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ワシミミズクもどきと事態の収拾

タッタカ、タッタカ、タッタ。

マッチョな護衛とカイくんと共に街歩きか、と思ったらドミーくんが駆けてきた。

「コー、お話終わった~」

すみません、とマッチョさんに断ってドミーくんを迎える。

「ゴメンね。もうちょっと。チーター兄弟はどうしたの」

「長老が来たから逃げて行っちゃった」

困った兄弟である。

「コー、どうじゃった」

「無事決着が着いたか」

ゾウガメに乗ったカラスが寄合所から出てきた。後ろからトラの青年や水牛も出てくる。

簡単に今日の客人の話を通していたので、みんななりに心配していたようだ。

リュートくんとヒューイくんはバルドーさんと一緒に訪れるので、街のみんなとも仲良しである。


「あんた達はこういう交渉のためにこの子をおいているのか」

護衛のマッチョなオジサマが長老達を非友好的な目で見て言った。

交渉内容を知らない青年獣人達が戸惑いを顔に浮かべる。

いやいやマッチョさん何故一気に喧嘩腰になったの。


「何を言ってもこの有様では言い訳になろう」

いやいやいや、長老も何意味深に返してるの。

「え、無事いつも通り決着したよ。子ども達が責められることはもうないよ。コルトさんが大丈夫と言っていたし、え、どの有様?」

何か意味の取り違いがあっただろうか。

なんだなんだと獣人達が集まって来るので、離れようとしていたコルトさんと役人も戻って来てしまった。

「この子に全部押し付けて支払わせて、それで終わらせるのか」

マッチョさんが言う。

反論しようとしたら、カイくんに何も言うな、するなと小声で言い聞かせられた。

カイくんの背にかばわれてしまった。


「今回の金額が子どもにとってどれだけの額かわかっているのか。しかも共和国通貨での支払いだぞ。こんな小さな子がどうやって調達していると思うんだ。まともなやり方じゃない。あんた達はそれで平気なのか」

マッチョさんが糾弾の姿勢だが、え、何故共和国側の護衛のマッチョさんがその台詞を言うのかな。

多分みんな共和国通貨の価値は分からないよ。

そしてまともなやり方じゃないって傷付くんだけど。

そこのコルトさんとお役人、微妙な表情が事態を悪化させているよ、自己弁護した方がいいよ絶対!


カイくんはカイくんで何やらシリアス顔で、こっちもなんだか思考が暴走していそうだ。

そしてみんな悲壮な顔で私を見ないで、多分勘違いをして察したつもりになってるよ。

「コー、みんなどうしたんだ~」

ドミーくんの声で決めた。

この場で何か言っても一発解決できないだろうからあとで個別突破しよう。

現時点での解決を諦めた私は、この場を解体することにした。


「カイくんこれはちょっと面倒な展開だよ。もういいよね」

カイくんの後ろからぐいっと前に出る。

「はいはい、みんなダイジョーブ。私が戻って来るまでおとなしくしててね。ケインくんに怒られるからね」

ドミーくん、長老達と遊んでてね。

さあさあ、街に行きましょうか。

ほらほら、コルトさん達、寝る時間なくなっちゃいますよ。

はい、はい、はい、はい。


まあ、まあ、まあ、まあ。

ワシミミズク母子譲りの感嘆詞使いで集団を解体し、私はカイくんとマッチョさんをメインストリートに向け押し出した。




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