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8.もう、あきらめる。



――――――――次の日・・





「・・・・とは言ったものの・・どぉしよ~~!!」


(雅のこと・・キズつけちゃったし・・・・

 やっぱりこの気持ちは・・・

 ココロのおくにしまっておかなきゃいけなかったんだ・・)


あれから天子はずっと、こんなことばかり考えている。


(それに・・ きっと流衣くんも・・・

 あたしが思ってる以上にキズつけちゃってるんだろうな・・)


「なーにボケッとしてんだよ」


ぽんっ

    そう言って、誰かが天子の頭をかるくたたく。


「ぃたっ ・・せ、聖夜・・・」


そこには、いつもと変わらない聖夜の笑顔があった。


「受験っつーときに、勉強しねぇでナニしてんだよ」

「っなによー! 

 聖夜だって勉強なんかマジメにしてないくせに!!」

天子はさっき考えていたことなんかわすれて、言い返す。

「おまえはバカだからな。

 他のヤツより勉強しねーとヤバイんじゃねぇの?」

聖夜は、ニヤッと笑った。

「キィーーッ! 聖夜のほうがバカじゃん!!」

あんなことがありながらも、天子と聖夜は、ずっとこんな調子。


そんな2人を見ていた花音と棗は・・・


「うーん・・

 なんだかんだいって仲いーよな、あの2人」

棗が言う。

「だよねー ・・やっぱ天子 返事OKにしたのね、きっと!」

それに、花音が応える。

「かもなー」


―――・・棗は、だまって花音を見つめはじめた。


「・・・なに」

「いや、オレらにもいつかあーゆー日がくるのかなーって♡」

「はぁ? ジョーダンやめてよ」

花音はあきれ顔。

「ちぇっ、つめてーの」

棗は、つまらなそうな顔で言った。






            ----放課後----





「もぉ~っ 聖夜ってばホントむかつく!!

 本当にあたしのこと好きなワケ!?」

昇降口を出た天子は、1人でブツブツ。

(あっ、聖夜)

・・と、昇降口の角に、聖夜を見つけた。

(・・・・雅・・・)

そこには雅もいた。

天子は立ち聞きする気はなかったのだが・・

         自然に足が立ち止まり、動かなかった。




「あのね、水月くん・・

 昨日、学校休みだったから・・・コレッ///」

そう言って、雅は、かわいいピンク色の紙袋をわたしている。

きっと、バレンタインのチョコレートだろう。


(やっぱり聖夜ってモテるんだよね・・

 朝だって女子からの視線がすごかったもん・・・)


「これ、本命チョコだからねっ///」

雅は、テレくさそうに笑う。

「はじめて作ったブラウニーだからビミョーかもだけど・・」
















「あー・・本命なら、オレ・・

   そのチョコ受け取れねーわ」

















(・・え・・・・・?)



聖夜は、天子には見せたことのないような・・

                    冷たい顔で言った。



「気持ちだけもらっとく! じゃーなっ」


聖夜は、チョコを受け取ることなく、帰っていった。


(ほかのコのチョコもことわったって聞いたけど・・)


悲しそうにうつむく雅・・。


(・・・・・・雅・・・)









  “あんなこと言って・・・

    私に悪いって 少しも思わないの?


   私が・・・!!


    どんなにキズついたって平気なの・・!?”






ポツッ・・・

     ポツ・・


           急に、雨が降りだした。




(・・・平気じゃない・・平気じゃないよ・・・・)


天子の目には、いつのまにか 涙がうかんでいた。


(やっぱり・・

 雅をキズつけて あたしだけ幸せになるなんて・・・

 聖夜とつきあうなんて・・・・できないよ・・)







――――――――――――――――――・・その夜。







天子はずっと眠れず、ベッドに寝ころび 天井を見つめていた・・。


(雅・・・

 やっぱり聖夜のことは・・

 聖夜のことはあきらめなきゃいけないよね・・・

 悪いのは、あたしだから・・―――――――)







そのころ、雅も 天子と同じように考えこんでいた。


(・・・天子・・言いすぎたかもだけど・・・

 でもやっぱりズルイよ。

 いくら天子に悪気がないっていっても・・

 応援してくれるって言ったのに。)


雅は、ずっと、ため息ばかり。


(・・あーもう! おちつかない!!

 私にはもう、"あきらめる" って答えしかないの!?)


「・・・もーやめたっ 寝よ寝よ!」


雅はふとんにもぐった。






―――――――――次の日の放課後・・・


         雅は聖夜を、学校の裏庭まで呼び出した。




雅は、聖夜に告白して、キッパリさせようと考えたのだった。



「水月くんっ!!

 私・・このチョコは食べてもらえなくてもいいの!

 私はただ・・・

 水月くんが好き! それだけなの!!」


(・・言った・・・・!!)


雅は聖夜に、昨日のチョコをさしだして、ハッキリと言った。


「・・・・」


すると、聖夜は、だまってチョコを受け取った。

そして、袋から雅の作ったブラウニーを取り出し、一口食べた。


「え・・ッ!?」


雅はおどろいて、聖夜を見た。


「うん、うまい・・サンキュ!

 けどさ、オレ・・・」


聖夜が言いかけた時。


「・・・わかってるよ・・

  好きなのは“天子”なんでしょ・・?」


「あぁ・・ごめんな」


(泣かない・・・泣いちゃダメだよ・・

    水月くんがこまっちゃうでしょ・・っ)



雅は、こぼれそうな涙をぐっとこらえた。


「うん!

 私をフッたんだから、絶対幸せになってね?

 ・・応援っ・・する・・からっ・・・」



(ダメ! 泣くな 泣くな 泣くなっ・・!!)


「ありがとな、夏南・・」


ポンッ


聖夜は、雅の頭をかるくなでたあと、行ってしまった。



( 水月くん!

   大好きな水月くん・・!!

         もうとどかないけど・・・

    少しの間でも水月くんのことを好きでいられて・・


                    うれしかったっよ・・・)


聖夜の背中を見つめる雅の目から、涙があふれてきた。








「―――――あーあ、いじはっちゃって」


後ろから聞こえた声に、雅はふりむいた。


「・・流衣くん!」


そこには、面倒なものを見た、という顔で流衣が立っていた。


「まぁ、君ならすぐにふっきれると思うよ」


「なにそれ、はげましてんの?」


雅は、そんな流衣を 意味がわからないという顔で見る。


「君も春咲さんも、かわってるな。 聖夜のこと好きになるなんて」


流衣は、明るく笑う。


「・・ぷっ、前に天子も同じようなこと言ってた!

 てか、双子のお兄ちゃんがそんなこと言っていいのかなぁ?」


雅は笑いをこらえて言った。


「少しは元気でた?」


「うん、少しね。

 まぁ・・水月くんを天子にゆずるってのは

 ちょっといたいかな」


「 強いね 」


「それ、女のコに言う言葉?」


「いや、本当に強いよ。君の“心”は」









 ( でも・・ 

      なんか元気でてきたよ

                  ありがと・・ 流衣くん )











――――――――――――そのころ。




天子はもう決意していた。 

     ・・というより・・・


(あたしは決めたんだ・・・!!

 聖夜のことは・・もう、あきらめる。

    ちゃんと・・・ことわるよ・・―――――――)



そう、自分に言い聞かせていた。



天子と雅、2人のキモチは 確実に

           すれ違っていく方向に進んでいた・・・








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