北条攻め2
3日後。小田原城大広間に北条家の主立った面々が集まった。
「御老体、この3日の間に山中城が羽柴勢に半日で落とされました。
間宮康俊が200の兵で必死の抵抗をし、羽柴勢もかなりの手傷を負わせましたが、半日で落ちるとは…」
「やはり、大軍相手では無理があったようだな。氏政殿、どうなさる。」
「はい、氏直ともよくよく話しました。佐竹、蘆名、伊達と結ぶことも考えましたが、あちらはあちらで戦ってますからな。援軍を出す余裕もなさそうですな。ここは、北条家の体面を気にしている場合ではありません。
もはや和議しかないかと。」
「それが懸命な判断だな。
どこに移ろうが北条家は残せる。
後は、羽柴筑前が我らをどう処分いたすかということだ。
ところで氏勝殿。」
「はい、後長老様。」
「そなた、山中城の守備を任されながら、おめおめとこの場にいるとは、それでも北条一門か!」
「申し訳ございません。間宮ともども、討ち死にし損ねました。この場で腹を斬りまする。」
「まあ、良い。間宮もそなたを残したくて逃したのであろうとも。これからの北条家をしっかりと支えよ。」
「かしこまりました。」
その時であった。
「申し上げます。羽柴筑前守の使者として、黒田官兵衛、羽柴美濃守(秀長)が参っております。」
「いよいよ参ったか。
ならば、氏政殿、氏直殿、この幻庵も最後のご奉公、使者と一緒に会うとしよう。
筑前守も弟と軍師を寄越してきたのだ、それなりの礼儀を持って迎えねばならん。
もし対応を間違えたら北条は終わりだからな。」
「御老体、お頼み申し上げます。」




