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大坂城2
大広間での評定が終わった秀吉は、石田三成と黒田官兵衛と密談を始めた。
「治部よ、公家達への首尾は?」
「はい、殿が東国を手にされましたから、反対する輩は黙ってしまいました。」
「左様か。官兵衛、では手筈通りに。」
「私は足利家の失態を手直ししただけ、細かなところは治部殿にお任せ申し上げました。」
治部は、一枚の紙を広げた。
「殿、官兵衛様、おおまかな感じはこんなところでございます。」
「なるほど、これは細かい。よう出来とる。
もっと詳しく説明してくれ。」
「はい。」
それから2刻余り、石田三成は秀吉と官兵衛に紙の内容について説明した。
「わかった。それで進めてくれ、必要な金や人はそなたに任せた。
我らはまず四国、九州攻めに専念する。」
「かしこまりました。お任せください。」
3人の密談は終わりを告げた。




