大坂城1
東北攻めから大坂城へ戻った秀吉。
まずは、家族と会うことにした。
「おっか様、お寧、皆、息災であったか?」
「おみぁさ、ワタシらのことを放っておいて、戦ばかり、いつまで続けるんじゃ?」
「もう少しの辛抱だ。この日の本が一つになれば終わりだぎゃ!」
「そうかい。まあ気長に待たせてもらうかね。
ところでおみぁさ、お市様のお姫様はどうなさるつもりかね?」
「お寧、おみぁさ、良き相手を見つけてくれんか?」
「左様か。それなら、ウチに任せてくれるんやな。任せてちょ!」
「頼んだぞ。」
次に秀吉は大坂城大広間に向かった。
既に、四国、九州攻めの諸将が揃っていた。
「皆、大儀である。東は徳川を討った勢いで一気に平定することができそうだ。残るは奥州だが、小一郎が上手く収めてくれそうだ。
となれば、後は四国、九州のみを収めれば、日の本は安泰となるであろう。」
「筑前守さま、まさに破竹の勢いでございますな。」
かつての同僚であった丹羽長秀が神妙に応えた。
「いやいや、丹羽様の合力にはこの筑前、感謝しても仕切れませぬ。
そこで、四国攻めの総大将は丹羽様にお願いしたい。かつて、上様は丹羽様に四国攻めをお命じになられましたからな。」
「筑前殿、申し訳ございません。近頃、胃の腑にシコリがございましてな、別のお方にお願いしたいのですが…」
「左様か…お身体お大事になさりませ。
では、四国攻めには毛利殿と吉川殿を中心に兵を編制することにしよう。
それと、小早川殿並び村上水軍には、九州攻めの為に九州諸将の動きを探っていただきたい。つまり、四国、九州攻めは毛利殿を中心に行う。良いかな?」
大広間の諸将は一斉にひれ伏したのであった。




