海の傍のブランコ
用事があって、バスに揺られながらとある地へ。
目的の場所へ向けて足を進めながら。
ふと、海が見たくなり。
目的の場所から少し反れた道へ。
枯れ葉舞う並木道を歩く。
海が綺麗に見えそうな公園に入ると。
真っ白い砂浜に、鳥居のようなものが立っていた。
近づいてみると、それは大きなブランコで。
海の傍に佇むブランコ。
周りをキョロキョロと見て。
きしっ…
私は、ブランコに乗った。
ブランコなんて、いつぶりに乗っただろうか?
そう思いながら、ブランコを揺らす。
子供の頃とは違い、スムーズにブランコが動かない。
子供の頃は、空まで飛べそうなくらい漕げたのに…
わたわたしながら、ブランコをひとり漕ぐ。
ブランコに座りながら。
ぼーっ…と、海を眺める。
海の向こうの何かを…誰かを想いながら。
刹那の時間をぼんやりとすごす…
鳥居…?
ブランコかい!
あいにくの曇天と海