リクの作戦
お久しぶりですw
遅れて申し訳ないです。
とりあえず、第一章完結までは予約投稿しておきます!!
「ふーん。なるほど、ね」
ジンは少し考えこむように手で口元を抑えていた。
キリクの車の中で、リクが現状の犯罪者たちの状況と、組合の対策、警察の内通者など、詳しい話を終えたところなのだ。リクは本来の計画ではジンに話すつもりは一切なかったのだが、キリクから頼まれたこともあり、ジンに話したのだ。
「そう言えば、うちの父親も警察努めてっけど上層部の動きがおかしいとかって言っていたな。普段なら確実に対応するはずの人まで動いていないって」
「ああ、それは俺の方から頼んだことですね。下手に動かれて警察に内部分裂とかされた日には目も当てられないし、危うそうな奴らだけ今のうちに洗い出しておくよう頼んでおいたんですよ。ついでに、犯罪の証拠の類もね」
「なるほどのう。確かにうちの門下生どももそんなことを言っていたな。もはや上層部があてにならないからこそ、わしにも時間があれば見回りをしてほしいと頼まれたしのう」
「ああ、可能ならそれは続けておいてください。その上で俺が動く時に連絡しますからその時は即応できるようにお願いします」
「なるほどの、よかろう。了承した・・・レイジのバカの考えはさておき、自分1人で全てを為そうとしているのであればぶちのめすところであったが、そこは考えておったか」
「ええ、まあ。頼りになる人がいるのなら頼りにしますよ。組合にも最終計画をこれから伝えて、明日にも動くつもりですから。」
「どの程度うまくいきそうなんだ?」
「9割方は確実に・・・ただ、俺の計画だと相手の本元は叩けますし、良いところまでいくとは思うのですけれど、組合の評判を落としそうなので、その根回しと、後始末の準備に少しばかり時間がとられているところですね。
タケルの父やシゲルさんも協力してくれるとは言っていますし、全てが上手くいけば何事もなく終わりますよ」
「なるほど、では残りの一割は?」
「相手が俺の予想以上に馬鹿だった場合。もしくは俺の知らない技術や魔法を用いている場合。この二択です」
「そうでなければうまくいくと?」
「ええ」
「リク・・・お前すっげえ自信だな」
ジンは呆れてむしろリクに感心していた。しかし、それでもリクの言葉を疑っていないあたり、ジンは(当然リクには心当たりはないが)リクのことを信用しているらしい。
「既に馬鹿どものアジトの位置、構成員、黒幕、全て把握していますから。もう少し彼らを霊視する時間があれば100%成功するといってもいい計画を作れたのですが、これ以上やると民間人に被害が出そうだったので、まあ、あとはアドリブですね。それに私は特段自信家というわけではありません。霊視官なんてみんなこんなものですよ」
「いや、それは絶対ウソでしょ」
ヒカルが流石に突っ込んだ。ヒカルの知る霊視官に少なくともリクのような人物はいない。
しかしリクは自分の言葉の間違いは認めず、単純に補足した。
「確かに言い過ぎかもしれないけど、嘘ではないよ。なら、言い変えよう。世の第一級霊視官はみんなこんなものだよ。世界が良く見える、見えすぎるがゆえにゲーム感覚で人を掌で躍らす。それを楽しんでいる質の悪い奴もいるし、逆にうちの師匠みたいに自分の予想から外れる行動をするやつを、面白がってちょっかいをかける奴もいるしね」
「奴って・・一応同業の先輩、師匠でしょ?敬意くらい払いなさいよ」
ヒカルは少し不満そうなリクを、諫めるように言ったが意外にもヒカルの言葉に反論したのはキリクだった。
「いや、その必要はないのう、ヒカルや。霊視官は確かに少し変わっておるが、少なくとも人間味あふれるものが多い。じゃが、数人、会ったことがあるが、わしの知る第一級霊視官という奴らはリクを除いてまともな奴がおらん。自分の能力をいいように使って悪人どもで遊んでいる奴らがほとんどよ。
救いがあるとすれば、組合の『オニの誓い』は確実に順守するところかの。奴らの遊び相手は悪人どもだけじゃ」
「そうなんですか?」
「うむ」
「本当に困ったことに、これが事実なんだよ」
リクとキリクは疲れたように言った。
「でもよ?悪人たちにしか悪いことはしないとはいえ、悪人どもと付き合ううちに頭おかしくなって霊視能力で悪さする奴らも出るんじゃねえの?」
ここでジンが気になったことを聞いた。
「ああ。大丈夫ですよ。そういう人たちは気が付けばいなくなりますから。不思議なことに、ね」
「い・・・いや、怖すぎだろ。組合」
「あの・・・第一級霊視官はどうかはまだ私は知りませんけど、それ以外の組合の方たちは普通にいい人たちですよ?」
ヒカル自身も怖いとは思ったが、さすがに組合を悪く言われるのは組合所属の身としても嫌なのか、否定した。
「おい。俺は第一級霊視官だけどまともだぞ」
「「「まともじゃない わよ/だろ/のう」」」
リクは不満そうに言ったが、3人に一斉に否定されて気分を悪くするのであった。




