をビリビリに破くと花がバクンと蕾の様になり桃色の煙で充満する。


「あ……あ……頭……なんか……へん……?」


「この野郎イレーネを離せ!!」


 ガメスが巨大植物のモンスターへと近付こうとすると影に潜んでいたゴリラ型モンスターに捕まる。


「うわっ、何だこいつ離せ!!」


「ウホッ、ブチュウ!!」


「うっげえええええ! くっせえええええ!!」


 ゴリラ型のモンスターはガメスを気に入ったのか離す気配が全くなく濃厚なキスをする。


「あわわわ、わしは逃げるぞ!! あ、後は任せる!!」


「父上ええええ!? マジで逃げやがった!!」


 ホロビーユック王はガメス達を置いてスケルトンを押しのけ洞窟ダンジョンから抜け出し必死に走り去る。


 その間に植物型モンスターはイレーネを蕾から出すと触手で両手足を固定して何処まで伸びるか引っ張り遊ぶ。


「ひぎいいいいいいい! やら、やめへええええ!! 痛い痛い痛い痛いいいいいいい!! それ以上はらめええええええええ!! あぎぎぎぎ!?」


 首にも触手が絡みイレーネは苦しさのあまり失禁し涙と涎が溢れる。


「ひゅっ……ひゅうう……やだ……殺さないで……!? 何でもするからお願い!!」


 植物型モンスターは引っ張るのに飽きたのか今度はイレーネの尻をリズミカルに叩く。


「きゃん! 痛いから止めてよ!! あうっ⁉」


 バチンバチンと尻が揺れるのが面白いのか赤く腫れるまで叩くとイレーネのことが気に入ったのかは分からないが懐へと触手で固定し洞窟から出て行く。


「何処に行く気なのよこいつ!? 待って、私今素っ裸なのよ!? まさか街に行く気じゃないでしょうね!?」


 イレーネの感は当たり、マーカス達の目指している街へと植物型モンスターは近付いており暫くすると街からカンカンと危険を察知した時に鳴る鐘が響き渡る。


「ねえ、絶対にやめてよ? 今は触手で身体隠れてるけど解かないでよ絶対!?」


「巨大植物型モンスターだあああああ!! 戦闘準備いいいいいい!!」


「え、待って! 私居るから攻撃なんてしないわよね? ねっ!?」


 街の外には魔法使いと思われる人達が並びファイヤボールを放つ。


「嘘でしょ!? いやあああああ!!」


 植物型モンスターはイレーネの手足を器用に触手で掴むと前に出し身を守る。


「ぎゃああああああああ!!」


「おい、アレ見ろ!!」


「このモンスター人質を取っているのか?」


「構わん! 街の被害よりモンスターを倒すのが先決だ!!」

(しかし、中々良い身体してるなあの女。)


「げほ……げほ……」

(見られた、私の裸見られたぁ……)


「耐久度の高そうですし、手足狙って触手から開放しましょう!」


「そうしようか、判断を誤れば国民に被害が及ぶ!!」


(今あいつら何て言った?)

「きゃあああああああああ!! 熱い熱い熱い熱いいいいいいい!! 何してくれてんのよ!! てか何私狙ってんだクソボケええええ!!」


 イレーネで植物型モンスターは攻撃を防ぎ、手足の触手が燃えると地面にイレーネはベタンと落ちる。



「ぶげええええっ!!」


「よし、女を落としたぞ!! 一気にかたをつける!!」


「「「「ヘルファイヤ!!」」」」


「今ヘルファイヤって言わなかっ……ぎぃやあああああああああ!!!!」


 四人の魔法使いが力を合わせた合体魔法ヘルファイヤで植物型モンスターを灼き尽くす際にイレーネは巻き添えに合い全身が燃え盛る炎に包まれ地面を転がり回る。


「熱い熱い熱い熱い熱いいいいいいい!!」


「よし、ウォーターバレット!!」


 水魔法でイレーネは炎を消火される頃には全身火傷を負いチリチリだった髪の毛をも全て失った。


「気絶しているがまだ生きてるぞ! 皆、回復を!!」


「ヒール!」


「どうでしょうか?」


「まだ息はある、どうにか間に合ったようだな。」


 イレーネは火傷が治り、上半身を起こすと頭にそっと手を置き髪の毛が無くなっていることで再び気絶する。


「いやあああああ!! 私の髪の毛がああああ!!」


「気絶してしまいましたね。」


「無理も無い、植物型モンスターに盾にされていたのだ。 その恐怖は計り知れないものだ、暫くは休ませてやろう。」


 街の人達はイレーネを宿へと運び休ませる。


「さて、今までにもモンスターが街へ近付いたことはあったが人質までとるとはな。 国王陛下へ報告しなければ。」


 そこへマーカス達が辿り着き宿屋へと直行する。


「いらっしゃい、あらマーカスさんじゃない久しいわね。」


「ご無沙汰してます。 ところで何かありましたか? 外にモンスターの焼けた跡がありますが。」


「珍しく人質を取って戦うモンスターが出現したのよ、こんなこと今まで無かったはずなのに。」


「そうなんですか、それは大変でしたね。 その人質の人は無事なんですか?」


「ええ、今家の宿屋で寝かせてるよ髪の毛以外は無事さ。」


(それは無事と言えるのか?)


「ま、マーカスうううう!! やっど会えだああああ!!」


 宿屋のカウンターで話していると禿げた女が布一枚を纏い涙ながらに話しかけてきた。


「誰だ?」


「わだじよ、イレーネよ!」


「嘘吐くなよイレーネは頭禿げてないぞ?」


「本当よしんじで!!」


「あっ! イレーネってマーカスをダンジョンに置き去りにして殺そうとした女じゃない!!」


「「そうなの!? マーカス様を殺そうとした極悪人!?」」


「許せんな、今此処で息の根を止めるか?」


 サーリャは怒りのあまり矢をイレーネに向けて射ろうとするが俺は止める。


「そこまでしなくていいから。」


「お願いマーカス戻って来て! 国がホロビーユック王国が滅んだのよ、貴方しか居ないの国を元に戻せるのは!! 何でもするから許してよ!! 今までした酷いこと謝るから身体だって好きにして良いから!! 騙した分働くからお願い!!」


「いやに決まってるだろ!! 今俺に必要なのは信頼出来る仲間だ!! お前なんかにその要素が何処にある?」


「ひぐっ……うぅ……仲間じゃなぐで……いいから……罪滅ぼじ……ざぜで……」


「分かったよ、あれだけのことをしたんだ。 どれほど苦しくても弱音吐くなよ?」


「わがっだ……」


 何を企んでいるのかは分からないがイレーネを同行させることになったが皆が見張るだろうから安全は確保出来るとはいえ少し不安は残る。

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