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源流遺跡:禊の黒街5

 さぁて、これでお荷物も無くなってやっと対等になった訳だけども……


「どうやって攻撃するかなぁ」


 バシュッ!バシュウゥ!


 すこしでも距離とると水鉄砲連打してくるし、かといって懐に潜り込もうと距離詰めると────


「ギュラァア!!」


 くそっ、お手だけじゃなくて首で薙ぎ払って来たりし始めるもんなぁ。しかも分かっちゃいたけど、動きが早いから避けるのに手一杯ですれ違いざまになんて出来ないし。

 それに、ノックスデイガーを作るにしても、今更ながらあの爆発がこいつの技なら、安易に作ろうとするべきじゃない。


 ならカタナで攻撃しなきゃなんだけど。

 あの水鉄砲なんて受けたらポッキリ行くだろうし、物理攻撃なんて真正面から受け止めたらパッキンよ。

 虫系のマモノ素材は鋭いが脆いとはよく言ったものだ。


 なら獲物に何を使うかって話だけど、それこそこのカタナしかないんだよねっ!


「ギュララァァァア!!」


 噛み付き!なら下に滑り込みながら腹側に刃を沿わせれば────よし、目論見通り!

 切り付けるんじゃなくて敵の動きに合わせて腹側に刃を沿わせてやれば、折れることなく多少の傷は付けられる!

 時間はかかるけど、これで地道に出血量を増やしてやって倒すしか無いか。


 ただ、もうひとつの作成が上手く行けば大ダメージを与えられると思うんだけどっ!

 ……これなら、案外早く準備は整いそうだ。


 懐に潜り込み、横薙ぎに振られたマモノのヒレを避けながら、少し離れた場所にある岩に引っ掛けた、今では糸だけになった射杭糸機の糸をマモノに引っ張らせる。

 そして飛んでしゃがんで受け流してマモノの攻撃を捌きつつ、何度も岩とマモノの間を移動している内に、きっとこの建物の壁だったその大岩は恐ろしい程尖っていた。


 糸を使った研磨、正直攻撃の誘導が上手く行かなかったらここまで綺麗に出来なかったけれど……ここまでくれば!


「さぁこい魚モドキ!」


「ギュララララァァァア!!」


 僕の挑発が効いたのか、尖らせた岩より少し高い場所に居る僕の元めがけ、マモノの伸ばしたその口が僕を捉える直前に僕はマモノの下に潜り込む。

 そして潜り込んだタイミングで空中に舞わせておいた糸を思いっきり巻き取り────


 さぁ、これで終いだ!


「グギュ、グ、ググュ……」


 マモノの喉に尖らせた大岩を突き刺しただけでなく、僕の立っていた場所に顎を打たせ、首を本来曲ってはいけない方へと曲がらせ、この大型のマモノを打ち倒す事が出来たのであった。


 とはいえ射杭糸機は壊れたも同然だし、攻撃当たっては居ないけど数日行動不能なレベルで疲労とダメージは蓄積してるし、収支はプラマイマイナスまであるなぁ……


「きゅううぅぅぅう!」


 今の声……おチビか?!

 今助けに────くぅっ?!足をやってたか……!射杭糸機もさっきので本当にお釈迦になったしどうすれば────


「ふむ……お前が、そうか。という事はコイツはお前のペットか」


「?!」


 いつの間に後ろに!というかこのヒトは……気絶してたヒトだよな?どうやってここに────って、おチビを投げるな!


「ペットならきちんと面倒を見てやれ。さて…………」


 な、なんだ。突然黙り込んだぞ……というかなんか篭手とか仮面のひび割れが蒼く光始めたぞ……ん?蒼?

 もしかして最初のあの爆発ってこのヒトが起こしたんじゃ────


「君、どうやら俺の面倒を見ててくれたみたいだな。迷惑をかけた」


 は、はぁ……。どうも。


「それに、その様子を見る限り成り行きとはいえここのマモノとなかなか接戦してたようだな。礼といってはあれだがコレをくれてやろう」


 なんとか起き上がろうと片膝立ちの状態で突然感謝を告げられぽかんとなっていた僕へ、目の前の蒼いヒトはそう言ってぽいっと僕へブローチを投げてくる。


 これってー……採古物?しかも魔物?


「範囲内の意識した場所に歩ける物だ。有意義に使うといい。ではな、貴様が神を討てるようになるのを祈っている」


「あっ、ちょっ?!」


 き、消えた、青い光を残してすっと……何かの採古物の力か?それに僕がジンを討てるようになる?一体どういうことなんだ……それにあのヒトは一体……

 だめだ、疲れで頭が回ってない。続きは一旦休んでから考えるとしよう。


 そう考えを放棄すると、僕はほっぺに擦り寄ってくれているおチビのもふもふを感じながら、気絶するようにして眠りへと落ちたのだった。

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