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豊臣幕府  作者: ヒデオ
26/30

奥州攻め2

常陸国では鬼佐竹と呼ばれた、佐竹義重が羽柴勢に対する備えを行なっていた。


「成り上がりとはいえ、羽柴筑前、侮るなかれ。徳川を倒し、上杉を従え、北条を武蔵の国から追い払ったのだ。

さて、佐竹はいかがするか?」


義重は嫡子 義宣にこの先の佐竹の去就を問うていた。


「父上、羽柴筑前の勢いでは佐竹は叶いますまい。ここは、和議がよろしいかと…」

「戦わず、下るか?」

「止むなしと…」

「まあ、真っ当なところだが、源氏の名門たる佐竹の血がそれをよしとさせてくれん。

なんとか一矢報いたのだ。」

「父上、そのような時代ではございませんぞ。」

「分かっておる。分かっておるが…

この地は奥州攻めの拠点として筑前は喉から手が出るほど欲しいだろう。

何もしなくても、我らは国替えになる。」

「では、戦いますか?」

「少なくとも、負けぬ程度に戦い、佐竹侮るなかれというところは見せておきたい。」

「城に籠りますか?」

「いや、蘆名の援軍も期待できん。討って出る。」

「どこで戦います?」

「もう一度、佐野宗綱と力を合わせて下野の沼尻で戦う。あそこは一度、北条と戦った地だ。あの時は筑前と手を結んでいたが、今度はその筑前が相手、急いで陣触れを致せ!」

「かしこまりました!」


義重は、沼尻に進軍したが、既に動きは羽柴方に読まれていた。


既に、伏兵を潜ませていた羽柴勢が、佐竹勢を散々に討ち破り、佐竹勢は、降伏することになった。


生け捕りにされた、佐竹義重、義宣親子は羽柴筑前の前に引き出された。


「名門、佐竹も戦さをせぬままに、我らと和を結ぶは恥と思うたのであろう。しかしながら、それが命取りであったな。

そのまま和を結べば、命まではとらなんだが、こうなると、許す訳には参らん。

官兵衛、名門 佐竹殿にふさわしい死を与えよ。」

「かしこまりました。」


かくて二人は、筑前の前で切腹し、常陸国は羽柴筑前の手に落ちた。

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