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豊臣幕府  作者: ヒデオ
14/30

真田動く4

浜松城で秀吉と昌幸率いる旧武田家臣団が対峙して10日余り過ぎた夜のことである。

浜松城の物見の兵が、敵兵が来襲してくるのを発見した。

「敵襲、敵襲!」

その声を聞いた浜松城の兵達は敵襲に備えて兵を整えた。

羽柴秀吉は、

「慌てるな。こちらから討って出ることはない。種子島で追い払え。」

と冷静な口振りで命を下した。

ちょうどその頃、金堀衆は浜松城の中まで穴を掘り終わり、真田昌幸率いる数十人の兵がその穴から浜松城内に突入した。

浜松城内の羽柴勢は敵襲に備えていた為、中からの侵入には全く気付いていなかった。

数十人の兵は浜松城内の羽柴勢に襲いかかった。

「寝返りの兵が出たぞー!」

その声に浜松城内は混乱し始めた。

数十人の兵は浜松城内を走り回り、あちこちで羽柴勢に襲いかかった為、同士討ちが始まった。


秀吉は寝返りの兵が出たと聞いた瞬間に、自身の兵の弱点がさらけ出されたと思い知らされた。

羽柴勢は子飼いの兵が少なく、元は織田家家臣団の寄せ集めだったからであった為である。

しかしながら、秀吉も冷静であった。

「あちこちで寝返りの兵が出るのはおかしい。

夜が明けるまで持ち場を離れず、その場から動かないように伝えよ。」

伝令はすぐに浜松城内を駆け回り、秀吉の命を伝えた。

やがて浜松城内の喧騒は落ち着いてきた。


真田昌幸は、

「さすがは羽柴筑前、兵をあっという間に鎮めてしまった。我らも引き上げ時、長居は無用。

あの穴から引き上げよ!」

と言うと、さっさと城の中から逃げ出した。

それとともに城外の攻め手も夜陰に紛れて引き上げて行った。


夜が明けて秀吉達が城内をくまなく見て回ったが、金堀衆が掘った穴は見事にふさがれて、昨晩になにが起きたのかさっぱりわからない状況であった。

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