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第十二話 核からの導き

 ホログラムでない、本物。それがカンザキ・リヒト所長に対する、ハルタの第一印象だった。

 探偵の家に関係者一同が揃っている。圧巻だった。あれから、ゴドー刑事も姿を見せ、今はソファにくつろいでいる。何があったのか説明し、今何が起きているのかを確認。

「ほう」と一言、リヒトの反応はそれだけ。

 カイによる真似は完璧だったらしい。ハルタはベリコと顔を見合わせる。はにかみながら、探偵は首を振った。それは、笑っちゃいけないよ、の意。

 カイの気配がする。ハルタは肩を竦めた。

「完璧な世界、ねえ……。あいつ(カイ)らしいな」とはアンタロウの感想で、「それで実現しやがるんだから、流石というか」

「褒めるんじゃありませんよ」

 苦笑して、サキノが止める。深刻なはずがどこか和やか。外ではヒステリックな悲鳴や、パニックになった人物によって事件が引き起こされているというのに。どこか巻き込まれているという──当事者意識がない。

 或いは、世界に対して無責任なのかもしれなかった。

 アンタロウは続けて、ハムロ・カイの過去を語り出す。その多くは、カイ自身の言葉と合致するものが多い。けれど、解釈が異なっている。

 十二年前の自己喪失者事件(マインドハック)も、九年前の爆発事故も、カイが主犯だった。天国の実在を知り、確かめ、暴走したのは他ならぬカイである。今日に至るまでに様々な嘘を並べ立て、偽の証拠まで用意したようだ。アンタロウの元に残されていたメッセージ。自己喪失者事件を思わせる文言が、それにあたる。


 アンタロウは、リヒトは、そしてサキノもまた──無実だった。ハルタは少しばかり安堵して、息を吐く。ベリコは、実兄の罪を知り、固く目を瞑っていた。アイノとライノは変わらない。無駄に口を挟むこともなく、淡々と状況を見守っている。


 問題は依然として残ったまま。

 話はこれからのこと。

 今後、どうするべきか──に戻る。


「それで」平然とした様子でリヒトは口を開いた。「君達はこれを止めるつもりらしいが──その理由は? どうして元に戻す必要がある」

「ここが天国ではないからですよ」とジータ。

「では何だ?」リヒトが訊ね、

 ジータは顔を近づけて、答える。「地獄」

「何故そう思う」間髪入れずに問い質す。

「意思が尊重されないから、です。彼の最終目標は人々の融合。貴方は、融合された感覚を知っていますか? 無我は確かに快楽です。きっと天国のような気分になるでしょう。でも、ゴドー刑事。貴方ならわかるでしょう?

「何が……」突然聞かれ、刑事は睨み返した。

「家族と会えなくなってしまう辛さ」ジータは微笑して、「不死であろうと輪廻であろうと。融合される限り、いずれ離別するのは変わらない。なら、来世に期待できる世界の方が、永遠に会えない天国よりも、救いとなるのでは?」

「それは主観の問題だ」とリヒト。

「理由はもう一つ。これは何故、私が協力するのかに通ずる話となりますが──」と、ジータはリヒトに向き直る。「即ち──カイが目指す天国のために、意思に沿わない結果は妨害されるから、です」

「どういうこと」ベリコが目を細める。

「そのままの意味ですよ。それもあって……ええ。ここは私にとっての天国にはなり得ません。この世界を諦めました」と、にこやかな顔。

 ジータは、この世界で戦争を起こそうとしていた。既にそれを試そうとして、カイに妨害されたという。

「なら、あたし達のこれからする行動にだって口出ししてくるかもしれないわね」

 ベリコは涼しげに笑い、懸念を示してみせた。

 問題は、そう。そこにあった。ハルタ達は偽りの天国を否定している。このために、また惑星の中核を目指すことになるだろうが、

「きっと、兄さんはそれを邪魔してくるわ」

「でしょうね」ジータも同意した。

「どんな妨害があったの」ハルタが訊けば、

「バタフライ効果」悪戯っぽく、片目を瞑る。「今にわかります。彼はそうやって妨害するんです。他に、説明のしようがありません」

「バタフライ効果って、蝶の羽ばたきが竜巻にもなる、っていうあれのこと?」サキノが梟のように首を捻る。

 ジータは首肯して、アイノを見た。説明を任されたと受け取って、

「風が吹けば桶屋が儲かる、とも言いますね。小さな出来事が、一見すると関係なさそうな出来事にも繋がる、大きな影響を及ぼすという概念です。世界はそれだけ複雑に絡まり合っている、ということでしょうか」

「で、あんたはバタフライ効果によって妨害された、と?」意味がわからないといった様子で、ライノが訊ねる。

「確証はありません。ただ、そうとしか表現できないということです」

 ふむ、と興味深そうにリヒトが唸った。

「偶然を装って、か……。成る程、彼は今や、世界と共にある。先程からある、彼の視線も、そういうことかな? もしも意思表示が成されるなら──惑星の中核へ近寄るの(アプローチ)は大変そうだ」

「それどころか、夜見市へ向かうのも厳しいでしょうね」


 空気にカイの気配が充満する。濃度が高まり、こちらに注意を向けているのが良くわかった。窓辺からは、にゃあ、と声がする。


「でも、私たちにはリリィさんがついています」ジータは狐のような笑みを浮かべた。「持つべきは最良の友、です。ハルタ君のお父さん──アンタロウさんを助け出せたのは、彼女の協力があったからです」

 そうか、とハルタは唸った。

 リリィが偶然を装って、警官たちの意識を逸らしてくれたのである。心強い仲間が、影から支えてくれていたのだ。

 リヒトはカップに口を付ける。

「気に掛かるのは、ハムロ君がどこまで核情報を読み取れているのか、だ。私の考えも惑星の中核に刻まれているなら、君たちがこれから成そうとすること、そのすべては台無しになる」

「カンザキ所長はどう考えていますか」と、アイノ。

「さあな。今のところ頭の中までは侵されていなさそうだ。彼はずっと身体の外にある。つまりはそういうことではないかね」

「兄さんは、惑星中核と一体化はしても、あたし達と混ざり合ってはいない」ベリコが後を受け持って、結論した。「だから人間を動かすことはない、と……」

「でなければ、脱獄をお助けすることはできませんでしたね」ジータはくすっと笑う。

「後は融合が懸念だ。が──」

「リリィがそれを阻止してくれている」ゴドー刑事が後を紡いだ。

「惑星中核まで辿り着ければ、現実改変をするのは不可能ではない」リヒトは腕を組んで、目蓋を閉ざした。「死者は彼岸に、生者は此岸に──か。フタミヤ・ハルタ君」目を開けるなり、鋭い視線がハルタを貫く。「君はもう、別れを済ませたのか」

 ハルタは両親を見つめた。

 二人は照れたように笑い、

「何も、親らしいことはしてやれなかったな」とアンタロウは頭を掻き、

「寂しい思いをさせてごめんね」

 サキノはそれから、悲しみに満ちた顔に変わり、ハルタを抱き寄せる。今生の別れ。そう思うと、涙が滲む。結局、祖母とは会えなかった──それも心残りだ。でも、いずれにせよ融合されてしまえば会えなくなる。ならば、来世のある世界の方が、まだ天国らしい。救いがあった。心残りを消化する機会が用意されている。

 ハルタが母から離れると、リヒトは僅かに頷いた。

「後一つだけ」ハルタは人差し指を立てて、「ナイスガイになるためには、どうすれば良いの」

 と、父に質問。アンタロウはにやりとして、

「厳しい道だぞ。最善ベストを尽くすんだ。どんな苦境でも、諦めちゃいけない」

「不屈ってこと……」

「もう、わかってるじゃないか」

 ハルタは納得する。

 より良い未来を創る方法──自分の価値を創る方法を、ハルタは得たのだ。ナイスガイという生き方は、報われることも少ないだろう。だが自己満足で留めてはいけない。それが、カイとの違いだ。

「向かうなら早い方が良いだろう」リヒトが言い、

「俺は警察に連絡してくる」と、ゴドーが部屋を出ていった。

「目的地は夜見研究所。まずは、そこまで行きましょう」ジータは一同を見渡して、ふと、ハルタで止まる。「貴方は助手席(となり)に座ってください」

「え?」ハルタは呆気に取られた。


 ハルタは、そうして、車に乗り込んだ。


 右側、後部座席。ベリコが隣に座る。助手席にはリヒト、運転手は相変わらずアイノ。行きますよ、の声でエンジンをかける。後続車両にはジータが続いた。ライノはそちらの助手席に座っており、その様子がウインドウを通して伝わってくる。ライノはいわば、両親の護衛に近い。

「姉貴が裏切っていないとも限らないからな」とのこと。

 ハルタは心配していなかった。それよりも、カイの沈黙を不気味に感じる。何故、何もしてこないのか。リリィが守ってくれているのなら良いが、既に行動に移しているのではないか、と勘繰ってしまう。車は順調に天乃浜市を出た。

 赤信号。車は止まる。

 ハルタは何もすることがない。窓から外を眺める。店から一人の老婆が姿を現した。と、何もないところで転び、立ち並ぶ自転車を倒す。それが車道上に転がり、道を塞いだ。走っていた車がこれを避ける。が、後に続く車が間に合わず、ビルに衝突──立て続けに後を追い、玉を突くように事故が起こった。

 道路標識には、夜見市とある。核への道が塞がれた。破損した車も、怪我を負ったはずの人さえも無傷。或いは、即座に部品や細胞が生まれ直したのかもしれない。道行く人々の声が混ざり合う。

「僕は」と飴を舐める幼い子どもが、

「誰にも」と友だちとつるむ少女が、

「止められない」と赤ん坊を抱く男が、

「これが?」と配達員が荷物を持ちながら、

「最後のチュウ──」といちゃつき合うカップルの女が、

「酷だ」と、歩道の真ん中で立ち尽くすサラリーマンが。

 何でもない会話群から、カクテルパーティ効果のように── 情報が選択され、耳に入ってくる。ハルタは笑いそうになった。ヒステリックになっている。不安さから来る妄想だ。けれど、ベリコが訊く。

「今の、聞いた?」と、顔を真っ青に、

「まるで天啓だな」リヒトも首肯した。

「僕は誰にも止められない。これが最後の忠告だ」アイノは言ってから、「ジータが言っていたのは、これのことですか?」

 ウインドウ越しに、ジータは息を漏らす。

「始まりましたね。そう……バタフライ効果。偶然の積み重ね。自由意志の集まりからなる過剰な現象──カイの意思。どうしますか? 諦めるなら、今のうちですよ」

「あんたは誰の味方なんだ」ライノが隣で突っかかった。

「行こう」ハルタが答え、

「なら、最後までお供しますよ」ジータは厳かに頷く。

 信号は赤から切り替わらない。車は走り出した。

「少し遠回りします」アイノは表情を変えずに言う。

 どこからかパトカーのサイレン。ゴドーの通報からこちらに向かってきているのか、それとも関係がないのか、判別つかない。すべてが自分に影響を与えに来ている予感がある。カイによって世界は牙を剥き出しに、敵意を差し向けているのだ。

 そんな──薄ら寒い予感が。


 アイノが速度を上げる。また街を越えた。このまま何も起きなければ良いのに。ハルタはしかし、そんなはずがないと確信している。渋滞を超えた。何気なく窓の外を見る度に、必ず誰かがハルタを見つめる。カイが狙いを澄ましているのだ。

 道端に、突然、子どもが飛び出す。

 アイノは移層して、これを避けた。車は子どもをすり抜けていく。唐突の眩暈感。

「失礼しました」と、アイノは澄まし顔で謝ると、下の階層に戻った。

 サイレンが聞こえる。振り返れば、すぐ背後にパトカーが近づいてきていた。止まりなさい、と警告してくる。脇道からも挟み撃ちするように出現。ギアを上げてこれを出し抜いた。

 更に二台、パトカーが増える。頭上にはヘリコプターが見えた。

 ウインドウ越しに、

「二手に分かれましょう」とジータは提案。

 両親の乗った車が勢いよく離れていく。パトカーが数台そちらへ向かった。しかし、追っ手は増えていく。

「了解です」アイノは簡潔に応じると、「少々乱暴な運転になると思いますが──」

「うむ。そうだな」

 リヒトが目を瞑るのが、ルームミラーに映って見えた。ベリコは怯えて声も出ていない。両肩を抱きしめている。目が合うと、

「あたし、絶叫系が苦手なの」

「私もですよ」とアイノ。

「嘘おっしゃい──」

 また速度が速くなったので、ベリコの言葉は絶叫に変わった。遠巻きから、通行人達の視線がこちらに集まっている。道は坂に差し掛かった。上から何かが転がってくる。それは、大量のりんご──ハルタに疑問符が上がった。

 りんごは摩擦を無視するように、滑らかに下へと流れ落ちるだけ。何の障害でもない。──と、タイヤから突き破るような音。パンクしたのだ、と気づいた頃にはもう遅い。流れる地面を見てみれば、小さな釘が並べられている。りんごは、それを覆い隠すための偽装だった。

 真正面から急速にパトカーがぶつかってくる。しかし移層すれば良い。アイノは階層レイヤーを切り替えた。どこからか声がする。

「ガソリンが流れている」と。

 りんごの滑らかな落ち方。

 ガソリンが、下に撒かれていたのだ。だから摩擦が減っている。上方から流れて来ているのだ──りんごと同じように。

 何故こんなことを? 奥には煙の上がったトラックが見える。何があったのか? こちらがトラックのある位置まで近づいて……、

「だ、駄目だ! アイノさんッ」

 パトカーをすり抜けてから、アイノが階層を下げる。トラックと並んだ。燻るような不穏な音。ハルタが窓枠に手を触れる。同時に、爆発的な炎上が起こった。

 階層を上げる。

 周りを爆風が包み込んだ。パトカーは巻き込まれたらしく、そこで停車──追跡は終わり。階層を戻す。ハルタはぐったりとして、背もたれに身体を預けた。隣ではそれ以上に疲れた顔のベリコが居る。

「生きた心地がしないわ……」と、死にかけて。

 通り過ぎ行く案内標識(ホログラム)によれば、ようやく夜見市に入ったらしい。目的地は間近だが、危険度も高くなるはず。合流地点を通過すると、予定通り、ジータ達が隣に並んだ。

「大丈夫ですか?」と、ウインドウ越しに、ジータはこちらで起きたことを知っているのか否か、「そのまま先を目指しましょう」

 と言って、会話を断絶。車内では、同じように恐怖で顔を歪めるライノと、楽しそうにはしゃいでいる両親が居た。ハルタは少しだけ、ライノに同情する。

 視線を動かせば──ふと、何気ない看板(ホロ)広告が目に入った。入れ替わり立ち替わりする、幾つもの広告からは、「次は、ない、これで、終わり」──目にした文字を続けて読むと、そうなる。

 いつから用意されていたのか。どこまで計画的なのかすら、理解を超えている。遠くで、奇声をあげた男が道路の真ん中に立った。渋滞を作り、車が止まる。

「歩道が空いているが」とリヒトが言ったので、アイノは睨んだ。


 瞬間──


 傍から車が飛び出して、ハルタの元へぶつかった。車は轟音を立てて回転する。景色は反転。上半身が遠心力に投げ出される。

 逆さになって、しばらく自転したが、それも終わり。立ちこめる煙の中、ハルタ達は車から出た。

 ウインドウからは悲鳴にも似た声。誰か確認することも、返事をするだけの余裕もない。何があった? わからない。カイの仕業か? 多分、そうだろう。眩暈する頭を片手で押さえ、ハルタは咳き込んだ。車は無傷だ。

 相手方も同じ。運転手は老人だった。慌てた様子でこちらに駆け寄る。

 ジータが車を降りて、こちらに歩み寄った。

「バイクを手配しました。車では、何かと不都合でしょう」こちらに手を差し伸べて、「ご両親を巻き込むのはやめましょう。これから先、彼らを守ることは難しいですから」

 ハルタは頷く。

 サイレンが鳴り響いていた。こちらへと、やはり近づいている。耳が痛い──嫌な音だ。

「私が彼らを家までお送ります」アイノが名乗りを上げ、

「お願いします」とジータは頭を下げ、「では私達は、バイクが来るまで、このまま歩いて行きま──」

 頭を上げた瞬間、ジータは消失。

 煙の中に溶けていった。

「は……?」ハルタは呆然として、振り返る。

 リヒトも、アンタロウも、サキノも、アイノも。皆、消えている。反射的に老人の姿を探した。ぶつかってきた運転手さえ居ない。逃げたのではなく──跡形もなく塵と消えたのだ。

 にわかに理解し始めて、ハルタは怖気を覚える。

「急ぐぞッ」ライノが声を張り上げた。「融合を始めたんだ、なりふり構っていられないってことだッ」

 全員、夜見市へ向かって走り出す。

 ベリコが消えた。足跡を残して、姿を眩ます。

「立ち止まるな──」言いかけて、ライノも消失。

 半狂乱になって、ハルタは考える。

 次は自分。

 どうすれば良い?

 一体、どうすれば──


 糸が切れたような感覚。圧縮か? ハルタは身体を変換させられている。だが、自我が残っていた。意識がある。無我ではない。それは、何故?

「地面の中を泳ぐのよ」ベリコの声がした。「兄さんが世界そのものである限り──」と、一度息継ぎをし、「世界自体を書き換えることは出来ない。」

 ベリコは更に、一息に説明する。カイは核と一体化したが、全能というわけではない。何故なら、カイの中に惑星が埋め込まれたわけではなく、惑星の中にカイが埋め込まれたからだ──と。枠組み(ハードウェア)ではなく、その中に位置を成す一細胞(ソフトウェア)になったのだ。

 細胞は細胞に影響を与えることはあっても、全体を作り変えることは出来ない。可能性があるとすれば、がん細胞となって、世界を破壊すること。

「でもそれは兄さんの本意じゃない」ベリコは街そのものに溶け込みながら言った。「彼のこと、ちゃんと理解出来てるわけじゃあないけれど……」

「だが、俺達は生き残っている」

 地中から、埋葬された死者が起き上がるように、ライノが姿を現す。ハルタは思わず口許を緩めた。ベリコの仮説が当たりなら──

「カイの力は思ったよりも強力じゃない」

 カイは今、意識を集中しているに違いない。時折り気配や視線があるのはそのためだ。そこに力を集中している。そうすることで、影響を及ぼすために。だから、長い年月が必要だ──とカイは言ったのだ。

「活路はある」

 ハルタは歯噛みして、先を見据える。

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