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第七話 エルフの里

 左右から双子姉妹美女の間に挾まれ馬車に揺られること数十分、森林の奥深くにあるエルフの里へと着く。


「やっと着いた……」

(ここはエルフの里か、久々に来たな。)


「ねえ、私達は入って大丈夫なのかな?」


「エルフ族は人間嫌いって話聴くしどうだろ?」


「それなら問題無いんじゃないか?」


「マーカスじゃないか! 久しいな!!」


 里の方から長い金髪で翠色の眼をした爆乳美女エルフが嬉しそうな表情で近付いて来る。


「ああ、久しいな……名前何だったか……」


「サーリャだ、忘れてても仕方ないくらい多忙だったのではないか? 顔に出てるぞ。」


「まあな、ところでこっちの二人も入れてもらっても良いか?」


「マーカスの客なら大歓迎さ、さあ入ってくれ。」


 里へ入るとエルフ族の皆から祝福されパーティーが始まる。


「いやぁ、マーカス殿のおかげで今の里がある様なもの。 感謝してもしきれぬわい。」


 エルフの族長から労いの言葉を受け、出された料理は肉や魚、野菜など民族的な料理が並び味は素材本来を楽しめるようになっている。


「そうだな、マーカスが居なかったら森は全て消え去り砂漠となり誰一人として暮らすことの出来ない場所になっていたのは間違いない。」


「俺は単に自然を保護しただけに過ぎないし、森の復興はエルフ族の皆が手を取り合ったおかげだから実質俺は何もしてないぞ?」


「そんなに謙遜するな、きっかけを作ったのはマーカスで間違いないんだ。 そうだ、今夜家に泊まると良い。」


「そうさせてもらうよ。」


 その日の夜、出された布団で寝ていると下半身に違和感を覚え布団をめくるとそこには裸のサーリャが俺のズボンを下ろし潜んでいた。


「サーリャ?」


「見つかったか、今度は何時会えるか分からないからな今の内にマーカスの女になっておこうと思っていたのだが、わたしではイヤか?」


「そんなことない、最後までするぞ?」


「こちらこそ頼む、マーカスとの間に新たな命を宿らさせてくれ。」


 俺とサーリャは抱き合い、朝まで濃厚な一夜を共にした。


 そんな中、ホロビーユック王国が崩壊したとギルドの記事に全世界へと情報が出回り、ホロビーユック王国の者達は隣国のユウフック王国へと保護を求めるも拒否されてしまう。


「なんということだ! 私がこれほど頼んでおるのだぞ!!」


「なんと言われようとも、そなた奴隷制度の廃止を悪用し一国民を虐げ違法を犯した者を我がユウフック王国へと入れる訳にはいかぬ!!」


「違法? なんのことだ?」


「初めに決めたことを忘れたのか? そなたの国は元々貧民街の者達を虐げ奴隷兵士として扱って来た、じゃが戦争の必要性が無くなり奴隷制度を無くしたことで路頭に迷う者が出ぬよう仕事を斡旋する仕組みを作ったが、どういう訳かホロビーユック王国の貧民街は放置されたどころか皆殺しをしたとも言える状況となっておる説明をどうするつもりじゃ?」


「な、何かの間違いじゃろう?」


「間違う筈無かろう、わしはわざわざホロビーユック王国の現状を見に行かせて来たのだからな。 そのような言い訳は通用せん!! 出て行くがよい!!」


「ぐっ……!」


 ホロビーユック王はユウフック王へと国民を住まわせてもらうように懇願するもマーカスからどのような仕打ちを受けていたかを聴いており全く相手にせず見放した。


「父上、どうだった? 勿論国民全員住まわせてもらえるんだよな?」


「あんの頑固ジジイめ、悪政を敷いていたことを知ってやがる!!」


「は? じゃあ何か? オレ達全員野宿でもしろってか?」


「冗談じゃないわよ!! こうなったら此処の住民全員追い出して乗っ取りましょうよこの国!!」


「はは、流石イレーネ良い考えだ! オレも今そう思っていたところだ。」


「くくく、頑固ジジイにはこの上ない罰となるか。 自分が我々ホロビーユック王国の住民を受け入れなかったせいで自国民が死に追いやられるのだからな。」


「てめえら、今から戦争だ! 必ずこの国を我が物にするぞ!!」


「「「「おおおおおおおお!!」」」」


 何をとち狂ったのかホロビーユック王国の兵士達は先程のモンスターの襲撃により折れた剣や槍などを掲げ国民に襲いかかる。


「はははは! 悪く思うなよ、お嬢ちゃん!!」


 ぬいぐるみを抱えた小さな女の子に兵士が大人気なく折れた剣を振り下ろすと女の子は兵士の懐へと入り込み鳩尾を殴ると鎧を貫通し兵士は血反吐を吐き転がり回る。


「ぐへあああああ!?」


「な、何が起きてる!? 相手はガキだろ!?」


「家の娘に何すんだい!!」


「ぐええええ!!」


 恰幅の良い女性が現れ女の子に危害を加えようとしたホロビーユック王国の人達へとフライパンの一撃を食らわし悶絶させていく。


「なんだこの女、普通じゃない!?」


「おい、何が起きてる!?」


「兵士さん! こいつらホロビーユック王国の奴らこんな小さな子供の命を奪おうとしたんだ!!」


「なんだと!? 貴様ら覚悟出来てんだろうな!?」


「俺達も応戦するぞ!!」


「ホロビーユック王国の奴らを絶対に許すな!!」


「た、たかが一般人にやられるかってんだ!!」


 その光景を上空から見ている存在が居た、そう大精霊だ。

 ホロビーユック王国の者がどれほどクズなのかを青筋を額に浮かばせ、ユウフック王国の人達へとバフをかけホロビーユック王国の人達へはデバフをかけており、このおかげで小さな子供でも兵士へ絶大な一撃を与えることが出来たのだ。


「ぎゃあああああああ!!」


「許してお願いいいい!!」


「許すかボケええええ!!」


「おい、残りが逃げたぞ!!」


「ひいいいいいいい!!」


 ホロビーユック王国の兵士達は大半がボコボコにされ、住民と国王にガメスとイレーネはその隙にユウフック王国から逃亡する。


「はぁはぁはぁ、何なんだよあの国の連中は!?」


「ま、まさか此処まで力つけてたなんて誤算だたわ!!」


「こ、国王様……我々はこれからどうすれば……」


「知るか! 自分で考えろ!!」


「そんな!?」


 流石のホロビーユック王もこれにはどうすることも出来ずに国民に八つ当たりしてしまう。


「くそが、やはりあの野郎を取っ捕まえて呪いを解くしかねえ!!」


「けど、何処に居るか分かるの?」


「なーに、奴隷時代の刻印があるしこいつで場所を特定は出来る。」


 ガメスは地図に液体を垂らし、マーカスの居る場所を特定するがその場所は人間嫌いのエルフ族が存在しマーカスへの悪行の数々を知ったエルフ族の怒りを買っているとは知らずに向かうのだった。

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