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俺はダンジョンが嫌いだ  作者: ポン酢
9/19

第9話 シェイク

夜10時を過ぎた頃、廃ビルに男女6人が集まっていた


「こんな時間に呼び出してなんなのよ?」


薄着な女性が一つだけある椅子に座っている男に若干イラついた声で問いかける


「まぁ、そう怒るな、俺はメンバーの顔を見たかったんだよ」


「そうは言うが灰賀、メンバーじゃない奴が1人いるのは、なんでだ?」


大柄な男性は椅子に座っている男を灰賀と呼んだ


「はぁ?!そいつ新人?メンバー以外呼び出すなんて、あんた何考えてんの?!」


「あぁ、こいつは俺のお気に入りなわけ、すぐにメンバーになるさ、な、村田?」


「......頑張ります」


そこには村田 純がいた、学校の時とは違い荒々しくない


「おいおいおい、俺はそいつ知ってるぜ!前に失敗したやつじゃねーかよ、そんなやつをメンバーにする気か?灰賀さんよぉ?」


チャラついた男が強めの口調で問う


「たしかに失敗したな、だかよ、俺は優しいから1回のミスは許してやるんだよ、それよりだ、田村!!お前こそヘマしやがっただろ?今日、一般人にお前の連中が人を攫うところを見られて警察に通報されてたよな?」


灰賀はチャラついた男を田村と呼ぶ


「はぁ?!田村、あんた何してんの?!」


「田村、灰賀や俺らの邪魔になるなら、殺すぞ?」


「す、すまねぇ」


3人から言われた田村は萎縮した


「まぁいい、村田!お前は引き続き本田 葵を連れてこい!そいつが持ってるあれを欲しがってる連中から早くしろってうるさくてよ、そこでだ、田村おまえも協力してやれ」


「ちょ、なんでだよ!」


「あぁ?てめぇの失敗をそれでチャラにしてやんだよ、俺は優しいからな、その代わり、失敗したらわかってんな?」


「あ、あぁ、わかったよ、失敗しねぇ」


「村田、お前も協力して早く連れてこい、期待してるが失敗したらお前もわかってんな?」


「っ!......わかってます」


「あぁ、頼むぜ、他の奴らも《灰色》のメンバーとしてしっかりやれよ」


そうして廃ビルでの集まりは解散された



♢♢♢

翌日、午前の授業が終わり、午後から各々がクラスの出し物の準備をしている中、俺は休憩がてら自販機で飲み物を買い、外のベンチで休んでいると


「おい、宮田ぁ、なに休んでんだぁ?」


あの日から関わっていなかった村田に絡まれた


「そうだぜ、お前が村田さんより先に休んでんじゃねーよ」


後ろにいた男子にそう言われた


え、ちゃんと許可とって休んでますけど?


てか、君だれ?!


「おい!だんまりかぁ??」


俺は無言で飲み物を飲もうとすると


「なに、村田さんを無視して飲もうとしてんだよ!!」


バシッ!


あぁぁぁぁあ!俺の『いちご10%いちごオレ』がぁ!!!!!


もう1人後ろにいた男子に飲もうとしたところを叩き落とされ、地面に撒かれてしまった


最悪だよ、まだ少ししか飲んでないのにさぁ


「はぁ、で、なんの用?」


ガシッ!


村田はベンチ蹴りつけるとその体勢で


「ダンジョン生誕祭の時にやる、高校生決闘祭の1年生部門にでろ」


「なんで?」


「出なかったらまた本田 葵がどうなっても知らねーぞ?今度は本気だぁ」


「っ、てめぇ!!」


「あぁ??キレてんじゃねーよ、お前が出れば俺は何もしねーよ、わかったな?」


こいつ!いったい何が目的なんだよ!


「お前、村田さんになんて口聞きやがる!」


お前はうるさい!


「うるせぇ、戻るぞ」


「なっ......、命拾いしたな」


そうして取り巻き2人を連れて村田は去っていった


いや、ほんとにあの2人だれ?!


「はぁ、めんどくさい事になったぁ」


こうなったら絶対にいちごオレと葵さんの恨みはどこかで晴らしてやる!



クラスに戻ると、あれこれと忙しなく動いていてみんな大変そうだ


だが、村田の姿はなかった


「お、宮田戻ってきたか、じゃあ行くぞ!」


どうやら、バーテンの係みんなでどこかに行くことになっていたみたいだ


「村田くんはいいの?」


「あぁ、いないから仕方ないだろ」


村田以外の5人で行くことになった


バーテンの係は6人でそのリーダーは小野と言い、

サッカー部でとても気さくな奴でリーダー質って感じの奴だ


そして、道中で俺は小野に話しかけた


「そういえば、これからどこにいくんだ?」


「お?さっき話したろ、バーテンって言ったらシェイクだろ?それのやり方を見に行くんだよ」


「BARに???」


「そうそう、なんでも佐藤のおじさんがやってる場所があるらしくて、そこに行こうって話したろ?」


「そうだよ、宮田くん話し聞いてなかったの?」


いま、俺に話しかけてきたの女の子が佐藤さんだ


「あー、わるい、多分ぼーっとしてたわ」


「ふーん、宮田くんって不思議だよね、クラスじゃあまり目立たない方だけど、村田くんに喧嘩売ったり、A組の本田さんと仲良かったりさ」


「あー、たしかに!村田に喧嘩売ってたのはびっくりしたよなぁ、おいおい大丈夫か?!ってあの時は思ったよなぁ、でも宮田は運動神経いいんだぜ?体育でも結構やるよな?」


「へぇー、そうなの?なんかスポーツとかやってたりするの?」


「あー、中学の時にテニスやってたくらいかな」


「そうだったんか、いまテニス部入ってないよな?」


「今はバイトで忙しいしな」


「えー、やればいいじゃん!やってるとこ見たかったなぁ」


「だな、それかサッカーどうよ?いい線いくと思うぜ?」


「すまん、バイトしないとお金ないし」


「そっか、バイトって何してるの?」


「簡単に言ったらゴミ拾いだな」


「なんだそりゃ!」


「あぁ、ダンジョンのだけどな」


「えー、なにそれ!!てか、ダンジョン行ってるの?」


「まぁ、ダンジョンの中に落ちてるゴミとかを回収するのが仕事だからな」


「ぷッ、ダンジョン行ってまで、ゴミ拾いとか、......くっ、アハハハハッ!」


「ちょ、笑っちゃダメだって、プッ、プフ、アハハハハっ!」


おいおい、そんなに笑うなって!まったく、ひどい奴らだ!


「えー、なになにー、後ろの3人で何話してんの?」


「俺らにも聞かせろよー」


そうして前の2人までにも笑われてしまったのだ


「いやー、わるいわるい、変わったバイトしてんだな」


「お前らが笑ったバイトはめっちゃ時給いいんだからな?」


「えー、そうなの?」


お、みんな気になってんなぁ


「いいかぁ、驚くなよ?俺の場合は時給2500円だぞ!」


『え?!』


おうおう、さっきまでよくも笑ってくれたなぁ


「高くね?!」


「すごいよー、私にも紹介して!!」


佐藤さんが食いついてきた


「いや、そう簡単にそこでバイト出来ないんだよ、まずダンジョン経験がないと」


「あー、俺まだむりだぁ」


「えー、私もうすぐだよ?」


「それだけじゃなくて、普通より有能じゃないと多分受けさせて貰えないと思う」


「なにそれー、つまり宮田くんは強いから入れたってこと?」


「え、俺は〜、運だな!」


「運で入れるのかよ!」


「ずるいー、私もそこでバイトしたい!」


「まぁ、紹介だけはしてやるからさ」


「でも、こいつ運もいいんじゃないか?ほら、本田さんと仲良いし?」


もう1人の男子の八木が話しに乗ってきた


「それ!どうして仲良いの?私、ずっと疑問だったんだよね」


もう1人の女子の林原さんまでもだ


そして、俺は簡単に出来事を話した


「へぇー、助けたんだぁ」


「やるぅ〜」


「お前ってやつは、男だぜ!」


「ちょっと宮田くんの見る目変わったかも」


どうやら俺の評価は上がったらしい



そんな感じで俺らは和気あいあいと会話しながらも目的地についた


「あ、ここだよ!」


どうやらこのビルの中に入っているみたいだ

ビルに入り店の前に来た、名前は「探偵はBARにいる」だった


ん?どこかで聞いたことないかって?


ちょっと何言ってるか分からない


カランカランっ


「おじさん、来たよー」


「おー、いらっしゃい、待ってたよ」


「うん、今日はおじさんお願いね」


『よろしくお願いします!!』


こうして俺たちはシェイクについて教えてもらう事になった


「ノンアルコールのカクテルでいいんだよね?だったら、まずはシンデレラを教えてよう、材料はオレンジ、レモン、パイナップル、これを同率で入れてシャイカーに入れて混ぜれば完成だよ」


『うんうん』


「お手本を見せようか、こうやって入れて......、腕〜振って〜、腰〜振って〜、シャカシャカ♪、シャカシャカ♪、腕〜振って〜、腰〜振って〜、シャカシャカ♪、シャカシャカ♪、さいご〜に、ぜん〜しん〜で〜、ドッキュンドッキュンキュン♪♪... まぁ、こんな感じだね」


『......』


え、いま俺たちって何見せられてたの?誰か理解してる人いる?いないよね?だってみんな俺と同じく目が点だもんね


「お、おじさん?真面目に教えて?」


「む、何を言ってるんだ、おじさんは真面目に教えているぞ?どこか分からなかったか?」


『......』


はい、絶句ですね、何も言いようがありません、どこが分からなかったとかじゃなくて、何をしているかが分からなかったかな


あ、八木のやつ、出口まで少しずつ後退ろうとしているな


ガシッ


おいおい、1人で逃げようたってそうはいかないぞ

と、俺は八木の肩を押さえて、目で訴える


そして、小野が俺たちにとりあえずやろうとアイコンタクトした


「さぁ、じゃあみんなも一緒におじさんのまねしてやってみようか、あと掛け声も一緒にやることが大切だからね?」


そこで俺たちは逃げから、あっ、今から俺やるんだ、という諦めへと変わった


「せーの、腕〜振って〜、腰〜振って〜」


『腕〜振って〜、腰〜振って〜』


「シャカシャカ♪シャカシャカ♪」


『シャカシャカ♪シャカシャカ♪』


「もう一度!腕〜振って〜、腰〜振って〜」


『腕〜振って〜、腰〜振って〜』


「シャカシャカ♪シャカシャカ♪」


『シャカシャカ♪シャカシャカ♪』


「そして!さい〜ご〜に、ぜん〜しん〜で、ドッキュンドッキュンキュン♪♪」


『さい〜ご〜に、ぜん〜しん〜で、ドッキュンドッキュンキュン♪♪』


はい、やり切りました、もうね、......死にたい!!!恥ずかしいすぎる!!!


ほら、佐藤さんも林原さんも涙目だよ、瞳がうるうるしてるよ


「うん、次は声も振りも大きくやろう、でなければ美味しいカクテルなんて作れないよ」


あ、林原さんが手を覆って泣いちゃった


なんか、もう私ムリ!とか言ってるよ、わかるよ、その気持ち、みんな一緒!


でもね、やらない終わらないんだよ、だからさ、


俺が林原さんの肩に手を置き、こちらを見たので、親指を立てて......グッドラック!!!


それから俺たちはおじさんと一緒に振って振って振り続けて


「うん、みんな良くなったじゃないか、これでシンデレラは及第点かな」


『ありがとうございました』


うん、なんかやり切ったよね、もうここまでに羞恥心とか捨ててきました、みんな真顔でよくやったよ


「それじゃあ次はバージン・ピニャ・コラーダというのを作ってみよう、これはパイナップルジュースとココナッツクリームを入れてシェイクするんだ」


『うん、うん』


「そして、これにも振り方があるからねしっかり見てるんだよ?」


『......ん?』


なんだろ、振り方とか言ってるよ、このおじさん


え、意味わかんないね、アハハハハ


ほら、みんなも顔が引き攣り始めたよ


「それじゃあいくよ、......腕♪シャカ♪、腰♪シャカ♪、全身で♪シャカシャカ♪、前来て♪シャシャシャッ♪、後ろ〜来て♪シャシャシャッ♪、下から〜上へ〜、ドッピューン♪」


『(あ、これ全部振り方違うやつだ)』


あ、林原さんが手を覆ってうずくまったよ


佐藤さんは乾いた声で笑いだしたよ


八木は全力で逃げようとしてる、そうは行くか!


ガシッ!


ふっふっふ、逃がさん!


あ、こいつ這ってでも出口に行こうとしてるぞ


小野!協力しろ!


と、小野を見ると


あ、こいつはダメだ


小野は白目を向いて突っ立ていた


「さっ、それじゃあまたやってみようか」


もう、このおじさんが悪魔にしか見えない、誰か助けてくれ、もう、やだ......


それから1時間ずっと振り続けた、みんな無の境地に至ったよね


こうして俺たちのシェイクの仕方?は終わり、おじさんにお礼をして帰ったのだった





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