第十話 ガメスの取り合いとゴブリンの遊び
イレーネがマーカスと会っている頃、ガメスはゴリラ型モンスターとランデヴーしていた。
「やめろ! オレはゴリラと寝る趣味は無い!! やめろと言ってるのが分からないのか!? 股を擦るんじゃねえ!!」
「ウホッホ♡」
「気色の悪い眼で見つめるな! おい、何する気だ? 冗談じゃないぞ!? うぎゃあああああああああ!! 誰か、誰かああああああああ!!」
ゴリラ型モンスターは無理やりガメスを抱き一夜を共にした。
一方マーカス達は一つの部屋で反省し土下座をしたイレーネの謝罪を聴いていた。
「本当にごめんなさい、もう二度としません。」
「幾ら謝られてもな、された側からしたら到底許せるものじゃないしな。 だからと言って、旅をする以上自分で飯代くらい稼げよな?」
「はい、分かってます。」
暫く街に滞在することになりイレーネは自分の身体を売ることで生計を立てようとするもハゲ頭の女に誰も興味を示さずスルーされていき夜になってしまう。
「マーカスさまあああああ! どうかこの哀れな女にお恵みをおおおお!!」
「どうしたんだよ? 身体売って稼ぐとか言ってなかったか?」
「皆あだじの頭見で関わらないように避けでぐのおおおお!! ずびびび……ぐず……」
「だからって晩飯を求めるって自分はマーカスに何も恵まなかった癖によくそんな都合の良いこと言えるよね?」
「マーカス様は貴方と違って優しいから恵るでしょうけど駄目よ!」
「そうだよマーカス様は肉の一切れだってこの女に与えたら駄目よ! 付け上がるに決まってる!!」
「人間の醜さは私がよく分かっている、飯くらい自分で調達するくらいしたらどうだ?」
「ひ、酷い! マーカスぅ、皆がイジメるぅ!」
「俺はお前らにイジメられてたんだが?」
「それは謝ったじゃない! そうだ、ねえマーカス♡」
「急に何だ気持ち悪いな。」
「付き合ってた時、私の身体ジロジロ見てたわよね? お金払ってくれれば好きにして良いよ♡」
イレーネは猫撫で声を出し俺に身体を売ろうとするが禿げた頭が気になり申し出を断る。
「いや、禿げた女は流石に抱けんな……そう言う趣味は無いし。」
「待ってよ! じゃあ私今日晩御飯も無いんだけど!?」
「知らねえよ、そんなの! 雑草でも食っとけ、割と美味いぞ?」
「雑草が美味い訳無いでしょ!? ねえ本当にお願い!! お腹ペコペコで死にそうなのよ!!」
「仕方ないな、着いて来い。」
「「マーカス様!?」」
「マーカス? まさか食事を与える気か!?」
「駄目だよ、付け上がらせちゃうよ?」
「大丈夫だ、とっておきの場所がある。」
「なんだ、ケチくさいことしてないであるなら早く教えなさいよね?」
「「「「こいつ!!」」」」
俺はホロビーユック王国で働いていた時にご馳走のあるスポットへとイレーネを案内する。
「え、なにこれ?」
「俺がホロビーユック王国で働いていた時のご馳走スポットだ! 遠慮することないぞ、さあ召し上がれ。」
「召し上がれるか!? 残飯じゃない、てか生ゴミ食えっての!? 蠅も飛んでるし不衛生極まりないじゃない!!」
「俺、お前に奢らされて残飯食う生活してきたんだが? やっぱり何でもするってのは嘘か……」
「わ、分かったわよ! 食べるわよ、他に何も食べれないし!!」
(うっ、生臭い! こんなの人間の食い物じゃない!!)
イレーネは涙を流しながら腐臭の漂うゴミ箱から食べられそうな部分を漁り口にしていく。
「何で私がこんな目に……」
(こいつそうとう怒ってるわね、どうしたら許してくれるのよ!!)
俺は無言でイレーネの腹が満たされるのを待ち、宿屋へと戻り皆と合流する。
一方その頃、ガメスは二体のゴリラ型モンスターに脚を引っ張られ取り合いになっていた。
「ウッホッホ!」
「ウホッホ!」
「ぎゃああああ! 裂ける!! 股が裂けるうううう!! 頼むから離してくれええええ!!」
「ウッホッホ!!」
「ウッホッホ!!」
「うぎゃああああ!! 折れた、脚折れたああああああああ!!」
ゴリラ型モンスターは互いに離す気は無くガメスの脚を強く握り締めベキベキベキと骨が粉砕される。
「だずげでぐれええええ!! ごへっ!?」
とうとう二体のゴリラ型モンスターはガメスを離し殴り合いに発展する。
「ウホ!!」
「ウホッホ!!」
(な、殴り合ってる今の内に逃げねえと!!)
ガメスは地面を這いずり、ゴリラ型モンスターから逃げるとゴブリンの群れと出くわしてしまう。
(冗談じゃないぞ、今の状態じゃ戦うことすら出来ねえ! 見つからなければいいが……)
細心の注意を払いゴブリンの群れに見つからない様に這いずるが実は後ろから笑いを堪えながら着いて来ているゴブリンに気付かず少しずつ遠ざかり洞窟の外へと出るこてに成功すると安堵したのかガメスは笑みを浮かべ頭上からゴブリンが覗き込み一瞬にして顔が青ざめる。
「は?」
「ギヒヒヒヒ!」
「アヒャヒャヒャ!!」
「こ、こいつら気付いて……ぎゃああああ!! 脚をつつくなああああ!!」
ゴブリンの群れはガメスを取り囲み、骨が砕けた脚をつつき反応を楽しんだり顔面へと放尿したりやりたい放題する。
「バッチィな! やめろ汚ねえ!!」
「フヒュウ……」
「おい、マジでやめろ! 何力んでんだ!?」
「ンーッ!!」
「ぎゃああああああああああああ!!」
ゴブリンはガメスへと力むと脱糞しガメスはクソまみれになってしまった。
「こいつら許さねえ、後で絶対息の根を止めてやる!!」
「ギャハハハ!!」
十分楽しんだのかゴブリンの群れはガメスを置き去りにし振り向きざまにおしりぺんぺんをし洞窟の住処へと帰って行った。
「ふぎいいいい!! ふざけるな雑魚モンスター風情がああああああああ!!」
ガメスは心底怒りが込み上げて来るが何も出来ないことで異常なまでのストレスを抱えたまま地べたを這いずりながら街を探すことになった。




