もふ夢
ある日の夜。
仕事で疲れきっていた私は、布団には入るや否やすぐに眠りについた……
ぽぴゅほぴゅぽぴゅ!
目蓋の向こう、なんだか綿が跳ねるような音がする。ぱちり、と目を開け音の方を見る。
そこには、私のかわいいぬいぐるみたち。お部屋じゅうに飾っているぬいぐるみたちが、遊んでる。
ぽぴゅほぴゅぽ…
あ…
うさぎのぬいぐるみと目があった。
もしょもしょとほかのぬいぐるみとみみうち。
くるり…
ぽぴゅほぴゅぽぴゅ…
ぬいぐるみたちが私のところに来る。
そして。
『いっしょにあそぼ!!』
むぎゅむぎゅもふもふ!!
ぬいぐるみたちが私に抱きついてきた。
頭にもふもふ。
お顔にもふもふ。
お腹にもふもふ。
足にもふもふ。
全身に、ぬいぐるみたちがもふもふしてくる。
もふもふたちに手をひかれておままごとをしたり、かくれんぼをしたり、おちりふりふりダンスとかいうのを踊ったり。
最近は仕事ばかりで。
こうして、声をたてて笑うのは久しぶりだった。
ぬいぐるみたちといっぱい遊んでいると、ぬいぐるみたちが言った。
『そろそろわたしたちのねむるおじかんだから、バイバイ』
『そうなの?また私と遊んでくれる?』
『もちろん!またきっとあそぼ!』
そう言うと、ぬいぐるみたちは私にもふもふぎゅぎゅ!と抱きついてきた。
───いつもみまもってるからね………
ふと。
目が覚めると、私はベッドの中にいた。
ぬいぐるみたちはいつものところで座ってた。
「夢か…。かわいい夢だったな」
またぬいぐるみたちと遊ぶ夢が見れたらいいな~と思いながら、むくりとベッドから体を起こした、時。
『またきっと、あそぼうね!』
そんな声がして、その方に振り向いた。
ぬいぐるみたちがにぽっと、微笑んでるように見えた。