10.こっちが先約!
高校生活スタート!
そして、つきあいはじめた天子と聖夜。
あれ以来、天子が雅と話すことは、一度もなかった。
その後 雅は、私立桃女子短期大付属高校に入ったと、人づてに聞いたくらい。
流衣は、有名な一番高に合格したらしい。
天子たちはといえば、家から一番近い公立高にうかった。
「ねーねー 天子、今日はどーする?」
「カラオケ? それともボーリング??」
「えーっと、今日は・・」
グイッ
「 !? 」
「こっちが先約!」
放課後、昇降口の前で、花音と棗と話していた
天子をひっぱってそう言ったのは、聖夜。
「もぉ~ カレシだからっていばってー!」
花音が、不満そうに言う。
「そーそー! このごろ2人ともつき合い悪くね!?」
続けて、棗も言う。
「ナニ言ってんだ!
ほとんど4人で遊んでんだろーがッ(`´;)!!
行こーぜっ 天子!」
「わっ ちょっ ま・待ってよっ(・o・;)」
聖夜は、天子の手をひいて、走りだした。
「「 ケチーー(`o´)! 」」
花音と棗は、声をそろえて言った。
「―――――わぁっ すごい! どこ行っても桜が咲いてるっ!
それに散ってる桜って雪みたいでキレー! ねっ 聖夜・・」
そう言って、天子が聖夜の方をふりむいた瞬間―――――――
「んッ・・!?///」
聖夜が、天子のくちびるにかるくキスをした。
「天子・・」
くちびるが離れたかと思うと、聖夜は天子をだきしめ、ボソッと言った。
「 好きだ 」
(キャーーーーー!!///)
「・・ぷっ 天子 顔 真っ赤だし! テレてんの? かーわいー♡」
(か・かわ・・!?///)
つき合い始めてから、聖夜はずっとこんな調子。
天子をからかってばかりだったあの頃が、まるでウソのようだ。
「桜なら オレいいとこ知ってるぜ? こっち!」
「ほぇ・・!?///」
聖夜に手をひかれ、走る天子はもうフラフラ。
(あれ!? 聖夜ってこんなだったっけ???
もぅなんか聖夜のすること 一つ一つにドキドキしちゃうっっ・・///)
「ついた!!」
聖夜の声に、天子はハッとした。
「へ・・? わ・わぁっ・・」
そこは、満開の桜に、たくさんの花びらが散る公園だった。
「きれい!! 通学路より、いっぱい咲いてるっ!」
「だろっ? ちょっと遊んでく?」
「うん♪ 公園なんてひさしぶりかも!」
「オレも」
それから、2人は シーソーやすべり台、鉄棒など・・
その公園にある遊具で遊びつくした。
「はーっ いっぱい遊んだらのど渇いちゃった!」
「こっからちょっと行ったとこに店とかいろいろあるけど行くか?」
「うんっ! てかこの辺って聖夜くわしいんだね」
「あぁ、今の家くる前は、この辺住んでたからな」
「へぇ、そーなんだー」
2人は公園を出て、また歩き出した。
(わぁ・・道にもこんなに桜の木があるんだ・・キレー・・・)
つんっ
「わっ・・」
天子が桜に気を取られていると、道に転がっていた石につまずいてしまった。
(コ、コケる・・・!!)
グイッ
「天子!? 大丈夫か!!?」
聖夜が、にぎっていた天子の手をひっぱり、たすけてくれた。
「おまえ、ほんっとドジなー」
「なっ・・!///」
「まぁ、そんなトコもカワイーんだけどなっ」
「!!?///」
(ちょっとー!! こんな時にそんなはずかしいセリフ言わないでよっっ///)
「あ、テレてるテレてる♡」
「~~~っ///」
と、そんな間に、聖夜の言っていた通りについた。
そこでジュースを買った天子が見つけたものは・・・
「わっ プリ機がある!! ちょっと撮ってこーよっ!」
「いーぜっ」
―――――――――――――・・・
公園にもどってきた天子と聖夜は、ブランコにすわり、
撮ってきたプリクラを見ている。
「全部で3回も撮っちゃったねー(*^^)v
そーいえば、聖夜ってプリクラ撮ったことあったの?」
「あぁ、小学生の時に何回か・・
でも、女と2人で撮ったのは、天子が初めてなんだぜっ♪」
そう言って、聖夜はニヤッと笑う。
「そ・そんなコト訊いてないっ///」
そんな聖夜に、天子はプイッとそっぽをむいて言う。
「そんなテレんなって~♪」
「・・(`´゛) テレてないから!!」
天子は、ほっぺを赤くして言う。
「・・ちぇっ、つまんねー」
「そーだっ! ケータイに貼っちゃお♫」
聖夜なんかムシして、天子は言う。
「じゃー オレも! どれ貼んの?」
「うーんと・・」
と、天子がプリクラをめくっていたとき・・
ヒラッ・・
1枚のプリシートが下に落ちた。
「わわっ・・」
天子は落ちたプリクラを拾う。
「っ・・!!///」
天子は固まった。
「なんだよ、どーした?」
天子が拾ったプリクラを、聖夜がのぞきこむ。
「お、コレがいーじゃん♥」
聖夜がまたニヤッと笑う。
「やっ コレはダメだよ!!///」
天子は顔を赤くして言う。
「えー なんで?」
聖夜はムッとして言う。
「だってハズカシイじゃんっっ///」
「つってもさー、貼らねぇなら、コレどーすんの?」
「それは・・・とっとくの!///
ほら、こーやって手帳にはさんでっ・・」
天子は、プリクラを手帳にはさむ。
「ふーん?」
聖夜は、そんな天子を不満そうに見ていた。
天子が手帳にはさんだプリクラは、
さっき撮った、聖夜との・・・ キスプリ。
といっても、聖夜がかってにキスしてきただけなのだけど。
そうして、天子は、ケータイに貼らなかった
残りのプリクラも手帳になおした。