1.また やってきた春
あっというまに一年はたち、また この季節がやってきた。
今日は始業式。天子は、中3になる。
「はぁ~・・・」
桜のちらちらふる華やかな風景にひきかえ、
天子は 机に顔をふせ、ためいきをついている。
(わーん あたしのバカバカ!! 聖夜を好きって気づくなんて・・・
そんなこと、今まで考えたことなかったのに!
・・・って! 雅にはなんて言えば・・・・!!! ・・・言えない・・・
親友とおなじ人を好きになっちゃうなんてーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
天子は頭をかかえる・・。
(あ~・・ あ・り・え・な・いっっ なんで聖夜なのーー!!
だいいち、このリングのネックレスをくれた
初恋の男のコも、誰だかわかってないのに・・・)
天子が、首にかけているネックレスのリングを見つめ なやんでいると・・・
「おっはよー 天子~♪」
ギクッ!!
・・天子をよぶ声が。
「み、雅!! お・おはよ~(゜o゜)」
「・・?」
様子がおかしい天子に、雅は 首をかしげた。
「天子、どーかした?」
「えッ!? ぜ、ぜんぜんっ どーもしてないよ!!
だいじょーぶ だいじょーぶっ(^-^))」
天子は そう言ったが、どうもあわただしい。。
「 ? 」
雅は もう一度首をかしげ、自分の席へもどって行った。
天子はひとまずホッとした。
(はあぁ~・・
どうしよぉ・・・・雅には ぜったいぜーったい言えないっ(;_;)
・・・・そういえば 聖夜は・・・?)
天子はそうおもって、となりの 聖夜の席を見た。
・・が、聖夜はいない。
天子は ふと、去年のことを思い出した。
(あ・・・っ そういえば、去年の今日・・あの木のところで、
聖夜と初めて会ったんだっけ・・ もしかして・・・・)
ガタッ
天子は席を立った。
「天子ぉ~! クラスがえの掲示板 見に行こー!!」
「・・・う、うん」
バットタイミングで、雅につかまった。。
----------------------------------------------ざわざわ・・・
掲示板のまわりには、人がいっぱい。。
「おなじクラスだといいな~(^^♪」
雅は あいかわらず、ハイテンション⇈
「天子~ あった??」
「うん、あたし また星組だぁ」
「え~~!? 私 月組だよ・・・」
「えっ・・」
2人の会話がとぎれた。
「ざんねんー・・ でも、クラスは離れても ずっと友達だからねっ!!」
雅が言った。
「うん・・・!!」
the! 友情♦・+。
「あ、そろそろ始業式はじまるね。行こっか!」
「あ!! ごめん、雅 先に行ってて!」
ダッ
天子はそれだけ言うと、急に走り出した。
------------------------------------------- ・・・
「やっぱり ここにいた!」
天子の思ったとおり、聖夜は あの桜の木のところで寝ていた。
あの時と同じように・・・。
「・・・なんだよ?」
「べ、べつにっ・・」
(って! そうじゃなくて・・・っ)
天子が 頭の中でゴチャゴチャやっていると、聖夜が口をひらいた。
「・・去年みたく木のぼりでもしにきたのか?
おまえの毎年恒例行事? サルかよ、おまえ・・」
「な゛・・・っ!!」
聖夜は、いつものように 憎まれ口をたたく。
「もーすぐ始業式はじまるから! こんなとこにいたら、
またチコクするって、忠告しにきただけだしッ!!」
「・・べつに、いーんだよ。チコクぐらい」
聖夜はそっけなく言った。
「あっそう(ー_ー)!!」
天子は、そう言ってズンズンと歩いて行く。
「あっ、おい!」
聖夜は、そんな天子をよびとめる。
「なによ!!!」
「・・・・なんでおまえは、いっつも くつ下に "ねふだ" がついてんだよ」
ふりかえった天子に、聖夜は言った。
「な・・・!!」
天子が自分のくつ下を見てみると・・・・片方に、ねふだが。。
(ぎゃ~~~~~!!!/// あたしのバカ!!)
「おまえ、ほんとドジなー」
聖夜が笑う。
「しょーがねぇな、オレがとって・・」
聖夜は 起き上がり、天子のそばにしゃがむ・・・と、思ったら!!!
ぺろんっ
「 な゛」
天子のスカートがめくれた。。。
めくったのは、まぎれもなく 聖夜。
「わぁお、ピンク♡」
ごんっ
聖夜の頭に、天子の拳がおちてきた。。
「・・・・・なぐるよ? このヘンタイ」
「いや、もう すでになぐってるぜ!?(゜o゜)」
聖夜は、頭をおさえながら言った。
「せっかくよびに来てあげたのに・・もうしらない(ーー゛)!!」
天子は走り出した。
「おい、ねふだは!?」
「あとで 取るからいい!!!」
天子は、おこって行ってしまった・・・------------。
「・・少し からかいすぎたな。」
聖夜はそう言い、フッと笑った。