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豊臣幕府  作者: ヒデオ
23/30

北条攻め4

羽柴筑前の使者、羽柴秀長、黒田官兵衛の前にやや緊張した北条氏政、氏直親子、飄々とした幻庵が現れた。

「羽柴筑前守様の御使者、お二方、お役目大儀でございます。」

「羽柴筑前守の弟である羽柴美濃守秀長でございます。」

「黒田官兵衛孝高でございます。」

「おお、名高き、弟殿と軍師殿が参られたか!」

「拙者は北条幻庵と申す。」

「北条氏政じゃ」

「当主、北条氏直でございます。」

三人が性格を現すような挨拶をした。

「これは北条家を取り仕切るお三方がお会い下さり、誠に恐縮至極。

既に、山中城、八王子城を我が羽柴勢が落としました上は、和議に応じていただくがよろしかろうと罷り越しました。」

北条方の三人は八王子城の落城は知らず、衝撃を受けていたが、かろうじて冷静さを保っていた。

「して和議の条件は…」

幻庵が切り出した。

「北条家には、会津に移っていただく。」

「はて?会津は蘆名家がおるが?」

「すぐにとは申しません。この後、常陸と奥州攻めと仕置を行います。

その際に各大名の国替えを行います。

もちろん、北条殿にも兵を出していただきます。いかがでしょうか?」

「関東には誰が?」

「仕置の際に申し上げるが、上杉家ではない。」

幻庵は氏政に言った。

「大殿、この当たりが落とし所ですな。」

「御老体、お任せした。」

「では、御当主様。」

氏直が口を開いた。

「御使者の仰せ、全て承知したと羽柴筑前守様にお伝えしてくれ。」

「かしこまりました。」


こうして、北条家も羽柴筑前守の前にひれ伏した。

そしてその頃、筑前守は、京の都へ石田佐吉こと三成にある使命を与えて、戻らせていた。

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