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豊臣幕府  作者: ヒデオ
9/30

岐阜の三介殿2

織田信雄は滝川雄利の知らせを信じられない面持ちで聞いていた。

「嘘じゃ!筑前守の罠じゃ!三河殿が亡くなる訳があるまい。」

「殿、しかしながら、念のため小牧山城を調べた我が方の物見の知らせでは、城は羽柴勢で満ち溢れていたとのこと。

もはや三河殿の死は確実でございます。

この先どうするかが肝要でございます。」

「わかった雄利。いかにする。」

「されば、座して羽柴勢をこの城で待って籠城するか、羽柴勢に降伏するかどちらかかと。」

「尾張の兵を集めて伏兵として籠城はできんか?」

「こたび、羽柴勢は尾張から、攻勢しております。尾張も羽柴勢に落ちたと考えるがよろしいかと。」

雄利は勘違いしていた。

秀吉は岡崎までは落としたが、尾張は手付かずであった。

信雄の策は採用するには良かったのだが、雄利は、却下してしまったのであった。

「三河殿がいない今は、筑前に頭を下げて許しを請うしかないか…」

信雄は半ば諦め気味になっていた。

「そのお役目、私にお任せ願いますか?」

「雄利、お主に任せた。

それにしても羽柴筑前守は、亡き父上もその才覚を褒めていた男であった。

三河殿がそれに対して上手く立ち回れると思うていたが、こうもあっさりやられてるとはな。

組んだ相手を間違えたか…」

「いやいや、殿、そうではありません。

羽柴筑前守が強すぎただけでございます。

亡き上様は三河殿を恐れ、密かに誅されるつもりであったと聞いております。

それを本能寺で行うつもりであったのを亡き日向守(明智光秀)が上様を討ったということでございます。

いわば、上様がなされようとしたことを筑前守がなさったにすぎません。

そこを逆手に取り、筑前守を持ち上げ、上手く生き残れば良いかと…」

信雄の目が輝いた。

「なるほど、ならば生き残る手はあるやもしれない。雄利、任せたぞ。」

「かしこまりました。」

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