霊視官の平均収入
明日の話が長いので、短いですが今日は一話だけです。
「今日の作業はこれで全部終わりです。お疲れ様でした!」
「「「「「「「「「お疲れ様でした!」」」」」」」」」
「ようやく終わりかよ。きつかったー」
「ホントにねー。特にリク君の知り合いの凄いこと凄いこと」
「マジでな!俺もそれは思った。リク!お前の知り合いどうなっとるんじゃ」
「確かに。料理に興味なかった俺でも知っている名前の人来ていたぞ」
「どうって・・霊視官としては別に普通だと思うけど?」
「「「「「「「「「いや、普通じゃないから」」」」」」」」」
クラスメイト全員からそうツッコミを受けるリクだったが、少しその迫力に引きながらも答える。
「いや、『霊視官としては』普通だって。たいていの霊視官にはプロの料理人の知り合いいるし」
「そうなのか?」
「へー、なんでまた?リク君見てから変わったけど、言っちゃ悪いけど霊視官の人ってほとんど外食とかしないイメージ」
「たしかに。変わり者が多いって聞くしな。まあ、リクもかなり変わっているし」
「お前らな・・・まあいいけどさ。単純に霊視官は人が苦手で、農業や林業、漁業なんかの研究職に就く人が多いんだよ。その過程で仲のいい生産者の人が増えて、自然と料理人との伝手もできるんだよ」
「へえ。そうなんだ」
「けど羨ましいな。リクと今日来たプロの人の会話とか聞いちゃったけど、新作料理の試食会とか呼ばれているんだろ」
「あ、それはまじで羨ましい」
「まあ霊視官の人たちって美食家も多いし、組合で食べた料理とかかなりおいしかったわ」
「そっか、ヒカルちゃん。組合に行けるんだっけ?」
「ええ、ま。リクの護衛だし、訓練はほとんど組合でやっているわね」
「けどマジかー。組合で食える料理がうまいとか。金もかなりかけているんだろ?・・・やっぱり霊視官って金あんだなぁ」
「言っとくけど、霊視官の稼ぎそれ自体はあんまよくないぞ?優秀な人たちが特許とか取りまくっているから平均収入が上がっているだけで、うちの師匠とか収入0だし。それに食材は農家さんからのおすそ分けだよ、大半が」
「はっ?リクの師匠って第一級霊視官で世界最高ともいわれるレイジさんだろ?」
さすがのタケルも驚いたのかリクに突っ込んだ。
「まあね」
「え?マジ?リクの師匠ってレイジさんだったのか」
「え?あれだろ?世界最高峰の霊視官とか言われてる人だろ?」
「・・・もしかしてリク君って実はすごい?」
「それは今更。それよりどういうことよ?稼ぎ0って」
流石にリクへのヨイショの発言に嫌気がさしたのか、クラス会長のシズクがリクに聞いた。
「そのままの意味だけど?単純に霊視官としてあのバカ師匠は働いてないから稼ぎは0。もっとも昔かなり稼いだらしいし、バカ師匠もかなりの美食家だからたいていの高級店はタダで試食して感想をくれって言うぐらいだから、稼ぐ必要がないらしいけどね。
もっとも外聞が悪いから組合の方で建て替えて、一年に一回バカ師匠の口座から天引きしているけど」
「マジかよ・・・」
「いや、かなりの年齢とはいえたしかあの人まだ50代だよな?稼ぐ必要がないって・・・」
「いや、むしろ私はリク君がレイジさんのことバカ師匠って呼んだことの方が驚きだけど?」
「確かに・・」
「いや、それはもうほら、あれだよ。リク君だし」
「まあ『孤児院の覇王』だしな」
「なにその面白そうなの」
午後のシフトのメンバーはまだ話を聞いていなかったらしい。
「おい」
リクは諦めながらも一応その男子生徒を止めた。数分後、クラス全員がリクの昔話で爆笑したのは言うまでもない。




