表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
豊臣幕府  作者: ヒデオ
28/30

奥州攻め4

会津攻めも終わり蘆名の処分が終わった後である。

秀吉は、初めて伊達政宗と対面した。政宗と共に最上義光も秀吉に臣従するということで、二人が、秀吉の前に現れた。

秀吉は、義光にはそれほど興味はなかったが、伊達政宗には早く会いたかった。

「若い」

秀吉が、政宗を見た第一印象であった。

「こいつは、油断すると、吾にキバを向いてくる。今のうちにそのキバをそぎ落としておく必要がある。」

内心でそう思いながら、秀吉は政宗と対面した。

「伊達殿、こたびの働き大儀であった。

最上殿も吾に同心してくれるということ、これで、北のほうは安心だな。

のう官兵衛。」

「殿、誠に喜ばしきこと。この先、北のほうは安心。西の方へ兵を動かせますな。」

官兵衛もそういいながら、政宗の危うさは秀吉と同様に感じていた。

「では官兵衛、北のほうは伊達殿、最上殿に任せるか?」

「左様ですな。しかしながら、奥州探題という役割は既に無きに等しく、我が羽柴から与力を出す必要がありますな。」

政宗はしまったという顔をした。

奥州探題を望んだが、官兵衛の一言で、その地位は否定されたからである。

「筑前守様、奥州探題は無きに等しいとは?」

政宗が問いかけた。

「これより新しい秩序を作るのだ。足利将軍家が作った秩序は無になる。」

奥州に独立国を作る気であった政宗の野望は、秀吉の一言で却下された。

「では、その与力とおっしゃるのは?」

「我が弟、羽柴秀長、我が甥、羽柴秀次を付ける。よろしいかな?」

羽柴一族が与力となるということは、奥州の平定は羽柴家が行い、伊達家はその元に従うということであった。

政宗の思惑は外れた。

最上義光は、既にその事を察した。

「羽柴様が引き続き、ついてくださるなら、最上家も全力を尽くしてついて参ります。」

政宗、内心では伯父の義光の言葉に

「伯父き、変わり身の早さは相変わらずだな。」

と思いながら、渋々と頭を下げた。

「この伊達藤次郎政宗、羽柴様の為に一命を投げうちまする。」


この瞬間、政宗の奥州独立国構想は崩れた。


羽柴秀長、秀次は奥州を北へと向かうことになった。


秀吉は、まだ西の方で羽柴家に屈服していない、四国、九州勢を討つべく兵を返したのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ