【本編】お風呂のうた
一月、二月ごろ、私はお風呂の夢を見ることが多かった。
夢診断によれば、お風呂の夢は"疲労やストレスがたまっていて、癒しを求めてみることが多い"とされている。
(※その他あり。また、お風呂の状態、サイズによっても解釈が違う)
あああ、そうか~~。
そのうえコロナ禍で、長く温泉とか行けていない。
お風呂ではうつらないらしいけれど、やはり人の多い場所は避けたく、そんなこんなでわりと近隣にある温泉にもご無沙汰だ。
行かないうちに娘が、入湯料がかかる年齢(小学生)になった。
ゆったりした大きなお風呂、入りたいなぁ……。特に温泉。
私がたっぷりのお湯を求めている頃、「小説家になろう」では"音楽にあわせて詩をつける"という自主企画が開催された。
いつも参加させていただいている方のご企画。
大好き企画で、今度は何にしようとワクワクする。
大抵、冒険モノな作品を書くのが好きな私だけれど──。
あかん! 曲を聴いても、お風呂願望の文字ばかり浮かぶ?
たとえばこう。
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お風呂に入ろう あたたかなお風呂に
湯気と香りで ぽかぽかな浴室
お風呂に入りたい 素敵な温泉が良い
秘湯と呼ばれるお宿で 景色愉しみ
柚子とヒノキ玉
ぷかぷかと湯船に
浮かんだその様 心酔いしれ
無限の至福へと誘って
お風呂に入ろう 蕩けるひととき
湯上りほてる身体には さらりと浴衣 冷たい牛乳
連日の夜に夢にまでみた
疲れがとれる憩いの湯
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ごめんなさい企画主様。ロマンあふれる素敵な詩が並ぶ中、私、これだわ……。
改稿してみようと見直しても。
(柚子と檜玉って一緒に浮かべないよ、香りガッチャンコするし。あと薔薇の花びらも良い。紅葉もオツ)
とか、そんな部分的なことばかりで。
頭がお風呂にジャックされている──!!
あ、ハイジャックってね、高い(high)ところをジャックするって意味じゃなくて、よくある名前ジャックを「ハァイ、ジャック!」と何気なく呼びかけるフリしながら襲撃する行為なので、上記"ジャック"に意味はないよ。頭がお風呂に侵されてる、と言えば良かったね。
閑話休題。
そんなわけで、壮大な曲に合う壮大な詩が浮かばない。お風呂しか。
ああ、お風呂に入りたいなぁ。広い湯船に身を浸したい。
春は桜も良き。
桜が見れる山の温泉。男湯は見晴らし良いのに、女湯はイマイチなんだ。(それはそう。向こうからも見えてしまうもの)
皆様はどんなお風呂が印象深かった?
私はね。
◆修学旅行で訪れた長野で、雪を見ながら入った大浴場。(実のところ窓は湯気で曇りまくっていたのに、雪を見た記憶で書き換えられている?!)
◆同じく修学旅行、有名な九州の温泉。月のモノで大浴場に入れず、小さなお風呂で我慢し、大浴場はのぞいただけだったという悲しみ。
◆学校行事でクルージング、お船のシャワーは狭いうえに時間帯によってお湯が出なかった。冷たいッ。
◆お泊りに行った森のコテージは、お風呂が施設の大浴場を借りに行くというものだった。お部屋で入りたい。
◆古来からある愛媛の温泉。お風呂よりお座敷でいただいたお菓子が印象に。(待て)
◆家族旅行で行った、海を見ながら入る洞窟温泉。なぜかあまり記憶にない。洞窟の圧迫感?
でも「お風呂」の語源はもともと「ムロ(室)」で、蒸し風呂発端らしい。
◆都会のビジネス・ホテル。「うちは大浴場が自慢なので、ぜひ楽しんでください」と勧められ、大風呂に行った。大きくなかった。都会だものね。前フリに期待し過ぎた。
◆トルコで見た遺跡の温泉プール。入ってみたかったがツアー時間でトイレ借りるだけという生殺し。ヒドイ。
◆現在の主人との婚約中、部屋でシャワーを借りた時はタオルが薄くて……ゴホゴホッ。
少し記憶を探るだけで、わんさか出てくるけど、大抵が旅先での出来事。やっぱり特別体験だからかな。
お風呂って本当にいいよね。
漫画『テルマエ・ロマエ』に強く共感するわと思いつつ。
日常は、せっせとお風呂に入浴剤を入れて、ひとときの安らぎを得るのであった。
企画の締切り、今日なんだ。
"お風呂のうた"で出させてください、すみません!!