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音楽エッセイ『こんな音楽いかがでしょう?』  作者: Kobito


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10/24

第10回 ブルーグラスをご存じですか?

『ブルーグラス』というのは、簡単に言うと、カントリーミュージックののどかなメロディを、目にもとまらぬテンポで速弾きした演奏の事です。


カントリーミュージックの一ジャンルとも言えます。


このジャンル、私は実はあんまり詳しくないんですが、たった一つだけ、心から皆さんに推薦できる、お気に入りのバンドが存在します。


それは、1960年代に活躍した、ケンタッキー・カーネルズ(Kentucky Colonels)というバンドです。


フライドチキンを思い起こさせる名前でしょう?

ちょっと調べてみたんですが、あの、白いスーツ姿でおなじみのカーネル・サンダースさんが、ケンタッキー・フライドチキンのフランチャイズ展開を開始したのが1952年の事なので、1961年にバンド名をケンタッキー・カーネルズにしたこのバンドは、多分に命名におふざけの気持ちを込めていた節があります。


さて、この、ケンタッキー・カーネルズ。

イギリスのカントリーロックバンド、ザ・バーズのすご腕ギタリスト、クラレンス・ホワイトが所属していた事から、ロック史の中で語られる事も多いんですが、確かに、他のブルーグラスのバンドに比べると、技量や音楽性が、一歩抜きん出ている所に凄みを感じます。


音楽性はあくまでも伝統に根差していて(電化楽器を一切用いません)、アメリカの開拓時代の土の香りが漂って来るような、古風なアナログサウンドで楽しませてくれるバンドです。


楽器編成は、アコースティックギター、ウッドベース、バンジョー、マンドリン、フィドル(ヴァイオリン)で、ドラムスが居ないのが最大の特徴になっています。


一般的に代表作と言われているのは、1964年のアルバム『アパラチアン・スウィング(Appalachian Swing !)』です。


一曲目の「Clinch Mountain Back-Step」から、すでにこのバンドがどんな音楽性なのか、全開で聴かせ、楽しませてくれる、上質のカントリーアルバムに仕上がっています。


しかし、彼らの、ロックに負けないバイタリティの本領発揮は、ライブ盤を聴いてこそ味わえます。


1965年、カナダ、バンクーバーでのライブの模様を収めた『Live in Stereo』では、さらに勢いのある、熱のこもった速弾きの応酬と、曲間のウィットにとんだジョークの数々を楽しむことができます。


ロックファンからの視点だと、若干二十歳のクラレンス・ホワイトのアコースティックギターの腕前に注目が集まる所ですが、私は、やや線の細いアコースティックギターのサウンドよりは、バンジョーのビリー・レイ・レイサムの、超絶的な速弾き、指弾きテクニックの方に、より強い魅力を感じます。


おそらく、世の数多あまたのバンジョー弾きの中でも、一、二を争うテクニシャンでしょう。


そして、ただ技巧を見せびらかすだけではなく、ちゃんと音色やグルーヴに温かい人間味が感じられるのも素晴らしいです。


ブルーグラスで、ここまで技巧的で古典的なバンドというのも、意外と珍しいので、カントリーミュージックに興味がある方、速弾きが大好きな方は、せひチェックしてみて下さい。



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